神様が結ばれた八つの契約のうち、六番目の契約は【土地の契約】です。
以前はパレスチナ契約」と呼ばれていました。。。(「と言われても、聞いたことすらない」という方も多いかもしれませんね💦)
「土地の契約」は、アブラハム契約で約束された土地に関する条項を、再確認したものであり、モーセ契約の一部としてではなく、「別な契約」として、神がイスラエルと結ばれたものです。
アブラハム契約では、約束の地は無条件でイスラエルの民に与えられることが約束されました。
ところが、モーセ契約では613ある律法にイスラエルの民が不従順の場合は、その居住地が縮小されたり、土地を追放されて捕囚の民となりました。
無条件契約だったアブラハム契約は、無効になったのでしょうか?
この矛盾を解決するのが『土地の契約』です。
【土地の契約】が記されているのは、申命記29:1~30:10 です。
申命記29:1に注目してください!
申命記29:1ーこれは、モアブの地で、主がモーセに命じて、イスラエル人と結ばせた契約のことばである。ホレブで彼らと結ばれた契約とは別である。
出エジプト記20章〜モーセ契約が延々と続いていたので、土地の契約もモーセ契約の一部として捉えがちですが、「ホレブで彼らと結ばれた契約とは別である」とあります。
*ホレブ…シナイ山がある地域のこと。そこで結ばれた「モーセ契約」は、別名:シナイ契約とも呼ばれます。
そのモーセ契約(シナイ契約)は、申命記28章で終わり、申命記29:1〜別の契約として「土地の契約(旧:パレスチナ契約)」が始まります。
何故、「パレスチナ契約」と呼ばれていたものが「土地の契約」と呼ばれるようになったのでしょう?
「パレスチナ契約」というは、用語自体は二千年も前から使われ始めていました。
この言葉自体は非常に意味のある言葉で「約束の地」に帰還するという約束通り、イスラエル人が帰還し始めていた頃、その地は「パレスチナ」と呼ばれていたからです。
1800年代初期の頃は良いイメージで使われていましたが、近年はアラブ人を指す言葉となり、ユダヤ人を意味しなくなりました。
モーセ契約とは別の契約として結ばれたこの契約の内容は、「イスラエルの民が約束に地に再び集められる」というものです。しかし、故アラファト議長が主張した「パレスチナ契約」というのは「あの地からユダヤ人を抹殺する」という内容であり、同じ言葉を使っていても意味する所は正反対となりました。
その区別をするために、近年は「土地の契約」と呼ぶようになったのです。
では、その「土地の契約」について聖書が何と教えているのかを見てみましょう。
この契約の当事者は、神とイスラエルです。
ですから契約に与る者とはイスラエル人であり、異邦人のことではありません。
《土地の契約の条項》
①イスラエルの不信仰の結果、世界中へ散らされると預言されています。
これを『バビロン捕囚』で成就したと考える人もいると思いますが、バビロン捕囚は70年間だけであり、バビロンだけに連れて行かれました。しかし、AD70年にローマ軍による神殿とエルサレム崩壊の出来事以降は、1948年に国が再建されるまで文字通り『世界に離散』していました。現在でも離散した地に生きるユダヤ人は、約束の地に住むユダヤ人よりも多くいます。
②申命記30:2ーイスラエルは民族的、国家的悔い改めをするようになります。
イスラエルの国家的悔い改めは、イエス・キリストの再臨の大前提となります。
ホセア書6:15~6:3によれば、患難時代の最後の三日間でイスラエルの民族的悔い改めが起こることがわかります。
彼らイスラエルのレムナントが民族として悔い改めた時、彼らの祈りに答えてキリストの地上再臨が起こります。その時、反キリストと偽預言者は燃える火の池にだれよりも先に投げ込まれ、サタンは千年間『アビス』に閉じ込められます。それを阻止しようとして、サタンは『反ユダヤ主義』を用いてユダヤ人根絶を図ろうとしているのです。
離散の地から再び集められて、約束の地に帰って来るという預言です。
これは、イスラエルの民族的回心の結果、千年王国での『約束の地』を引き継ぐために集められます。
しかし、旧約聖書の預言書を注意して読むと、イスラエルの民が世界中から約束の地へ帰還してくることが、二度あることが分かります。歴史上、彼らが最後に離散の民となったのは、AD70年です。
それはユダヤ人たちがイエスを十字架に付けることの責任を、自分たちが負っても良いと言ったことに対する結果でした。
マタイ27:25ーすると民衆はみな答えて言った。「その人の血は、私たちや子どもたちの上にかかってもいい。」
その後、1,878年間彼らは離散の民として、世界中に散らされていましたが、1948年遂に再び国家として約束の地を受け継ぐことができました。しかし、これは不信仰な状態で帰還し、神のさばき(患難時代)を受けることを目的とした帰還なのです。
エゼキエル20:33~38ーわたしは生きている、ー神である主の御告げ。ーわたしは怒りを注ぎ、力強い手と伸ばした腕をもって、必ずあなたがたを治める。
わたしは、力強い手と伸ばした腕、注ぎ出る憤りをもって、あなたがたを国々の民の中から連れ出し、その散らされている国々からあなたがたを集める。
わたしはあなたがたを国々の民の荒野に連れて行き、そこで、顔と顔とを合わせて、あなたがたをさばく。
わたしがあなたがたの先祖をエジプトの地の荒野でさばいたように、あなたがたをさばく。ー神である主の御告げ。ー
