ヘブル9:1ー初めの契約にも礼拝の規定と地上の聖所とがありました。
*初めの契約…『モーセ契約』のこと。
*礼拝の規定と地上の聖所… たとえそれらが人によって作られた、地上の不完全なものだったとしても、それらは『教育ツール』として価値のあるものでした。
ヘブル9:2ー幕屋が設けられ、その前部の所には、燭台と机と供えのパンがありました。聖所と呼ばれる所です。
*その前部の所…幕屋や神殿の最初の部屋である『聖所』。
〜『聖所』にある二つのもの〜
①メノラー…七枝に分かれた『燭台』。七つの御霊を現す。
イザヤ11:2ーその上に、主の霊がとどまる。
それは知恵と悟りの霊、
はかりごとと能力の霊、
主を知る知識と主を恐れる霊である。
出エジプト記25:31~39ーまた、純金の燭台を作る。その燭台は槌で打って作らなければならない。それには、台座と支柱と、がくと節と花弁がなければならない。
六つの枝をそのわきから、すなわち燭台の三つの枝を一方のわきから、燭台の他の三つの枝を他のわきから出す。
一方の枝に、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくを、また、他方の枝にも、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくをつける。燭台から出る六つの枝をみな、そのようにする。
燭台の支柱には、アーモンドの花の形をした節と花弁のある四つのがくをつける。
それから出る一対の枝の下に一つの節、それから出る次の一対の枝の下に一つの節、それから出るその次の一対の枝の下に一つの節。このように六つの枝が燭台から出ていることになる。
それらの節と枝とは燭台と一体にし、その全体は一つの純金を打って作らなければならない。
それにともしび皿を七つ作る。ともしび皿を上げて、その前方を照らすようにする。
その心切りばさみも心取り皿も純金である。
純金一タラントで燭台とこれらのすべての用具を作らなければならない。
出エジプト記37:17~24ーまた彼は、純金で燭台を作った。その燭台は、槌で打って作り、その台座と、支柱と、がくと、節と、花弁とで一個の燭台とした。
六つの枝をそのわきから、すなわち、燭台の三つの枝を一方のわきから、燭台の他の三つの枝を他のわきから出した。
一方の一つの枝に、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくを、また、他方の一つの枝にも、アーモンドの花の形をした節と花弁のある三つのがくをつけた。こうして燭台から出る六つの枝をみな、そのようにした。
燭台の支柱には、アーモンドの花の形をした節と花弁のある四つのがくをつけた。
それから出る一対の枝の下に一つの節、それから出る次の一対の枝の下に一つの節、それから出るその次の一対の枝の下に一つの節。このように六つの枝が燭台から出ていた。
それらの節と枝とは燭台と一体にし、その全体は一つの純金を打って作った。
また、そのともしび皿七つと、その心切りばさみと、心取り皿とを純金で作った。
すなわち、純金一タラントで、燭台とそのすべての用具を作った。
②供えのパンの机…キリストは神が備えられた『いのちのパン』です。
ヨハネ6:48ーわたしはいのちのパンです。
出エジプト記25:23~30ー机をアカシヤ材で作らなければならない。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半。
これを純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作り、
その回りに手幅のわくを作り、そのわくの回りに金の飾り縁を作る。
その机のために金の環を四個作り、その四隅の四本の足のところにその環を取りつける。
環はわくのわきにつけ、机をかつぐ棒を入れる所としなければならない。
棒をアカシヤ材で作り、これに金をかぶせ、それをもって机をかつぐ。
注ぎのささげ物を注ぐための皿やひしゃく、びんや水差しを作る。これらは純金で作らなければならない。
机の上には供えのパンを置き、絶えずわたしの前にあるようにする。
出エジプト記37:10~16ー彼は、アカシヤ材で、一つの机を作った。長さは二キュビト、幅は一キュビト、高さは一キュビト半
これを純金でかぶせ、その回りに金の飾り縁を作った。
その回りに、手幅のわくを作り、そのわくの回りに金の飾り縁を作った。
その机のために、金の環四個を鋳造し、その四本の足のところの四隅に、その環を取りつけた。
その環はわくのわきにつけ、机をかつぐ棒を入れる所とした。
アカシヤ材で、机をかつぐ棒を作り、これを金でかぶせた。
さらに、机の上の器、すなわち、注ぎのささげ物を注ぐための皿や、ひしゃく、水差しや、びんを純金で作った。
ヘブル9:3ーまた、第二の垂れ幕のうしろには、至聖所と呼ばれる幕屋が設けられ、
3~5節では、第二の部屋である『至聖所』について述べています。
そこには『シャカイナグローリー』が宿る御父のご臨在がありました。
聖所と至聖所を区切る幕 …この幕により、御父のご臨在は常に隠され、大祭司だけが年に一度至聖所に入ることができたのです。
このように『幕屋』は三位一体の神を現す『型』になっています。
出エジプト記26:36~37ー天幕の入口のために、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で刺繍をした幕を作る。
その幕のためにアカシヤ材の柱五本を作り、これに金をかぶせる。それの鉤も金で、また、それらの柱のために青銅の台座五つを鋳造する。
出エジプト記36:37ーついで、天幕の入口のために、青色、紫色、緋色の撚り糸、撚り糸で織った亜麻布で、刺繍をした幕を作った。
