テサロニケは、BC315年にマケドニアの王カサンドロスが、妻『テサロニカ』の名前にちなんで名づけた町でした。
BC148年にローマ帝国の属州となり、州都となりました。
東洋へ通じる『エグナティア街道』沿いにあり、海路では商業と貿易、陸路では交通の要衝でした。
ローマの属州でありながら、自治の特権が与えられていて、多くのユダヤ人の商人たちが住んでいたため会堂があり、パウロたちの伝道の拠点と同時にキリスト教布教の反対運動の拠点となっていました。
AD50~51年頃、パウロ、シラス、テモテが、ピリピでの伝道を終え、この町にやって来て『聖書に基づいて論じ、イエスがメシアである』と宣べ伝えたのです。
テサロニケに住むヤソンは、自分の家を宣教のために開放しました。cf 使徒17:1~9。
テサロニケ教会の中心核となったのは、『神を畏れる異邦人(ギリシャ人)と貴婦人たち』でした。
cf 使徒17:4ー彼らのうちの幾人かはよくわかって。パウロとシラスに従った。またほかに、神を敬うギリシャ人が大ぜいおり、貴婦人たちも少なくなかった。
しばらく滞在していると、ユダヤ人たちの反対者たちがねたみにかられ、暴動をおこしました。ヤソンも家を襲われ、町の役人たちのところへ引いて行かれました。保証金を払ってやっと解放されたのです。
結果、パウロたちは町を去らなくてはなりませんでした。
cf 使徒17:10ー兄弟たちは、すぐさま、夜のうちにパウロとシラスをペレヤへ送り出した。ふたりはそこに着くと、ユダヤ人の会堂に入って行った。
パウロはシラスとテモテをペレヤに残し、アテネでふたりを待ちました。一度はふたりと合流しましたが、テサロニケの教会のことが気になり、テモテを派遣します。と同時に、パウロはコリントへ移動。そこでテモテと再び合流し、テサロニケの教会の問題を知ることになったのです。
第一テサロニケ人への手紙が書かれた理由は、テサロニケの教会の人々の『主の再臨』に関する誤解を解くためでした。
彼らの中には、主の再臨がすぐにも起こると誤解して、仕事をやめてしまう者まで出ていました。
1テサロニケ1:1ー差出人:パウロ。テサロニケでの伝道に携わったシラスとテモテの名前も挙げられています。
*シルワノ…シラスのラテン名。エルサレム出身のユダヤ人。パウロ同様、ローマの市民権を持っていました。
*テモテ…ルステラ出身で、父はギリシャ人、母はユダヤ人。パウロの愛弟子。
宛先:父なる神および主イエス・キリストにあるテサロニケ人の教会。
*現代の教会には『異端』が入り込んで来ています。教会で教えられていることが、聖書の教えと一致しない場合は『父なる神および主イエス・キリストにある◯◯教会』とは言えません。
みことばに立った教会かどうかを吟味する必要があります。
cf 使徒17:11ーここ(ペレヤ)のユダヤ人たちは、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
挨拶の言葉:恵みと平安があなたがたの上にありますように。
*恵み(十字架『†』を思うと書く)は神様から、その恵みを受け取った人が平安を頂くのです。
1テサロニケ1:2ーパウロは、テサロニケの教会のことをいつも思い感謝し、祈っています。
1テサロニケ1:3ーパウロはテサロニケの教会の特徴を具体的に挙げています。彼らはキリストを信じる者として、正しい理解をしていました。
信仰の働き…神の恵みにより、信仰によって救われた者として、キリストの教え、戒めに忠実であることを神は望まれます。cf エペソ2:8~10、ヤコブの手紙2:17、2:26。
愛の労苦…神と人とに、犠牲を払ってまでも仕えていました。神の愛を知らずしてできるものではありません。
望みの忍耐…その『望み』とは、キリストの復活と再臨から来るものです。希望がなくては、試練や患難に打ち勝つことはできません。
1テサロニケ1:4ー彼らは『神に選ばれた者たち』です。
cf エペソ1:4ーすなわち、神は私たちを世界の基の置かれる前からキリストのうちに選び、御前で聖く、傷のない者にしようとされました。
1テサロニケ1:5ー力と聖霊と強い確信…神の計画と御霊の導きによって、テサロニケ伝道が行なわれたのです。
1テサロニケ1:6ー聖霊による喜び…福音を聞いた側にも聖霊の働きがありました。多くの苦難の中であっても、福音を受け入れたのでした。
1テサロニケ1:7ーそしてその結果、彼らはマケドニアとアカヤにいる全ての信者の模範となりました。
私たちはどうでしょう?
せめて教会の中で『信者の模範』となっているでしょうか?
イエスの十字架の愛と赦しを受けた者として、感謝をもって主に仕えていきたいですね。
1テサロニケ1:8ーパウロは、テサロニケでの宣教の結果を伝えなくてもいいほどに、彼らの良い評判は広まっていると言っています。
続く9〜10節は、彼らがどう変わっていったが書かれています。
1テサロニケ1:9ー①偶像から神に立ち返りました。
②生けるまことの神に仕えるようになりました。
1テサロニケ1:10ー③イエスの死からのよみがえりを信じるようになりました。
④イエスの再臨を待ち望むようになりました。
この希望があったので、反対者たちからの迫害に耐えることができたのです。
【御怒り】
①現在ー罪に対する一般的な怒り。
ローマ1:18ーというのは、不義をもって真理をはばんでいる人々のあらゆる不敬虔と不正に対して、神の怒りが天から啓示されているからです。
②将来ー患難期における怒り。黙示録15:1~7
黙示録6:17ー御怒りの大いなる日が来たのだ。だれがそれに耐えられよう。
黙示録14:10ーそのような者は、神の怒りの杯に混ぜ物なしに注がれた神の怒りのぶどう酒を飲む。また、聖なる御使いたちと小羊との前で、火と硫黄で苦しめられる。
黙示録14:19ーそこで御使いは地にかまを入れ、地のぶどうを刈り集めて、神の激しい怒りの大きな酒ぶねに投げ入れた。
黙示録16:1ーまた、私は、大きな声が聖所から出て、七人の御使いに言うのを聞いた。「行って、神の激しい怒りの七つの鉢を、地に向けてぶちまけよ。」
*教会が救い出される神の怒りは、患難時代の御怒りです。
だから私たちは今、この『キリストの再臨』、特に空中再臨(携挙…http://osusowake.hatenablog.com/entry/2014/04/10/100707)を待ち望むのです。