サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

プリムの祭り 〜エステル記の概要〜

私たちが住んでいる今の世界は、初めから『神 vs サタン』の戦いです。そしてそれは、サタンが天下を握るためにいかにして神の民であるユダヤ人を抹殺するか…でもあります。なぜでしょう?

 

裁き主としてのメシア(キリスト)が来たら、サタンの天下が終わるからです。

創世記3:15わたしは、おまえと女との間に、

また、おまえの子孫と女の子孫との間に、

敵意を置く。

彼は、おまえの頭を踏み砕き、

おまえは、彼のかかとにかみつく。

*おまえ…蛇(サタン)。

*女…エバ。

八つの契約 2)アダム契約(含「原罪」) - サザエのお裾分け

 

この原初預言以降、女の子孫として誕生するメシアを阻止しようとするサタンの働きが始まりました。現在の反ユダヤ主義の背後にあるのもサタンの策略です。

 

『エステル記』の内容も、アガク人ハマンにより、バビロン捕囚からエルサレムに帰還しなかったユダヤ人が絶滅させられそうになったという話です。

そしてその結果、ユダヤ人たちの祭りの一つである『プリムの祭り』の起源となりました。2015年の『プリムの祭り』は、3月4日の日没から始まります。

 

エステル記には『神様』という言葉は一度も出てきません。しかし、そこには明らかに『神の働き』があります。

神の働きは二種類あり、一つは『奇蹟(しるし)』…これは派手な働きなのですぐにわかります。もう一つは『摂理』…自然に見える出来事の背後で働かれる神の力であり、働きとしては地味に見えるかもしれません。

 

ハマンの策略により絶滅させられそうになった神の民の存続のために、神の摂理による介入によってユダヤ人が守られたことがわかります。

エステル記4:13~14モルデカイはエステルに返事を送って言った。「あなたはすべてのユダヤ人から離れて王宮にいるから助かるだろうと考えてはならない。

もしあなたがこのような時に沈黙を守るなら、別の所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう。しかしあなたも、あなたの父の家も滅びよう。あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない。」

*別の所から…神から、の意。

 

またそこには、創世記12:1~3イスラエルを祝福する者は祝福され、イスラエルを呪う者は呪われる』というアブラハム契約の成就が見られます。

八つの契約 4)アブラハム契約 - サザエのお裾分け

 

エステル記1:1ーアハシュエロス(新改訳)、クセルクセス(新共同訳)の時代…エズラ記6〜7章の間の時代。

エズラ記6:15ダリヨス王の治世の第六年…BC515年。

エズラ記7:8アルタシャスタ王の治世の第七年目…BC457年。 

*エズラ記6章と7章の間には、56~57年の期間があり、エステル記はこの間の出来事ということになります。

*アハシュエロスは、ユダヤ人を捕囚として引いて行ったバビロニア帝国を倒した『メド・ペルシャ連合帝国』のペルシャの王様で、現在のインド〜エチオピアまで127州を治めていました。ダニエル書 9章 - サザエのお裾分け

 

エステル記1:3~5ーアハシュエロス王の治世の第三年に、仲間意識を作るためにすべての首長と家臣たちを招いて180日間も宴会を催しました。そして次に一般の人々のために七日間、王宮の園の庭で宴会を催しました。

 

エステル記1:12ー王はほろ酔い気分で、容姿の美しかった王妃ワシュティを呼び宴会の席で披露したかったが、王妃は王の命令を拒んだため、王の怒りを買ってしまいました。

 

エステル記2:7、2:16~17ー結果、王妃ワシュティは離縁され、次に選ばれたのがおじモルデカイに育てられたユダヤ人であるエステル(ペルシャ語:星、の意。ヘブル名:ハダサ。ミルトスの木、の意。)でした。

 

エステル記2:20ーエステルは、おじモルデカイの言いつけに従い、まだ自分がユダヤ人であることを告げてはいませんでした。

 

エステル記2:21~22ーモルデカイは王の門のところに座っている時、二人の宦官がアハシュエロス王暗殺計画を企てていることを知り、エステルを通して王に伝えました。王は難を逃れ、二人の宦官は木にかけられ、モルデカイの一件は王の前で年代記の書に記録されました。

 