ヘブル9:4ーそこには金の香壇と、全面を金でおおわれた契約の箱があり、箱の中には、マナの入った金のつぼ、芽を出したアロンの杖、契約の二つの板がありました。
契約の箱
出エジプト記30:6ーそれをあかしの箱をおおう垂れ幕の手前、わたしがあなたとそこで会うあかしの箱の上の『贖いのふた』の手前に置く。
出エジプト記40:5ーあなたは香のための金の壇をあかしの箱の前に置き、垂れ幕を幕屋の入口に掛ける。
出エジプト記25:10~18ーアカシヤ材の箱を作らなければならない。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半。
これに純金をかぶせる。それは、その内側と外側とにかぶせなければならない。その回りには金の飾り縁を作る。
箱のために、四つの金の環を鋳造し、それをその四隅の基部に取りつける。一方の側に二つの環を、他の側にほかの二つの環を取りつける。
アカシヤ材で棒を作り、それを金でかぶせる。
その棒は、箱をかつぐために、箱の両側にある環に通す。
棒は箱の環に差し込んだままにしなければならない。抜いてはならない。
わたしが与えるさとしをその箱に納める。
また、純金の『贖いのふた』を作る。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。
槌で打って作った二つの金のケルビムを『贖いのふた』の両端に作る。
出エジプト記26:33ーその垂れ幕を留め金の下に掛け、その垂れ幕の内側に、あかしの箱を運び入れる。その垂れ幕は、あなたがたのために聖所と至聖所との仕切りとなる。
『契約の箱』の中には、三つのものが納められていたと記されています。
①マナの入った金のつぼ
出エジプト記16:33~34ーモーセはアロンに言った。「つぼを一つ持って来て、マナを一オメルたっぷりその中に入れ、それを主の前に置いて、あなたがたの子孫のために保存しなさい。」
主がモーセに命じられたとおりである。そこでアロンはそれを保存するために、あかしの箱の前に置いた。
②芽を出したアロンの杖
民数記17:8~11(新共同訳:17:23~26)ーその翌日、モーセはあかしの天幕に入って行った。すると見よ、レビの家のためのアロンの杖が芽をふき、つぼみを出し、花をつけ、アーモンドの実を結んでいた。 モーセがその杖をみな、主の前から、すべてのイスラエル人のところに持って来たので、彼らは見分けて、おのおの自分の杖を取った。
主はモーセに言われた。「アロンの杖をあかしの箱の前に戻して、逆らう者どもへの戒めのため、しるしとせよ。彼らのわたしに対する不平を全くなくして、彼らが死ぬことのないように。」
モーセはそうした。主が命じられたとおりにした。
③契約の二枚の板…613ある律法の最初の『十戒』
出エジプト記25:16~21ーわたしが与えるさとしをその箱に納める。
また、純金の『贖いのふた』を作る。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半。
槌で打って作った二つの金のケルビムを『贖いのふた』の両端に作る。
一つのケルブは一方の端に、他のケルブは他方の端に作る。ケルビムを『贖いのふた』の一部としてそれの両端に作らなければならない。
ケルビムは翼を上のほうに伸べ広げ、その翼で『贖いのふた』をおおうようにする。互いに向かい合って、ケルビムの顔が『贖いのふた』に向かうようにしなければならない。
その『贖いのふた』を箱の上に載せる。箱の中には、わたしが与えるさとしを納めなければならない。
出エジプト記40:20ーまた、彼はさとしを取って箱に納め、棒を箱につけ、「贖いのふた」を箱の上に置き、
ヘブル9:5aーまた、箱の上には、贖罪蓋を翼でおおっている栄光のケルビムがありました。
出エジプト記25:18~22ー槌で打って作った二つの金のケルビムを『贖いのふた』の両端に作る。
一つのケルブは一方の端に、他のケルブは他方の端に作る。ケルビムを『贖いのふた』の一部としてそれの両端に作らなければならない。
ケルビムは翼を上のほうに伸べ広げ、その翼で『贖いのふた』をおおうようにする。互いに向かい合って、ケルビムの顔が『贖いのふた』に向かうようにしなければならない。 その『贖いのふた』を箱の上に載せる。箱の中には、わたしが与えるさとしを納めなければならない。 わたしはそこであなたと会見し、
その『贖いのふた』の上から、すなわちあかしの箱の上の二つのケルビムの間から、イスラエル人について、あなたに命じることをことごとくあなたに語ろう。
ヘブル9:5bーしかしこれらについては、今いちいち述べることができません。
著者の狙いは、古いものと新しいものとを簡単に対比することにあるため、聖所と至聖所にある物を一つ一つ個別に説明することはできないと言っています。
著者にとって重要なことは、この幕屋によって描き出される『神に近づく方法』の概略を提供することであり、『型』そのものにこだわるのではなく、『型』が指し示す現実にこだわることでした。
幕屋の細かな点がすべてというのではなく、基本的な概要が『メシアの型』なのです。
聖書が扱っているのは、すべての色や釘などのありとあらゆる詳細の『型』にこだわることではなく、基本的概要として神殿(幕屋)とそのささげものを解釈するものです。
古いシステムが、神と礼拝者との間の『隔ての壁』のシステムから成り立っていました。
①『異邦人の庭』は、ユダヤ人と異邦人を分離しました。
②『中庭』は、レビ人とレビ人以外とを分離しました。
③最初の垂れ幕(入り口)は、聖職者と非聖職者とを分離しました。
④二枚目の垂れ幕(聖所と至聖所の間の幕)は、大祭司と普通の祭司たちとを分離しました。
*キリストはこれらのすべての『隔ての壁』を、十字架で打ち破ってくださったのです。