サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

へブル人への手紙 7:26~28 〜結論〜

へブル7章の最後の3節は、イエスがどのような祭司であるかを的確に教えています。

 

ヘブル7:26ーまた、このようにきよく、悪も汚れもなく、罪人から離れ、また、天よりも高くされた大祭司こそ、私たちにとってまさに必要な方です。

 

*天…原文は複数形、『もろもろの天』=被造物の天。つまり、第一と第二の天。

 

*必要な方...人類が必要としている祭司は、『きよく、悪も汚れもない祭司』だということ。そして、そのような祭司を提供したのは神ご自身です。

 

【イエスが汚れのない方である五つの証明】 

①イエスは、聖なるお方…神との関係における祭司としても、一個人としても純潔であり、罪を犯すことのできないお方です。

 

②イエスは、誠実なお方…イエスは悪を行なうことはありませんでした。 人としての生涯において、罪も傷もありませんでした。

 

③イエスは、汚れがなかった…罪のしみもありませんでした。 儀式的なことに関心を持ったレビ系祭司とは対照的に、イエスの潔白さと道徳的な純度に言及しています。

 

④イエスは、罪人から引き離される…天の幕屋の聖所での大祭司としてのイエスの務めのため

 

⑤イエスは、天よりも高く上げられる…イエスはもろもろの天を通って、第三の天にまで上げられました。

*もろもろの天…地上のレビ系の大祭司たちは、幕屋の入り口と聖所と至聖所と仕切る二つの幕を通って至聖所に入ったように、大祭司として天に上げられたイエスは、第一の天と第二の天を通って『第三の天』に入られました。

 

 

ヘブル7:27ーほかの大祭司たちとは違い、キリストには、まず自分の罪のために、その次に、民の罪のために毎日いけにえをささげる必要はありません。というのは、キリストは自分自身をささげ、ただ一度でこのことを成し遂げられたからです。

 

もう一つのポイントは、人類は『完全ないけにえ』を必要としたということです。

エスが汚れのない祭司であるので、レビ系祭司たちがしたような動物のささげ物をする必要はありませんでした。

 

主ご自身の死が祭司の行為であると同時に、イエスは祭司としてではなく、神の小羊というなだめのそなえ物として死に臨まれました。

 

詩篇22:15ー私の力は、土器のかけらのように、かわききり、 私の舌は、上あごにくっついています。 あなたは私を死のちりの上に置かれます。(新共同訳:16節)

 

イザヤ53:10ーしかし、彼を砕いて、痛めることは 主のみこころであった。 もし彼が、自分のいのちを 罪過のためのいけにえとするなら、 彼は末長く、子孫を見ることができ、 主のみこころは彼によって成し遂げられる。

 

エスは昇天するまで、大祭司にはなりませんでした。だからこそ、イエスの祭司職が継続しているのです。 レビ系祭司職は、30~50歳までという年齢制限があり、また死ぬべき肉体のまま祭司となったので、多くの祭司たちによって機能してきました。それはまた、不十分であったために交替されてきたのです。

 

しかし、エスの犠牲の死は、イエスご自身が『神の小羊』としてそなえ物となられた一度限りで有効なささげ物でした。

 

ヘブル7:28ー律法は弱さを持つ人間を大祭司に立てますが、律法のあとから来た誓いのみことばは、永遠に全うされた御子を立てるのです。

 

【弱さと強さの対比】

弱さ…レビ系祭司職。肉体的な弱さを意味。

期間的な意味も、道徳的な弱さの意味も含みます。 それは普通の人間によって行なわれ、律法による制度であったため一時的なものでした。

レビ系祭司職とは対照的に、詩篇110:4で証明されているように、エスの祭司職は神の誓いによります詩篇は律法が与えられた後に書かれました。

 

エスの祭司職は、普通の人間によって行なわれるのではなく、神の御子という特別な方によって永遠に全うされます。 そのため、レビ系祭司制度から完全に取って代わった新しい祭司制度です。

 

【イエスの祭司職の八つのポイント】

①アロンがイスラエルだけの代表であるのに対し、エスは全世界の代表である。

 

②アロンが祭司であるのに対し、エスは王であり祭司である。

 

③アロンが罪と裁きを扱うのに対し、エスの祭司職は義と平和が特徴

 

エスは祭司職を受け継がず、継承もさせなかったのに対し、アロンの祭司職は彼の子孫に継承されました。

 

⑤アロンの祭司職が人々を霊的幼子のまま保ったのに対し、エスの祭司職は霊的成熟に導きます。

 

エスの祭司職が祝福をもたらすのに対し、アロンの祭司職は弱く、無益でした。

 

⑦アロンの祭司職はモーセの律法に基づき、死によって次々と入れ替わり、一人が継続してその職務に就くことがなかったのに対し、エスの祭司職は誓いに基づき、永遠に変わることのないものです。

 

エスの祭司職は、罪の無い祭司であるのに対し、アロンの祭司職は、罪ある人間によって受け継がれてきました。

 

エスの昇天以降、キリストを信じるすべての者はこの大祭司のとりなしのもとに生かされているのです。