エステル記3:1~2ー2:21~22の出来事の後、王はアガク人ハマンをペルシャの大臣にまで昇格させます。 王の家来たちは命令通り、ハマンにひざをかがめてひれ伏すようになりましたが、ユダヤ人であるモルデカイはしませんでした。

『ひざをかがめてひれ伏す』という行為は、人間礼拝になるからです。

神以外の偶像を崇拝したことが理由でバビロン捕囚となったユダヤ人たちは、70年の捕囚期間を通して心底悔い改めていたからです。

 

エステル記3:5~6ーハマンは自分に対しひざをかがめず、ひれ伏すこともしないモルデカイを憎み、モルデカイひとりだけでなく、ユダヤ人全員を根絶やしにしようとしました。

この背後にサタンの策略があるのです。

 

エステル記3:7アハシュエロス王の第十二年の第一の月、すなわちニサンの月に、日と月とを決めるために、ハマンの前でプル、すなわちくじが投げられ、くじは第十二の月、すなわちアダルの月に当たった。

*『プリムの祭り』の『プリム』というのは、『プル…くじ』の複数形。

余談ですが、ヘブル語で『〜イーム』は、男性形名詞の複数形。cf エル(単数:神)ーエロヒーム(複数形:創世記1:1)、ケルブ(単数:最高位の天使)ーケルビム(複数形)、セラフ(単数形:第二位の天使)ーセラフィム複数形)。神も天使も男性名詞で表現されていることは、『御父』も『御子』も男性、天使も堕天使も地上に現われる時は人間の男性の姿であることと一致しています。

複数形が『〜オット』であれば、女性形名詞となります。 

 

*ニサンの月…太陽歴の3〜4月ー過越の祭り、種なしパンの祭り、初穂の祭りイースターとしてクリスチャンには知られている)が祝われます。

出エジプトをしたことを記念し、『第一の月』として制定されました。

 出エジプト記12:2この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。

 

*第十二の月…『ニサンの月』から数えて12番目に当たる月。ヘブル名では『アダルの月』太陽歴の2〜3月。プリムの祭りが祝われます。

 

エステル記3:8~11ハマンの策略…王に取り入って、銀1万タラントを王の金庫に納めるので、ユダヤ人を滅ぼす法令を出して欲しいと進言しました。

当時のペルシャ帝国では、一度制定された法は、たとえそれが王であっても変えることはできない、つまり王の権威より法の権威の方が上にありました。 ハマンはそれを利用したのです。

この時、ハマンを信頼していた王は、ユダヤ人の敵であるハマンに、提案された銀もユダヤ民族も好きなようにしてよいと許可を与えてしまいました。

 

エステル記3:13ーついに、アダルの月の13日にユダヤ人を根絶やしにし、彼らの家財をかすめ奪えという法令が、全127州に発布されました。

 

エステル記3:15ー酒を酌み交わす王とハマンとは対照的に、シュシャンの町は混乱に陥っていました。

 

エステル記4:3ー法令発布の結果、ユダヤ人のうちに大きな悲しみと、断食と、泣き声と嘆きとが起こり、多くの者は荒布を着て灰の上に座りました。これは悲しみを表わす行為です。

 

エステル記4:4~10ーここに王の宦官のひとり『ハタク』が登場します。彼は異邦人ですが、王妃エステルとモルデカイの間を行き来して、ユダヤ人のために仕えたのでその名が記されているのです。ここにもイスラエルを祝福する者は、祝福されるという『アブラハム契約』の成就を見ることができます。

 

エステル記4:11「王の家臣も、王の諸州の民族もみな、男でも女でも、だれでも、召されないで内庭にはいり、王のところに行く者は死刑に処せられるという一つの法令があることを知っております。しかし、王がその者に金の笏を差し伸ばせば、その者は生きます。でも、私はこの三十日間、まだ、王のところへ行くようにと召されていません。」

 

エステル記4:13モルデカイはエステルに返事を送って言った。「あなたはすべてのユダヤ人から離れて王宮にいるから助かるだろうと考えてはならない。

エステル記4:14もし、あなたがこのような時に沈黙を守るなら、別の所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう。しかしあなたも、あなたの父の家も滅びよう。あなたがこの王国に来たのは、もしかすると、この時のためであるかもしれない。」

