サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

ユダヤ人、ヘブル人、イスラエル人とアラブ人、異邦人

 

日本は『日本人と外人』という区別をしますが、聖書では主に『ユダヤ人と異邦人』という区別をします。当然私たち日本人はユダヤ人ではないので『異邦人』というカテゴリーの中に入るわけです。では、『ユダヤ人』とは何をもって『ユダヤ人』とされるのでしょうか?

 

アブラハム契約のしるし『割礼』ですか?

いいえ。聖書の時代はもちろんユダヤ人のしるしでしたが、近年ではユダヤ人以外の人々の間でも行なわれています。

アブラハムはもともと『ウル』という地に住んでいました。ですから『ヘブル人』とはユーフラテス川を越えて来た『川向こうから来た人々』という意味です。

 

神が創造された最初の人間アダムとエバはエデンの園に置かれましたが、神に禁じられていた善悪の知識の木の実を食べ『霊的に死んだ状態』となりました。その状態で『いのちの木』にまで手を伸ばして食べ、永遠に生きることのないようにと『いのちの木に至る道を守るため』に園から追放されました。cf 創世記3:24 

 

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エデンの園は『東の方』にありました。cf 創世記2:8 幕屋や神殿の出入り口が『東の門』だったことを考えると、神様がケルビムとシャカイナ グローリーをもって守られたエデンの園の入口も東だったと考えられます。ですから『エデンの東』とは失楽園を意味し、『神様の祝福の外』ということになります。

 

エデンから一つの川が流れていて、そこから分かれて四つの源となり、その一つがユーフラテス川でした。ですからヘブル人が『(ユーフラテス川を越えて来た)川向こうの人々』という意味だというのは、聖書的に納得できることなのです。

 

ノアの洪水後、箱舟から出たノアの三人の息子が、現在の主な人種の祖先となりました。cf 創世記9:18

セム東洋系(黄色)人種。霊的資質が与えられました。アブラハムの家系はセム系であるため、反ユダヤ主義のことを “anti-Semitism” (アンチセミティズム)と言います。cf 創世記11:10~26

 

ハムアフリカ系(黒人)人種。父ノアの裸を見たために呪われてしまった。cf 創世記9:21~27

音楽や運動能力が与えられました。

 

ヤペテヨーロッパ系(白人)人種。科学的思考力が与えられました。

 

アブラハムは神が告げられたことば『子孫、土地、祝福』の約束を信じました。神のことばを信じたことにより、彼は神に『義』と認められました。

 

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それまでは『全能の神』としてご自身を表わされていましたが、アブラハム契約以来、神はご自身を契約の神としてアブラハムの神』と言われました。cf 創世記26:24

そしてアブラハムの死後、その契約は約束の息子であるイサクに継承されました。

 

それは単なる継承ではなく、契約の神である主はイサク個人とも契約を結ばれたのです。ですから孫のヤコブに現われた時にはアブラハムの神、イサクの神』と言われ、個々との契約の神であられることを強調してご自身を表わしておられます。

 

アブラハム契約の条項である子孫、土地、祝福は、孫のヤコブに継承されました。この時もヤコブ個人とも契約されたので、以来アブラハム、イサク、ヤコブの神』としてご自身を表わされています。

 

特に個人との契約に強調点が置かれる時はアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神』という表現が使われています。cf 出エジプト記3:6、マタイ22:32

それは契約を交わされた個人に対して、必ず契約事項を守られることを意味します。そしてアブラハム契約は、ヤコブの12人の息子たちに継承されました。cf 創世記28:13~15

 

ですからユダヤ人』とは、このアブラハム契約を個人的に継承したアブラハムーイサクーヤコブ』の三人を先祖に持つ人々のことを指すのです。ユダヤ人が自分たちを『神から選ばれた民』だと選民意識を持つのはこのためです。

 

聖書的には、父方がユダヤ人でないとユダヤ人としては認められていません。

レビ記24:10ーさて、イスラエルの女を母とし、エジプト人を父とする者が、イスラエル人のうちに出たが、このイスラエルの女の息子とあるイスラエル人とが宿営の中で争った。

*『イスラエルの女の息子』と『あるイスラエル人』と区別されています。

 

使徒16:1~3ーそれからパウロはデルべに、次いでルステラに行った。そこにテモテという弟子がいた。信者であるユダヤ人婦人の子で、ギリシャ人を父としていたが、

ルステラとイコニオムとの兄弟たちの間で評判の良い人であった。

パウロは、このテモテを連れて行きたかったので、その地方にいるユダヤ人の手前、彼に割礼を受けさせた。彼の父がギリシャ人であることを、みなが知っていたからである。

*異邦人の使徒となったパウロが書き記した書簡はすべて、異邦人教会宛てか異邦人個人の信者に宛てたものです。テモテへの手紙も異邦人宛ての書簡ですから、ユダヤ人の母とギリシャ人の父との間に生まれたテモテも、当然聖書的には『異邦人』という扱いになっています。

