サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

種なしパンの祭りとキリスト 〜レビ記23:6~8〜

ニサンの月(現在の3〜4月頃)の十四日は、『過越の祭り』でイスラエルでは子羊の肉を食べますが、英語圏では “Good Friday” といって夕食に『魚』を食べます。

「イエスが十字架で肉を裂かれたからだよ。」という説明を聞いたことがありますが、だから魚を食べるという習慣は『異邦人信者』だからこその考えであり、ユダヤ人は現代でも過越の食事には子羊の肉を食べているのです。f(^^;;

 

過越の祭りに続いて、すぐに『種なしパン』の祭りが始まります。『種なしパンの祭り』の起源は、出エジプト記12:15~20にあります。

 

出エジプト記12:1~2は、エジプトの国でモーセとアロンに仰せられた。

「この月をあなたがたの月の始まりとし、これをあなたがたの年の最初の月とせよ。

 

*ニサンの月の一日…神が定めた宗教暦の新年。

*チスリの月の一日…第七の月(現在の9〜10月)の一日は、『ラッパの祭り(ロシュ ハシャナー)』。政治暦の新年。

 

出エジプト記12:17~18ーあなたがたは種を入れないパンの祭りを守りなさい。それは、ちょうどこの日に、わたしがあなたがたの集団をエジプトの地から連れ出すからである。あなたがたは永遠のおきてとして代々にわたって、この日を守りなさい。

最初の月の十四日の夕方から、その月の二十一日の夕方まで、種を入れないパンを食べなければならない。

 

過越の祭りの翌日、つまりニサンの月の十五日に、イスラエルの民は400年間奴隷として滞在したエジプトを出ました。

 

出エジプト記12:39ー彼らはエジプトから携えて来た練り粉を焼いて、パン種の入れてないパン菓子を作った。それには、パン種がはいっていなかった。というのは、彼らは、エジプトを追い出され、ぐずぐずしてはおられず、また食料の準備もできなかったからである。

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『種なしパン』を焼いた理由は、

①エジプトを追い出され、ぐずぐずしてはいられなかったことと、

②食料の準備もできなかった(イーストを入れて、発酵させる時間がなかった)ためでした。

 

*パン種の入れてないパン菓子…過越の食事の『アフィコーメンの儀式』で用いられるパン

 

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レビ記23:6ーこの月の十五日は、の、種を入れないパンの祭りである。七日間、あなたがたは種を入れないパンを食べなければならない。

*パン種…『罪』の象徴。キリストが『罪の身代わり』として贖ってくださった、イスラエルの民の中から『罪』を除くという意味と、『罪人のかしら』として十字架で死に、『罪のない者』として葬られたキリストの死と埋葬を意味します。

 

通常、ローマの極刑である十字架刑で殺された者の死体は、ローマ法によれば取り下ろされることなくそのまま野ざらしにされました。猛禽類や野獣によって死体は卑しめられたりし、ヒンノムの谷に捨てられました。

しかし、イエス様の遺体はその日のうちにアリマタヤのヨセフによって引き取られ、ニコデモが用意したアロエと没薬と共に布に包まれて埋葬されました。

 

犯罪人は、犯罪人用の墓に、一般人は普通の墓に葬られました。

また、律法によれば、木にかけた死体を翌日まで残しておくことはできず、その日のうちに取り下ろさなければなりませんでした。

申命記21:23-その死体を次の日まで木に残しておいてはならない。その日のうちに必ず埋葬しなければならない。木につるされた者は、神にのろわれた者だからである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地を汚してはならない。

 

エス様はローマの総督ピラトでさえ、罪を見出すことはできませんでしたが、イスラエルの指導者たち、民衆は『神への冒涜罪』でイエス様を死刑にしようと試みていました。

マタイ27:18ーピラトは、彼らがねたみからイエスを引き渡したことに気づいていたのである。

 

マタイ27:23ーだが、ピラトは言った。「あの人がどんな悪い事をしたというのか。」しかし、彼らはますます激しく「十字架につけろ」と叫び続けた。

 

*イエス様の十字架の頃だけ、ユダヤ人たちはローマによって律法の石打ちによる死刑執行権を剥奪されていたため、イエス様を死刑に処するにはローマ法による十字架刑しかなかったのです。

ヨハネ18:31ーそこでピラトは彼らに言った。「あなたがこの人を引き取り、自分たちの律法に従ってさばきなさい。」ユダヤ人たちは彼に言った。「私たちには、だれを死刑にすることも許されてはいません。」

 

ヨハネ19:38~42ーそのあとで、イエスの弟子ではあったがユダヤ人を恐れてそのことを隠していたアリマタヤのヨセフが、イエスのからだを取りかたづけたいとピラトに願った。それで、ピラトは許可を与えた。そこで彼は来て、イエスのからだを取り降ろした。

前に、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬とアロエを混ぜ合わせたものをおよそ三十キログラムばかり持って、やって来た。

そこで、彼らはイエスのからだを取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従って、それを香料といっしょに亜麻布で巻いた。

エスが十字架につけられた場所に園があって、そこには、まだだれも葬られたことのない新しい墓があった。

その日がユダヤ人の備え日であったため、墓が近かったので、彼らはイエスをそこに納めた。

 

これにより、イザヤの預言が成就しました。

イザヤ53:9ー彼の墓は悪者どもとともに設けられ、

かれは富む者とともに葬られた。

彼は暴虐を行わず、その口に欺きはなかったが。

 

*『種なしパンの祭り』は、罪のないイエスが私たち罪人の身代わりとなって死なれ、葬られたことをあらわす『型』となっている忘れてはならない福音の三要素の一つです。 

 

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レビ記23:7ー最初の日は、あなたがたの聖なる会合とし、どんな労働の仕事もしてはならない。

*ニサンの月の十五日は、安息日のようにどんな労働の仕事もしてはいけない日と定められました。

 

レビ記23:8ー七日間、火によるささげ物をにささげる。七日目は聖なる会合である。あなたがたは、どんな労働の仕事もしてはならない。

*また、過越の祭りから数えて八日目に当たる『種なしパンの祭り』の七日目も、安息日と同じようにどんな労働の仕事もしてはいけない日と定められました。

 

*キリストの十字架による『罪の贖い』のみわざが完了したからかもしれませんね。

イスラエルの二つめの春の祭りもキリストと深い関わりがあり、『イエスの埋葬によって成就した祭り』であることがわかります。

今年の過越の祭りは、『種なしパンの祭り』もいっしょに覚えたいですね。