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サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

ヤコブの手紙 5:1~6 〜ユダヤ人の不信者に対する警告〜

ヤコブ5:1ー聞きなさい。金持ちたち。あなたがたの上に迫って来る悲惨を思って泣き叫びなさい。

 

『金持ち』と呼ばれる人々への二番目の警告は、この節から始まります。

 

*金持ち…信者の集まりである『教会』の外の『金持ちたち』とは、ヤコブ2:6~7でユダヤ人信者たちを迫害し、繁栄していた『パリサイ人』や『サドカイ人』たちでした。 

ヤコブ2:6~7ーそれなのに、あなたがたは貧しい人を軽蔑したのです。あなたがたをしいたげるのは、富んだ人たちではありませんか。また、あなたがたを裁判所に引いて行くのもかれらではありませんか。

あなたがたがその名で呼ばれている尊い御名をけがすのもかれらではありませんか。 

 

*あなたがたの上に迫って来る悲惨を思って泣き叫びなさい…その『金持ちたち』に対するヤコブの警告。

*泣きなさい…『すすり泣く』ことを意味。死者のために泣いている場面で用いられている言葉。

 

ルカ7:13ー主はその母親を見てかわいそうに思い、「泣かなくてもよい」と言われた。

 

ルカ7:32ー市場にすわって、互いに呼びかけながら、こう言っている子どもたちに似ています。

『笛を吹いてやっても、君たちは踊らなかった。

弔いの歌を歌ってやっても、泣かなかった。」

 

ヨハネ11:31~32ーマリヤとともに家にいて、彼女を慰めていたユダヤ人たちは、マリヤが急いで立ち上がって出て行くのを見て、マリヤが墓に泣きに行くのだろうと思い、彼女について行った。

マリヤは、イエスのおられた所に来て、お目にかかると、そのあしもとにひれ伏して言った。「主よ。もしここにいてくださったなら、私の兄弟はしななかったでしょうに。」

 

*叫ぶ…激しい悲しみの表現であり、苦しみのうめき。

なぜ、『金持ちたち』が『泣き叫』ばなくてはならないのでしょう…?

それは、すぐに来るAD70年のさばきで、彼らはその富を失うことになるからです。その悲惨さのために『泣き叫ぶ』のです。

 

「ヤコブの書簡が書かれた時点では、まだAD70年の裁きについては明らかにされていない!」という方がおられますが、聖書は神の霊感によるということを思い出してくださいね。

Ⅱテモテ3:16聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。

 

 

ヤコブ5:2ーあなたがたの富は腐っており、あなたがたの着物は虫に食われており、

 

2~3節でヤコブは、パリサイ人とサドカイ人たちの富に迫り来る破壊について説明します。

 

〜以下、『聖書資料集』ティム・ダウリー著 いのちのことば社 P17参照〜

パリサイ派…おそらくエッセネ派と同様に、アンティオコスに対して反乱を起こしたマカバイ家の支持者から派生した。モーセ五書(成文律法)を学び、その教えを発展させ保護した(口伝律法)。口伝律法は常に変化する状況に聖書を適応させるために作られた。当時の他の集団と同様に、自分だけが神とイスラエルの契約を保っていると信じていた。『パリサイ』とは、元来「分離した者」という意味だったかもしれない。新約聖書時代に影響力があったのは明白で、福音書に描かれているイエスとパリサイ派との関係は深刻であった。

異邦人の庭 ⑵ 〜ハヌカの祭り・ゼルバベル神殿〜 - サザエのお裾分け

 

サドカイ派…主に、祭司とユダヤ人議会議員とで構成されている少数一派に属する人々。

『サドカイ』とはおそらく『ツァドク(ダビデとソロモンに仕えた祭司)の相続人』という意味。

モーセの律法にさいこうの権威を認め、それに等しい口伝律法や伝承はないと信じていた。モーセ五書には『復活』という言葉が出てこないため、パリサイ派と違い、復活や天使、霊の存在を信じなかった。ローマ人とは良好な関係であった。