 

*これが、エステル記全体のテーマ。ここにはモルデカイの忠告が三つあります。

①あなたはすべてのユダヤ人から離れて王宮にいるから助かるだろうと考えてはならない民族の危機。

 

②あなたがこのような時に沈黙を守るなら、別な所から、助けと救いがユダヤ人のために起ころう神の摂理。民族的救済のチャンス(神が働かれる『時』)。

 

③あなたがこの王国に来たのは、この時のためであるかもしれないユダヤ人としてか、ペルシャの王妃としてかの二者択一の決断。

 

エステル記4:16ー王妃エステルの決断は、『ユダヤ人』としてのものでした。

それはシュシャンにいるすべてのユダヤ人と王妃自身、侍女たちで三日三晩断食した後、王のもとに進言しに行くというものでした。

 

*私は、死ななければならないのでしたら、死にます…この『三日三晩』という断食の期間は、祈りの時間でもありました。ユダヤ人である王妃エステルにとっては、神に任せ、神の御心に従う準備期間でした。

 

すぐに白黒はっきりさせるのではなく、保留にする余裕が必要です。それにより神に祈り、神が働く時間ができるからです。

 

エステル記5:2ー王は手に持っていた金の笏をエステルに差し伸ばした。cf エステル記4:11

*神が働かれた瞬間…神は事を運ぶ時に、人を用いられますが、人がいなければ事を行なうことができないわけではありません。

 

エステル記5:3王国の半分でもあなたにやれるのだが…気分が良い時の決まり文句。

 

エステル記5:4きょう、私が王さまのために設ける宴会にハマンとごいっしょにお越しください。

*ここは日本語訳では何でもない一文ですが、ヘブル語では各単語の頭文字を組み合わせると、神の御名を表わす『YHWH』聖四文字となります。

 

エステル記5:8~9ーエステルは非常に慎重に動いています。ハマンは感情の起伏の激しい人物ですが、王妃エステルの招待を連日受けて上機嫌になりました。それはハマンを油断させるためだったのです。

 

ローマ9:16ーしたがって、事は人間の願いや努力によるのではなく、あわれんでくださる神によるのです。

 

エステル記5:11ーここにはハマンの高ぶりが出ています。ハマンは自己中心的、自己陶酔型の人物だということがわかります。

 

箴言18:12人の心の高慢は破滅に先立ち、

謙遜は栄誉に先立つ。

 

エステル記5:14ーハマンの妻ゼレシュとすべての友人たちは、「高さ20mもある柱を立てさせ、そこにモルデカイをかけてから王といっしょに宴会においでなさい。」とハマンに勧めました。イスラエルのアハブ王の妻イゼベルに匹敵するほどの恐ろしい悪妻ですね。

20mもの高さの柱であれば、町中どこからでも見える『さらしもの』にすることができました。

 

困ったことが起きた時、誰に相談するのかが大事です。モルデカイはエステルに相談した結果、断食の祈りにより神に相談しました。

箴言13:20知恵のある者とともに歩む者は知恵を得る。

愚かな者の友となる者は害を受ける。

 

エステル記6:1その夜、王は眠れなかったので、記録の書、年代記を持って来るように命じ、王の前でそれを読ませた。

 

ここは『神の摂理』の始まりです。アハシュエロス王を眠れなくしたのは、神様です。その目的は、当時ペルシャ王の習慣として『記録の書、年代記』に目を通すということがありました。

 

エステル記6:2~4ー多々ある記述の中で見つけたのは、王の暗殺計画をモルデカイが報告し、王のいのちを救ったという記事でした。眠れない時にたまたま年代記を家臣に読ませた、その時にモルデカイの功績の記事を耳にした、その報酬はまだ与えていないということが判明した、『ちょうど』その時、庭にハマンが準備した20mの柱を王に見せに来た…このタイミングこそ『神の摂理です。

 

エステル記6:6ー王が栄誉を与えたいと思っていたのは、ユダヤ人モルデカイです。

うぬぼれ者ハマンは、それは自分以外にはいないと思って聞いていました。

 

エステル記6:7~10ーハマンの提案は、人からの栄誉を求めたものでした。

ルカ18:14bーだれでも自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるからです。

箴言21:1ー王の心はの手の中にあって、水の流れのようだ。

みこころのままに向きを変えられる。

 

