サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

旧約聖書の歴史 〜ヨシュア記10章〜

旧約聖書が難しいと感じるひとつの理由は、私たちに馴染みのない地名や人物名が多く、似通った名前のため区別を付けづらいことにあると思います。

この箇所も『ギブオン』『ギルガル』と『ギ』で始まる名称や、創世記では『ゼデク』なのに、ここでは『ツェデク』だったり、『サレム』が『シャレム』になったり…せめて訳出で統一されてたら、もう少しわかりやすいのに〜と思ってみたり。。。

 

ボヤいてばかりいないで、読み進めてみますか…。

ヨシュア記10:1~2ーさて、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヨシュアがアイを攻め取って、それを聖絶し、先にエリコとその王にしたようにアイとその王にもしたこと、またギブオンの住民がイスラエルと和を講じて、彼らの中にいることを聞き、

大いに恐れた。それは、ギブオンが大きな町であって、王国の都の一つのようであり、またアイよりも大きくて、そこの人々はみな勇士たちであったからである。

 

エルサレム…創世記では『シャレム』

*アドニ・ツェデク…『ツェデク』とは、エブス人の王朝の名前

創世記14:18~20ー さて、シャレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒を持って来た。彼はいと高き神の祭司であった。

彼はアブラムを祝福して言った。 「祝福を受けよ。アブラム。 天と地を造られた方、いと高き神より。

あなたの手に、あなたの敵を渡された  いと高き神に、誉れあれ。」 アブラムはすべての物の十分の一を彼に与えた。

 

詩篇76:2ー神の仮庵はシャレムにあり、

その住まいはシオンにある。

 

エブス人であるエルサレムの王アドニ・ツェデクは、ギブオンが大きな待ちであり、そこの人々が勇士たちで、尚且つ、エリコやアイを聖絶したイスラエルと和を講じて、イスラエルの中にいることを聞いて大いに恐れました。

 

ヨシュア記10:3~4ーそれで、エルサレムの王アドニ・ツェデクは、ヘブロンの王ホハム、ヤルムテの王ピルアム、ラキシュの王ヤフィア、エグロンの王デビルに使いをやって言った。

「私のところに上って来て、私を助けてください。私たちはギブオンを打ちましょう。ギブオンがヨシュアイスラエル人と和を講じたから。」

ヘブロンエルサレムの南30kmのパレスチナの古い町の一つで、アブラハムの妻サラが死んだ所。アブラハムはそこに銀400シェケルで『マクペラのほら穴』を購入し、サラを葬った。アブラハムが約束の地で初めて手に入れた場所。

創世記23:2ーサラはカナンの地のキルヤテ・アルバ、今日のヘブロンで死んだ。アブラハムは来てサラのために嘆き、泣いた。

創世記23:9ー彼の畑地の端にある彼の所有のマクペラのほら穴を私に譲ってくれるようにしてください。彼があなたがたの間でその畑地に十分な価をつけて、私に私有の墓地として譲ってくれるようにしてください。」

創世記23:16アブラハムはエフロンの申し出を聞き入れ、エフロンがヘテ人たちの聞いているところでつけた代価、通り相場で銀400シェケルを計ってエフロンに渡した。

創世記23:19ーこうして後、アブラハムは自分の妻サラを、カナンの地にある、マムレすなわち今日のヘブロンに面するマクペラの畑地のほら穴に葬った。

 

ヨシュア記10:5ーそれで、エモリ人の五人の王たち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王とその全陣営は、相集まり、上って行って、ギブオンに向かって陣を敷き、それを攻めて戦った。

*エモリ人カナン人の総称

*ヤルムテエルサレムの南西26kmの堅固な要塞

*ラキシュエルサレムの南西約45kmの重要な古代都市。聖書では度々出て来るが、その最初がここ。この時はヤフィアを王とするエモリ人の都市国家だった。

*エグロン…ラキシュの西11kmにある町

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ヨシュア記10:6~11ーギブオンの人々は、ギルガルの陣営のヨシュアのところに使いをやって言った。「あなたのしもべどもからあなたの手を引かないで、早く、私たちのところに上って来て私たちを救い、助けてください。山地に住むエモリ人の王たちがみな集まって、私たちに向かっているからです。」

そこでヨシュアは、すべての戦う民と、すべての勇士たちとを率いて、ギルガルから上って行った。

ヨシュアに仰せられた。「彼らを恐れてはならない。わたしが彼らをあなたの手に渡したからだ。彼らのうち、ひとりとしてあなたの前に立ち向かうことのできる者はいない。」

それで、ヨシュアは夜通しギルガルから上って行って、突然彼らを襲った。

が彼らをイスラエルの前でかき乱したので、イスラエルはギブオンで彼らを激しく打ち殺し、ベテ・ホロンの上り坂を通って彼らを追い、アゼカとマケダまで行って彼らを打った。