マルコ12:18ーまた、復活はないと主張していたサドカイ人たちが、イエスのところに来て、質問した。

 

使徒23:8ーサドカイ人は、復活はなく、御使いも霊もないと言い、パリサイ人は、どちらもあると言っていたからである。

 

2~3節で三つの動詞を用いて、金持ちたちの状態を表しています。

①あなたがたの富は腐っており

*腐っており…蓄えてきた食料が『無駄になる』ことを示す。

 

②あなたがたの着物は虫に食われており

*着物ギリシャ語では、裕福さの象徴としての刺繍がほどこされた『長い外套』を意味。その高価な外套が、虫に食われて価値を失うということ。

 

 

ヤコブ5:3ーあなたがたの金銀にはさびが来て、そのさびが、あなたがたを責める証言となり、あなたがたの肉を火のように食い尽くします。あなたがたは、終わりの日に財宝をたくわえました。

 

③あなたがたの金銀にはさびが来て 

*さびが来て…『さびで覆われる』『中までも、もしくは、完全にさびている』の意。

実際には、金や銀はさびることはありません。でも、金は腐食することがあり、銀は曇ることがあります。 

 

*あなたがたを責める証言となる…ヤコブは単に『金や銀はその価値がなくなる』と言っているのです。

本来は、他者の益となるために金幣を用いるべきなのに、怠惰であり、私欲だけを肥やし、隣人に対する愛を示さなかった結果、価値を失った金銀のさびが金持ちたちの失敗を証言することになるのです。

 

*あなたがたの肉を火のように食い尽くす…『さびが蓄え込む者を消費する』『自己中心的な金銀の持ち主を、さびが罰する』の意。

迫り来るAD70年の裁きの時に、金銀を蓄え込んできた者たちの肉が『裁きの火』の燃料になるということです。

 

*終わりの日… AD70年の裁きを強調。彼らはAD7年の裁きを前に、最後の日々を生きており、マタイ6:19 & 21のメシアであるイエスの教えに対し、違反を続けていました。

マタイ6:19ー自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。そこでは虫とさびで、きず物になり、また盗人が穴をあけて盗みます。

 

マタイ6:21ーあなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。

 

 

ヤコブ5:4ー見なさい。あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあげています。そして、取り入れをした人たちの叫び声は、万軍の主の耳に届いています。

 

4〜6節でヤコブは、三つの特定のエリアで罪悪感を持たずに金持ちたちが行っていることを 解説しています。

あなたがたの畑の刈り入れをした労働者への未払い賃金が、叫び声をあげています。

*見なさい…『労働者への賃金』に対する特別な注意を呼びかけています。 

 

*労働者への未払い賃金…日雇い労働者への日給が、何らかの専門的理由により源泉徴収されていることを指します。彼らの日々の食事や物質的必要は、この『日給』に依存していました。これらの『日給』が源泉徴収されることは、モーセの律法でも預言者によっても禁止されていました。

レビ記19:13ーあなたの隣人をしいたげてはならない。かすめてはならない。日雇い人の賃金を朝まで、あなたのもとにとどめていてはならない。

 

申命記24:14~15ー貧しく困窮している雇い人は、あなたの同胞でも、あなたの地で、あなたの町囲みのうちにいる在留異国人でも、しいたげてはならない。

彼は貧しく、それに期待をかけているから、彼の賃金は、その日のうちに、日没前に、支払わなければならない。彼があなたのことを主に訴え、あなたがとがめを受けることがないように。

 

エレミヤ22:13ー「ああ。不義によって自分の家を建て、

不正によって自分の高殿を建てる者。

隣人をただで働かせて報酬も払わず、

 

マラキ3:5ー「わたしは、さばきのため、あなたがたのところに近づく。

わたしは、ためらうことなく証人となり、

呪術者、姦淫を行う者、偽って誓う者、不正な賃金で雇い人をしいたげ、やもめやみなしごを苦しめる者、

在留異国人を押しのけて、

わたしを恐れない者たちに向かう。

ー万軍の主は仰せられるー

 