エステル記6:11~14ー自分のための栄誉と勘違いしたハマンは、それがモルデカイのためであり、その栄誉を表わすために人々にふれ知らせるという役割を、自分が担うことになるという屈辱を受けました。

気持ちが沈んでいるいるところに、王の宦官がやって来てハマンを急がせ、エステルの宴会に連れて行きました。

 

詩篇58:10~11正しい者は、復讐を見て喜び、

その足を、悪者の血で洗おう。

こうして人々は言おう。

「まことに、正しい者には報いがある。

まことに、さばく神が、地におられる。」

 

エステル記7:3~4ーエステルは勇気を振り絞って、自分と自分の民族であるユダヤ人を救うために王に願いを伝えました。

*勇気を出さなくてはいけない時に、信仰によって出せる人は幸いです。

 

エステル記7:5~6ー王の目の前で王妃から、陰謀を暴露されたハマンは震えあがりました。

ルカ12:2~3おおいかぶされているもので、現わされないものはなく、隠されているもので、知られずに済むものはありません。

ですから、あなたがたが暗やみで言ったことが、明るみで聞かれ、家の中でささやいたことが、屋上で言い広められます。

 

エステル記7:7~10王は憤って酒宴の席を立って、宮殿の園に出て行った…感情コントロールのため。

そこに残った王妃エステルに命乞いをしようと、ハマンが王妃がいた長椅子にひれ伏しているところに、王が宮殿の園から戻って来ました。

 

モルデカイのための栄誉を自分のためと誤解したハマンは、今度は命乞いをしたことが、王妃に乱暴しようとしたと誤解されました。

また、9節の『ちょうど』という言葉に神の摂理を見ます。自分がモルデカイのために用意した20mの柱に、ハマン自身がかけられることになったのです。

ここもイスラエルを呪う者は、呪われる。』というアブラハム契約の成就があります。

 

エステル記8:1~10ーハマンに与えられていた王の指輪と権限は、モルデカイに与えられました。当時のペルシャでは一度制定された法令は、たとえ王であっても変更することはできませんでした。そのため、ハマンが提案して通ったユダヤ人根絶の法令はまだ有効だったため、王妃もモルデカイも心を痛めていました。

 

その彼らに王は「あなたがたはユダヤ人についてあなたがたのよいと思うように、王の名で書き、王の指輪でそれに印を押しなさい。王の名で書かれ、王の指輪で印が押された文書は、だれも取り消すことができないのだ。」と言われました。

 

エステル記8:11ーハマンが制定した法令に対し、ユダヤ人たちが自らのいのちを守るために、敵に応戦することを許可する法令が出されました。

 

エステル記9:3~10ー8:11の新しい法令により、ユダヤ人を根絶しようとした人々が滅ぼされるという結果になりました。

これもまた、イスラエルを呪う者は、呪われる。』というアブラハム契約の成就です。

 

エステル記9:17~19ーこのことが起こったのが、アダルの月の十三日であり、その翌日十四日を『祝宴と喜びの日』とし、互いにごちそうを贈りかわす日としました。

 

エステル記9:24なぜなら、アガク人ハメダタの子で、全ユダヤ人を迫害する者ハマンが、ユダヤ人を滅ぼそうとたくらんで、プル、すなわちくじを投げ、彼らをかき乱し、滅ぼそうとしたが、

*第一日目…サタンの策略。

 

エステル記9:25そのことが、王の耳にはいると、王は書簡で命じ、ハマンがユダヤ人に対してたくらんだ悪い計略をハマンの頭上に返し、彼とその子らを柱にかけたからである。

*第二日目…神の摂理の中で良いものになった日。翌日ではなく、ハマンの企みが頓挫した。

 

エステル記9:26~27『プリムの祭り』の起源。

 

エステル記10:3それはユダヤ人モルデカイが、アハシュエロス王の次に位し…もとは、ハマンの位であった。cf エステル記3:1

自分の民の幸福を求め…神を信じ、自分の同胞を愛する『J.O.Y』の優先順位。

自分の全民族に平和を語った…『平和』は、御霊の実の一つ。cf ガラテヤ5:22~23