彼らがイスラエルの前から逃げて、ベテ・ホロンの下り坂にいたとき、は天から彼らの上に大きな石を降らし、アゼカに至るまでそうしたので、彼らは死んだ。イスラエル人が剣で殺した者よりも、雹の石で死んだ者のほうが多かった。

*アゼカ…ラキシュの北西16km

*マケダ…ベテ・シェメシュの南西5km

 

ヨシュアたちは、陣営を敷いていたギルガルからギブオンまでの約30kmを夜通し上って行って、突然エモリ人の王たちを襲った。ー人間がしたこと

エモリ人の王たちをかき乱し、天から彼らの上に大きな石(雹)を降らし、彼らを殺したー【主】がされたこと

 

ヨシュア記10:12~13がエモリ人をイスラエル人の前に渡したその日、ヨシュアに語り、イスラエルの見ている前で言った。「日よ。ギブオンの上で動くな。月よ。アヤロンの谷で。」

民がその敵に復讐するまで、日は動かず、月はとどまった。これは、ヤシャルの書にしるされているではないか。こうして、日は天のまなかにとどまって、まる一日ほど出て来ることを急がなかった。

*ヤシャルの書古代イスラエルにおける英雄的な行為を記した本ー詩歌集ーだと考えられる。ダビデの時代に編集された。ヨシュア記での出来事は、地動説への反論の拠り所となっていたようです。

Ⅱサムエル記1:18ーこの弓の歌をユダの子らに教えるように命じた。これはヤシャルの書にしるされている。

 

ヨシュア記10:14~24が人の声を聞き入れたこのような日は、先にもあとにもなかった。イスラエルのために戦ったからである。

ヨシュアは、全イスラエルを率いてギルガルの陣営に引き揚げた。

これらの五人の王たちは逃げて、マケダのほら穴に隠れた。

その後、マケダのほら穴に隠れている五人の王たちが見つかったという知らせがヨシュアに入った。

そこでヨシュアは言った。「ほら穴の口に大きな石をころがし、そのそばに人を置いて、彼らを見張りなさい。

しかしあなたがたはそこにとどまってはならない。敵のあとを追い、彼らのしんがりを攻撃しなさい。彼らの町に入らせてはならない。あなたがたの神、が彼らをあなたがたの手に渡されたからだ。」

ヨシュアイスラエル人は、非常に激しく打って、彼らを絶ち滅ぼし、ついに全滅させた。彼らのうちの生き残った者たちは、城壁のある町々に逃げ込んだ。

そこで民はみな無事にマケダの陣営のヨシュアのもとに引き揚げたが、イスラエル人に向かってののしる者はだれもなかった。

その後、ヨシュアは言った。「ほら穴の口を開いて、ほら穴からあの五人の王たちを私のもとに引き出して来なさい。」

彼らはそのとおりにして、ほら穴からあの五人の王たち、エルサレムの王、ヘブロンの王、ヤルムテの王、ラキシュの王、エグロンの王を彼のもとに引き出して来た。

彼らがその王たちをヨシュアのもとに引き出して来たとき、ヨシュアイスラエルのすべての人々を呼び寄せ、自分といっしょに行った戦士たちを率いた人たちに言った。「近寄って、この王たちの首に足をかけなさい。」そこで彼らは近寄り、その王たちの首に足をかけた。

*ギルガルの陣営に引き上げた…戦いが終わったからではないことが、18~20節からわかります。ヨシュアにエモリ人の5人の王たちがマケダのほら穴に隠れているという知らせが届くと、とりあえずほら穴の入り口を大きな石で塞ぎ、逃げられないようにして敵の後を追いました。

 

*この王たちの首に足をかけなさい…『征服する』ことを意味。捕虜や打ち取った敵の首や頭に足をかけるやり方は、古代中東や小アジア、エジプトでよく見られること。

1列王記5:3ー「あなたがご存知のように、私の父ダビデは、彼の回りからいつも戦いをいどまれていたため、から彼らを私の足の裏の下に置かれるまで、彼の神、の名のために宮を建てることができませんでした。

詩篇110:1ー主は、私の主に仰せられる。「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。」

 

ヨシュア記10:25ヨシュアは彼らに言った。「恐れてはならない。おののいてはならない。強くあれ。雄々しくあれ。あなたがたの戦うすべての敵は、がこのようにされる。」

*恐れてはならない。強くあれ。雄々しくあれ。…かつて神がヨシュアに命じたことばを、ヨシュアは民に伝えています。

ヨシュア記1:9ーわたしはあなたに命じたではないか。強くあれ。雄々しくあれ。恐れてはならない。おののいてはならない。あなたの神、が、あなたの行く所どこにでも、あなたとともにあるからである。」

