ヨシュア記11章は北パレスチナの征服について記されています。
ヨシュア記11:1~5ーハツォルの王ヤビンは、このことを聞いて、マドンの王ヨバブ、シムロンの王、アクシャフの王、
また北方の山地、キネレテの南のアラバ、低地、西方のドルの高地にいる王たち、すなわち、東西のカナン人、エモリ人、ヘテ人、ペリジ人、山地のエブス人、ミツパの地にあるヘルモンのふもとのヒビ人に使いをやった。
それで彼らは、その全陣営を率いて出て来た。その人数は海辺の砂のように多く、馬や戦車も非常に多かった。
これらの王たちはみな、相集まり、進んで来て、イスラエルと戦うために、メロムの水のあたりに一つになって陣を敷いた。
*ハツォル…北パレスチナ、ガリラヤ湖の上に位置するフーレ湖の南西8kmの高台にある町
*マドン…ガリラヤ湖の西6kmにある町
*シムロン…ナザレの西7kmにある町
*アクシャフ…アコの平原にある町
*メロムの水…ガリラヤ湖の北西15km に、北パレスチナの王たちがイスラエルと戦うために陣を敷いた。
ヨシュア記11:6ー主はヨシュアに仰せられた。「彼らを恐れてはならない。あすの今ごろ、わたしは彼らをことごとくイスラエルの前で、刺し殺された者とするからだ。あなたは、彼らの馬の足の筋を切り、彼らの戦車を火で焼かなければならない。」
神の励まし。この励ましを受けて、信仰によって応答するのか、それでも尚、怖気付くのか…そこが問われる所。
ヨシュア記11:7ーそこで、ヨシュアは戦う民をみな率いて、メロムの水のあたりで、彼らを急襲し、彼らに襲いかかった。
親からはホセアと名付けられたヨシュアは、モーセから約束の地の偵察隊の一人として選ばれた時に、『主は救い』という意味を持つヨシュアという名を付けられた。その名のとおり、信仰による応答をした。
「人々を遣わして、わたしがイスラエル人に与えようとしているカナンの地を探らせよ。父祖の部族ごとにひとりずつ、みな、その族長を遣わさなければならない。」
モーセは主の命によって、パランの荒野から彼らを遣わした。彼らはみな、イスラエル人のかしらであった。
エフライム族からはヌンの子ホセア。
民数記13:16ー以上は、モーセがその地を探らせるために遣わした者の名であった。そのときモーセはヌンの子ホセアをヨシュアと名づけた。
ヨシュア記11:8~14ー主が彼らをイスラエルの手に渡されたので、イスラエルは、彼らを打ち、大シドン、およびミスレフォテ・マイムまで追い、さらに東のほうでは、ミツパの谷まで彼らを追い、ひとりも生き残る者がないまでに彼らを打った。
ヨシュアは、主が命じたとおりに彼らにして、彼らの馬の足の筋を切り、彼らの戦車を火で焼いた。
そのとき、ヨシュアは引き返して、ハツォルを攻め取り、その王を剣で打ち殺した。ハツォルは以前、これらすべての王国の首都だったからである。
彼らは、その中のすべての者を剣の刃で打ち、彼らを聖絶した。息のあるものは、何も残さなかった。彼はハツォルを火で焼いた。
ヨシュアは、それらの王たちのすべての町々、および、そのすべての王たちを捕らえ、彼らを剣の刃で打ち殺し、聖絶した。主のしもべモーセが命じたとおりであった。
ただしイスラエルは、丘の上に立っている町々は焼かなかった。ヨシュアが焼いたハツォルだけは例外である。
これらの町々のすべての分捕り物と家畜とは、イスラエル人の戦利品として自分たちのものとした。ただし人間はみな、剣の刃で打ち殺し、彼らを一掃して、息のあるものはひとりも残さなかった。
*戦車を火で焼いた…ヨシュアは戦車を持った敵陣に勝利した。
*大シドン…大きな漁場、の意。シドンはフェニキヤの町で、ツロとベイルートの中間地点にある。
*ミスレフォテ・マイム…ツロとシドンの境界線近く
モーセが命じたとおりに、ヨシュアは征服した町々を次々と『聖絶』していった。
ヨシュア記11:15ー主がそのしもべモーセに命じられたとおりに、モーセはヨシュアに命じたが、ヨシュアはそのとおりに行い、主がモーセに命じたすべてのことばを、一言も取り除かなかった。
*【主】がそのしもべモーセに命じられたとおりに…聖絶の理由:申命記7:1~6, 20:16~18
申命記7:1~6ーあなたが、はいって行って、所有しようとしている地に、あなたの神、主が、あなたを導き入れらるとき、主は、多くの異邦人の民、すなわちヘテ人、ギルガシ人、ペリジ人、ヒビ人、およびエブス人の、これらあなたよりも数多く、また強い七つの異邦の民を、あなたの前から追い払われる。
あなたの神、主は、彼らをあなたに渡し、あなたがこれを打つとき、あなたは彼らを聖絶しなければならない。彼らと何の契約も結んではならない。容赦してはならない。