わたしはまた、あなたがたにむちの下を通らせ、あなたがたと契約を結び、あなたがたのうちから、わたしにそむく反逆者を、えり分ける。わたしは彼らをその寄留している地から連れ出すが、彼らはイスラエルの地にはいることはできない。このとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
エゼキエル22:17~22ー次のような主のことばが私にあった。
「人の子よ。イスラエルの家はわたしにとってかなかすとなった。彼らはみな、炉の中の青銅、すず、鉄、鉛であって、銀のかなかすとなった。
それゆえ、神である主はこう仰せられる。あなたがたはにな、かなかすとなったから、今、わたしはあなたがたをエルサレムの中に集める。
銀、青銅、鉄、鉛、すずが炉の中に集められるのは、火を吹きつけて溶かすためだ。そのように、わたしは怒りと憤りをもってあなたがたを集め、そこに入れて溶かす。
わたしはあなたがたをかり集め、あなたがたに向かって激しい怒りの火を吹きつけ、あなたがたを町の中で溶かす。
銀が炉の中で溶かされるように、あなたがたも町の中で溶かされる。このとき、あなたがたは主であるわたしがあなたがたの上に憤りを注いだことを知ろう。」
ゼパニヤ2:1~2ー恥知らずの国民よ。こぞって集まれ、集まれ。
昼間、吹き散らされるもみがらのように、
あなたがたがならないうちに。
主の燃える怒りが、まだあなたがたを襲わないうちに。
主の怒りの日が、
まだあなたがたを襲わないうちに。
主の定めを行なう
この国のすべてのへりくだる者よ。
主を尋ね求めよ。
義を求めよ。柔和を求めよ。
そうすれば、
主の怒りの日にかくまわれるかもしれない。
二度目は、イスラエルが信仰を持って帰還し、神の祝福(メシア的王国=千年王国)を受けるためだと、聖書は記しています。
申命記30:1~5ー私があなたの前に置いた祝福とのろい、これらすべてのことが、あなたに臨み、あなたの神、主があなたをそこへ追い散らしたすべての国々の中で、あなたがこれらのことを心に留め、
あなたの神、主に立ち返り、きょう、私があなたに命じるとおりに、あなたも、あなたの子どもたちも、心を尽くし、精神を尽くして御声に聞き従うなら、
あなたの神、主は、あなたを捕われの身から帰らせ、あなたをあわれみ、あなたの神、主がそこへ散らしたすべての国々の民の中から、あなたを再び、集められる。
たとい、あなたが、天の果てに追いやられていても、あなたの神、主は、そこからあなたを集め、そこからあなたを連れ出す。
あなたの神、主は、あなたの先祖たちが所有していた地にあなたを連れて行き、あなたはそれを所有する。主は、あなたを栄えさせ、あなたの先祖たちよりもその数を多くされる。
イザヤ27:12~13ーその日、
主はユーフラテス川からエジプト川までの穀物の穂を打ち落とされる。
イスラエルの子らよ。
あなたがたは、ひとりひとり拾い上げられる。
その日、大きな角笛が鳴り渡り、
アッシリヤの地に失われていた者や、
エジプトの地に散らされていた者たちが来て、
エルサレムの聖なる山で、主を礼拝する。
*ユーフラテス川からエジプト川まで…歴史上、イスラエルはまだこの範囲を所有したことはありません。将来、千年王国で成就する預言です。
エゼキエル39:25~29ーそれゆえ、神である主はこう仰せられる。今わたしはヤコブの捕われ人を帰らせ、イスラエルの全家をあわれむ。これは、わたしの聖なる名のための熱心による。
彼らは、自分たちの地に安心して住み、彼らを脅かす者がいなくなるとき、わたしに逆らった自分たちの恥とすべての不信の罪との責めを負おう。
わたしが彼らを国々の民の間から帰らせ、彼らの敵の地から集め、多くの国々が見ている前で、彼らのうちにわたしの聖なることを示すとき、
彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知ろう。わたしは彼らを国々に引いて行ったが、また彼らを彼らの地に集め、そこにひとりも残しておかないようにするからだ。
わたしは二度とわたしの顔を彼らから隠さず、わたしの霊をイスラエルに家の上に注ぐ。ー神である主の御告げ。ー
この契約によって、約束の地の所有権はイスラエルにあることが再確認されたのです。
所有権…イスラエルが罪を犯しても、土地の所有権が奪われることはありません。不信仰になればその土地から追放されますが、所有権と占有権(居住権)を区別しておく必要があります。
*土地の契約は、無条件契約のため破棄されることはないからです。
⑤申命記30:6ーイスラエルは霊的に生まれ変わった状態で、神(御父の妻として)生きるようになります。
エゼキエル書16章による補足説明。
・1~7節…幼少の頃のイスラエルを、神がどれほど愛されたか。
・8~14節…成長したイスラエルは、神の妻として、神に迎え入れられ愛された。
・15~34節…イスラエルは霊的姦淫(偶像礼拝)の罪を犯し、娼婦のように振舞った。
・35~52節…イスラエルを懲らしめるための方法が、離散でした。
しかし、この離散は、最終的なものではなく、続きがあったのです。
それが…
・53~63節…土地の契約によれば、将来、再びイスラエルの民は、約束の地に戻って来ると保証されています。
⑥イスラエルは「メシアの時代=御国の時代」の祝福を受けます。
神がイスラエルに約束された広さの土地を、すべて所有するようになるのは、この「御国の時代(千年王国)」においてです。こうして神の契約は、すべて果たされることになるのです。
この着地点をもって、神のご計画の成就を見ていく必要があるのです。
そこが見えないと、異邦人による様々な私的解釈がなされてしまいます。