 

律法と預言者によって禁じられているにもかかわらず、賃金は金持ちたちによって搾取されていました。

 

*叫び声をあげる…『大声で叫ぶ』『悲鳴』という意味であり、継続的行動を指します。

賃金が不当に源泉徴収されるので、この未払い金自体が復讐を求めて叫び続けているのです。その『叫び声』が、万軍の主の耳に届いています。

 

*万軍の主…ヘブル語では『ホスト』の意。旧約聖書では、神の一般的タイトルです。パウロは旧約聖書から引用して用いていますが、聖書の著者によって用いられるのはここだけです。

イザヤ1:9ーもしも、万軍の主が、少しの生き残りの者を

私たちに残されなかったら、

私たちもソドムのようになり、

ゴモラと同じようになっていた。

 

ローマ9:29ーまた、イザヤがこう預言したとおりです。

「もし万軍の主が、私たちに

子孫を残されなかったら、

私たちはソドムのようになり、

ゴモラと同じものとされたであろう。」

 

 

ヤコブ5:5ーあなたがたは、地上でぜいたくに暮らし、快楽にふけり、殺される日にあたって自分の心を太らせました。

 

②貧しい者たちのお金で『ぜいたくに暮らす』こと 

*地上でぜいたくに暮らし…ぜいたくに、わがままに生活すること。

 

*快楽にふけり…金銭を正しく用いることをせずに、自分たち欲望にのみ金銭を使うこと。

 

*殺される日…AD70年の裁きのこと。

 

*自分の心を太らせ…心の内部の欲望を満たすことにより、太らせる、肥やす、の意。

彼らの心の内部の欲望は、まさに太った子牛のように殺される日にあたって太っていったということ。

 

エレミヤ12:3ー主よ。あなたは私を知り、私を見ておられ、

あなたへの私の心をためされます。

どうか彼らをほふられる羊のように引きずり出して、

虐殺の日のために取り分けてください。

 

 

ヤコブ5:6ーあなたがたは、正しい人を罪に定めて、殺しました。彼はあなたがたに抵抗しません。

 

③あなたがたは正しい人を罪に定めて、殺しました。

*正しい人…二通りの意味に取れます。

A)メシアに言及…ヤコブは、金持ちたちを『メシアを殺した人たち』として訴えていることになります。

 

使徒3:14ーそのうえ、このきよい、正しい方を拒んで、人殺しの男を赦免するように要求し、

 

使徒7:52ーあなたがたの父祖たちが迫害しなかった預言者がだれかあったでしょうか。彼らは、ただしい方が来られることを前もって宣べた人たちを殺したが、今はあなたがたが、この正しい方を裏切る者、殺す者となりました。

 

使徒22:24ー彼はこう言いました。『私たちの父祖たちの神は、あなたにみこころを知らせ、義なる方を見させ、その方の口から御声を聞かせようとお定めになったのです。

 

ヨハネ2:1ー私の子どもたち。私がこれらのことを書き送るのは、あなたがたが罪を犯さないようになるためです。もしだれかが罪を犯すことがあれば、私たちには、御父の前で弁護する方がいます。義なるイエス・キリストです。

 

ヨハネ3:7ー子どもたちよ。だれにも惑わされてはいけません。義を行う者は、キリストが正しくあられるのと同じように正しいのです。

 

B)正しい人たちの階級に言及…前後関係からユダヤ人信者たち』を指すと思われます。金持ちたちはユダヤ人信者たちを迫害しましたが、『正しい人たち』は迫害に対し、抵抗しなかったのです。ユダヤ人信者たちは、マタイ5:39の無抵抗の命令に従ったのです。

 

マタイ5:29ーしかし、わたしはあなたがた言います。

悪い者に手向かってはいけません。

あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。

 

*殺しました…身体的な暴力を含むユダヤ教の『殺人罪』を指します。

 

これら『三つの罪』のために、金持ちたちは特別に重い裁きに合うのです。