 

確かにイスラエルユダヤ人)は『神の選びの民』ですが、救いはいつの時代も誰であっても『神の恵みと信仰による』のです。生まれながらに自動的に救いを得ている人は、ひとりもいません。その点をユダヤ人たちは理解していないのです。

 

信仰の父アブラハムがその父テラから付けられた名前は、

『アブラム』ー高貴なる父、高められた父、

そして神によってアブラハムー多くの国民の父ーと改名されました。cf 創世記17:5

 

ヤコブーかかとを掴む、の意ーもまた神によってイスラエルー神は争われる、または神の王子、の意ーと改名されました。cf 創世記32:28

 

ダビデ王のよって統一された『イスラエル王国』は、ソロモンの子レハブァム王の時に北イスラエル王国と南ユダ王国に分裂しました。イスラエル王国はBC721年にアッシリヤ捕囚に、南ユダ王国はBC586年にバビロン捕囚になりました。

 

BC538年バビロン捕囚から帰還して以降、統一されたのがイスラエル』国家です。しかしながら、AD70年にローマ軍によってイエスの預言通り国が滅びてしまいました。1948年にシオニズム運動により国が再建され、イスラエル国籍を有する者がイスラエル人』とされるようになりました。

 

国民の多くはユダヤ人(ユダヤ教徒)ですが、キリスト教徒(メシアニック・ジュー)やアラブ人(イスラム教徒)もいます。

 

聖書的には『ユダヤ人』とユダヤ人以外の『異邦人』の二つに区別されています。これは永遠の御国においても存在しますcf 黙示録22:2bー諸国の民…異邦人のこと。

 

その異邦人の中に『アラブ人』が含まれます。ユダヤ人が『アブラハム、イサク、ヤコブの子孫』であるのなら、アラブ人とは誰の子孫のことを指すのでしょう?

実は、彼らも『アブラハムの子孫』なのです。さすが『多くの国民の父』ですね。

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この図で分かるように、世界の『一神教』はすべて信仰の父アブラハムから出ているのです。イスラム教の啓典には旧約聖書モーセ五書詩篇が含まれているのはそのためかもしれません。

 

ハガルの子イシュマエルからイスラム教の預言者『モハメッド(ムハンマド)』が出ました。アブラハムーイサクと二人の先祖と同じくするエサウの子孫(エドム人)からは、イエス様の時代のヘロデ大王が出ています。

 

イスラム聖典は、アブラハムから受け継いだ旧約聖書の教えに、イシュマエルの母ハガルの祖国エジプトの教え、モハメッド(ムハンマド)が生きていた6〜7世紀のアラブ人の教えを取り入れて出来たのがコーランだとされています。

 

『アラブ人』とは、イシュマエル、エサウ、ケトラとの間の6人の子、計8人の子孫を指します。特にイシュマエルとエサウは関係(血)が濃いため、彼らの子孫のユダヤ人に対する憎しみも大きく、責任も問われるのです。cf 民数記20:14~21

 

 

AD70年、ユダヤ人たちが国を失った理由は、メシアを拒否したためです。

cf マタイ27:25ーすると、民衆はみな答えて言った。「その人の血は、私たちや子どもたちの上にかかってもいい。」

 

この一言でイエスは十字架に付けられました。その責任をAD70年のエルサレム、神殿崩壊で負わされる結果となったのです。(イエスの教えを信じていた人々は、ローマ軍のエルサレム包囲が解かれた隙に逃れ出たため、一人の犠牲者も出しませんでした。cf ルカ21:20~21

 

以来、ユダヤ人に与えられた『神の約束の地』からユダヤ人は追われ、近隣のアラブ人に占領されるようになりました。それが第一次世界大戦第二次世界大戦を経て、1948年にイスラエル国家が再建されるまで、彼らは離散の民となっていました。

 

パレスチナ人の地と認識されている方も多いのですが、モーセによって出エジプトをしたユダヤ人たちが、BC1,400年頃ヨシュアに率いられて『約束の地』に入って以来、AD70年まではユダヤ人が住んでいた地です。

 

中東問題は神がユダヤ人に約束された地なのか、AD70~1948年まで住んでいたパレスチナ人(アラブ人)の地なのかの『土地争い』、本妻サラとの間の子孫かそばめや後妻の子孫かの『血肉の争い』エルサレムユダヤ教キリスト教も)、イスラム教の聖地ですが、どちらが『本物の神』かという争いが複雑に絡み合っているのです。

 

イスラエル国家の再建は、終わりの時の成就のひとつでもあります。

 

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このような聖書的背景を理解することなく、中東情勢を『反ユダヤ主義』の色眼鏡で見ることはできないのです。