また、彼らと互いに縁を結んではならない。あなたの娘を彼の息子に与えてはならない。彼の娘をめとってはならない。
彼はあなたの息子を私から引き離すであろう。彼らがほかの神々に仕えるなら、主の怒りがあなたがたに向かって燃え上がり、主はあなたをたちどころに根絶やしにしてしまわれる。
むしろ彼らに対して、このようにしなければならない。彼らの祭壇を打ちこわし、石の柱を打ち砕き、彼らのアシュラ像を切り倒し、彼らの彫像を火で焼かなければならない。
あなたは、あなたの神、主の聖なる民だからである。あなたの神、主は、地の面のすべての国々の民のうちから、あなたを選んでご自分の宝の民とされた。
申命記20:16~18ーしかし、あなたの神、主が相続地として与えようとしておられる次の 国々の民の町では、行きのある者をひとりも生かしておいてはならない。
すなわち、ヘテ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人は、あなたの神主が命じられたとおり、必ず聖絶しなければならない。
それは、彼らが、その神々に行なっていたすべての忌みきらうべきことをするようにあなたがたに教え、あなたがたが、あなたがたの神、主に対して罪を犯すことのないためである。
ヨシュア記11:16~17ーこうして、ヨシュアはこの地のすべて、すなわち山地、ネゲブの全地域、ゴシェンの全土、低地、アラバ、およびイスラエルの山地と低地を取り、
セイルへ上って行くハラク山から、ヘルモン山のふもとのレバノンの谷にあるバアル・ガドまでを取った。また、それらの王をことごとく捕らえて、彼らを打って、殺した。
*ネゲブの全地域、ゴシェンの全土、低地…ユダから南の地域
*アラバ…ヨルダンの流域と死海の東側の地域
*イスラエルの産地と低地…ヨシュア記11:1~14で攻略した地域
*セイルへ上って行くハラク山から、ヘルモン山のふもとのレバノンの谷にあるバアル・ガド…その地域の最南部から最北部までにあたる。
*ハラク山…ベエル・シェバの南42kmにある山
*バアル・ガド…ダンの北18kmのヨルダンの水源近くの所
ヨシュア記11:18~20ーヨシュアは、これらすべての王たちと長い間戦った。
ギブオンの住民ヒビ人を除いては、イスラエル人と和を講じた町は一つもなかった。彼らは戦って、すべてのものを取った。
*ギブオンの住民ヒビ人…ヨシュア記9章で、彼らは変装を企て、遠くの国から来たとイスラエルを欺いて、イスラエルと盟約を結んだ民。
ヨシュア記11:20ー彼らの心をかたくなにし、イスラエルを迎えて戦わせたのは、主から出たことであり、それは主が彼らを容赦なく聖絶するためであった。まさに、主がモーセに命じたとおりに彼らを一掃するためであった。
すべては『約束の地を与える』と言われた主から出たことであった。
主に選ばれた者、ヤコブの子らよ。
この方こそ、われらの神、主。
そのさばきは全地にわたる。
主は、ご自分の契約をとこしえに覚えておられる。
お命じになったみことばは千代にも及ぶ。
その契約はアブラハムと結んだもの。
イサクへの誓い。
主はヤコブのためにそれをおきてとして立て、
イスラエルに対する永遠の契約とされた。
そのとき主は仰せられた。
「わたしはあなたがたの相続地として
あなたに、カナンの地を与える。」
*その契約はアブラハムと結んだもの。イサクへの誓い。…アブラハム契約
ヨシュア記11:21~22ーそのとき、ヨシュアは行って、アナク人を、山地、ヘブロン、デビル、アナブ、ユダのすべての山地、イスラエルのすべての山地から断ち、彼らをその町々とともに聖絶した。
それでイスラエル人の地には、アナク人がいなくなった。ただガザ、ガテ、アシュドデにわずかの者が残っていた。
*アナク人…『アナク』は部族名:首飾りを付けた人々/昔の商い人、の意。
彼らは巨人であったために、イスラエルの人々からは恐れられていた。
民数記13:28ーしかし、その地に住む民は力強く、その町々は城壁を持ち、非常に大きく、そのうえ、私たちはそこでアナクの子孫を見ました。
*ガザ、ガデ、アシュドデ…他に『エグロン』と『アッシュケロン』を含むペリシテの五大都市の中の三つ。
ヨシュア記11:23ーこうしてヨシュアは、その地をことごとく取った。すべて主がモーセに告げたとおりであった。ヨシュアはこの地を、イスラエルの部族の割り当てにしたがって、相続地としてイスラエルに分け与えた。その地に戦争はやんだ。
*その地をことごとく取った…実際には、占領すべき地はまだたくさんあった。
ヨシュア記13:1ーヨシュアは年を重ねて老人になった。主は彼に仰せられた。「あなたは年を重ね、老人になったが、まだ占領すべき地がたくさん残っている。