 

ヨシュア記10:26~27ーこのようにして後、ヨシュアは彼らを打って死なせ、彼らを五本の木にかけ、夕方まで木にかけておいた。

日の入るころになって、ヨシュアは彼らを木から降ろすように命じ、彼らが隠れていたほら穴の中に投げ込み、ほら穴の口に大きな石を置かせた。今日もそうである。

*夕方まで木にかけて申命記21:22~23, ヨシュア記8:29

*今日もそうである…この記録が書かれた時でも、の意。

 

ヨシュア記10:28~39ーその日、ヨシュアはマケダを攻め取り、剣の刃で、この地とその王とを打った。彼は、この地とその中にいたすべての者を聖絶し、ひとりも生き残る者がないようにした。彼はエリコの王にしたように、マケダの王にもした。

ヨシュアは全イスラエルを率いて、マケダからリブナに進み、リブナと戦った。

主が、その地も、その王も、イスラエルの手に渡されたので、彼は、この地とその中のすべての者を、剣の刃で打ち、その中にひとりも生き残る者がないようにした。彼はエリコの王にしたように、その王にもした。

ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、リブナからラキシュに進み、それに向かって陣を敷き、それと戦った。

主がラキシュをイスラエルの手に渡されたので、彼は二日目にそれを取り、それと、その中のすべての者を、剣の刃で打った。すべてリブナにしたとおりであった。

そのとき、ゲゼルの王ホラムが、ラキシュを助けるために上って来たので、ヨシュアは、彼とその民を打ち、ひとりも生き残る者のないまでにした。

ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、ラキシュからエグロンに進み、それに向かって陣を敷き、それと戦った。

彼らはその日それを取り、剣の刃でそれを打ち、その日、その中のすべての者を聖絶した。すべてラキシュにしたとおりであった。

ヨシュアはまた、全イスラエルを率いて、エグロンからヘブロンに上り、彼らはそれと戦った。

彼らは、それを取り、それとその王、およびそのすべての町々とその中のすべての者を、剣の刃で打ち、ひとりも生き残る者がないようにした。すべてエグロンにしたとおりであった。彼は、それとその中のすべての者を聖絶した。

ヨシュアは全イスラエルを率いて、デビルに引き返し、これと戦った。

そして彼は、その地とその王、およびその中のすべての町々を取り、剣の刃でこれらを打ち、その中のすべての者を聖絶し、ひとりも生き残る者がないようにした。彼がデビルとその王にしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナとその王にしたとおりであった。

*リブナ…モレシェテ・ガテの北西5km

*ゲゼルエルサレムの西北西30km、エルサレムとヨッパを結ぶ街道の中間

*デビルヘブロンの西南西20km

 

エモリ人の5人の王たちを聖絶した後、ユダの地をベテ・ホロン〜アヤロンの谷、アゼカをとり、さらに南下しながら

①マケダ10:38②リブナ10:29~30③ラキシュ10:31~33④エグロン10:34~35ヘブロン10:36~37⑥デビル10:38~39の順に聖絶して行きました。

 

*彼がデビルとその王にしたことは、ヘブロンにしたとおりであり、またリブナとその王にしたとおりであった申命記3:21ー私は、そのとき、ヨシュアに命じて言った。「あなたは、あなたがたの神、が、これら二人の王になさったすべてのことをその目で見た。はあなたがたがこれから渡って行くすべての国々にも、同じようにされる。

 

ヨシュア記10:40~42ーこうして、ヨシュアはその全土、すなわち山地、ネゲブ、低地、傾斜地、そのすべての王たちを打ち、ひとりも生き残る者がないようにし、息のあるものはみな聖絶した。イスラエルの神、主が命じられたとおりであった。

ヨシュアは、また、カデシュ・バルネアからガザまで、およびゴシェンの全土をギブオンに至るまで打った。

ヨシュアはこれらすべての王たちとその地とをいちどきに攻め取った。イスラエルの神、が、イスラエルのために戦われたからである。

*ゴシェン…ユダ南部の町。

奴隷として暮らしていた『ゴシェンの地』と間違わないように要注意!思い込みは危険です。

 

イスラエルの神、主が、イスラエルのために戦われたからである…40~42節は、ヨシュアによる南ユダ攻略の要約ですが、その背後で戦われ、約束の地をイスラエルにお与えになったのは神ご自身です。

 

ヨシュア記10:43ーそれで、ヨシュアは全イスラエルを率いて、ギルガルの陣営に引き揚げた。

*ギルガルの陣営に引き上げた…ここでは、『戦いが終わって』の意。