★旧市街エリア内
ビアドロローサ(イエスの悲しみの道)
第一留:有罪判決を受けたピラトの官邸
第一ステーション。
現在 アラブ人の小学校になっている。金曜日が休み。
マタイ27:2ーそれから、イエスを縛って連れ出し、総督ピラトに引き渡した。
マタイ27:23~25ーだが、ピラトは言った。「あの人がどんな悪い事をしたというのか。」しかし、彼らはますます激しく「十字架につけろ。」と叫び続けた。
そこでピラトは、自分では手の下しようがなく、かえって暴動になりそうなのを見て、
群衆のめの前で水を取り寄せ、手を洗って、言った。「この人の血について、私には責
任がない。自分たちで始末するがよい。」
すると、民衆はみな答えて言った。「その人の血は、私たちや子どもたちの上にかかっ
てもいい。」
第二留:むち打ちの教会…ドームにはいばらの冠がデザインされている。
マタイ27:26ーそこで、ピラトは彼らのためにバラバを釈放し、イエスをむち打ってから、十字架につけるために引き渡した。
第三留:イエスが最初につまづいた場所:アルメニア使徒教会の聖堂 ※福音書には、倒れたという記述無し。
ルカ23:26ー彼らは、イエスを引いて行く途中、いなかから出て来たシモンというクレネ人をつかまえ、この人に十字架を負わせてイエスのうしろから運ばせた。
第四留:母マリアがイエスを見つめたとされる場所:マリアの教会 ※聖書には、記述なし。
ヤコブによる原福音によると、聖母マリヤの父はヨアヒム、母はアンナ。
ベテスダの池の近くにある聖アンナ教会の地下には、アンナがマリヤを産んだとされる洞窟がある。
第五留:クレネ人シモンがイエスに代わり十字架を背負った場所
マタイ27:32ーそして、彼らが出て行くと、シモンというクレネ人を見つけたので、彼らは、この人にイエスの十字架を、むりやりに背負わせた。
*クレネ人…北アフリカのクレナイカの首都クレネ出身のユダヤ人。過越の祭りに合わせて礼拝のためにエルサレムに上って来ていたユダヤ教徒。
マルコ15:21ーそこへ、アレキサンデルとルポスとの父で、シモンというクレネ人が、いなかから出て来て通りかかったので、彼らはイエスの十字架を、むりやりに彼に背負わせた。
*ルポス…ローマ16:13ー主にあって選ばれた人ルポスによろしく。また彼と私との母によろしく。
※パウロが挨拶を送っているルポスと同一人物なら、クレネ人シモンの息子の一人は、後にキリストを信じる者になったということ。
ルカ23:26ー彼らは、イエスを引いて行く途中、いなかから出て来たシモンというクレネ人をつかまえ、この人に十字架を負わせてイエスのうしろから運ばせた。
現在 イスラエル兵が警備しているように、当時はローマ兵があちこちにいた。
第六留:ベロニカの教会 ※聖書には、記述無し!
『ベロニカのベールの伝説』でイエスの顔の汗をベールで拭ったとされるベロニカの家があったであろうとされる場所。
ベロニカのベールは、現在、バチカンのサンピエトロ大聖堂に保管され、非公開となっていると言われている。
第七留:イエスが二度目に倒れたとされる場所:裁きの門といわれるゴルゴタに通じる門 ※聖書には、記述無し!
二度目に倒れた時に手をついたとされる壁。
第八留:イエス、エルサレムの娘たちを慰めた場所:聖ハラランボス・ギリシャ聖教会
ルカ23:27~31ー大ぜいの民衆やイエスのことを嘆き悲しむ女たちの群れが、イエスのあとについて行った。
しかしイエスは、女たちのほうに向いて、こう言われた。「エルサレムの娘たち。むしろ自分自身と、自分の子どもたちのことのために泣きなさい。
なぜなら人々が『不妊の女、子を産んだことのない胎、飲ませたことのない乳房は、幸いだ。』と言う日が来るのですから。
そのとき、人々は山に向かって、『われわれの上に倒れかかってくれ。』と言い、丘に向かって『われわれをおおってくれ。』と言い始めます。
彼らが生木にこのようなことをするのなら、枯れ木には、いったい、何が起こるでしょ
う。」
第九留:イエスが三度目に倒れたとされる場所:聖墳墓コプト会…丸い屋根は、雨水を無駄なく集めるため。ここで、担いで来た十字架を下ろしたとされる。※聖書には、三度目に倒れたという記述無し!
マタイ27:33~34ーゴルゴタという所(「どくろ」と言われている場所)に来てから、
彼らはイエスに、苦味を混ぜたぶどう酒を飲ませようとした。イエスはそれをなめただ
けで、飲もうとはされなかった。
マルコ15:22~23ーそして、彼らはイエスをゴルゴタの場所(訳すと、「どくろ」の場所)へ連れて行った。
そして彼らは、没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに与えようとしたが、イエスはお飲みに
ならなかった。
ルカ23:33ー「どくろ」と呼ばれている所に来ると、そこで彼らは、イエスと犯罪人とを十字架につけた。
犯罪人のひとりは右に、ひとりは左に。
第十〜十四留:聖墳墓教会内
聖墳墓教会は、複数の教会の寄合所帯になっているため、複雑な構造になっている。
第十留:十字架につかれる前に、着ていた服を脱がされた場所
マタイ27:35ーこうして、イエスを十字架につけてから、彼らはくじを引いて、イエスの着物を分け、そこにすわって、イエスの見張りをした。
マルコ15:24ーそれから、彼らは、イエスを十字架につけた。そしてだれが何を取るかをくじ引きで決めたうえで、イエスの着物を分けた。
マタイ27:37ーまた、イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである。」と書いた罪状書きを掲げた。
マルコ15:25~27ー彼らがイエスを十字架につけたのは、午前九時であった。
イエスの罪状書きには、「ユダヤ人の王。」と書いてあった。
また彼らは、イエスとともにふたりの強盗を、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架に
つけた。
ルカ23:34ーそのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは何をしているのか自分でわからないのです。」彼らは、くじを引いてイエスの着物を分けた。
第十二留:イエス、息を引き取る
マタイ27:45~52ーさて、十二時から、全地が暗くなって、三時まで続いた。
三時ごろ、イエスは大声で、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」と叫ばれた。これは、「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」という意味である。
すると、それを聞いて、そこに立っていた人々のうち、ある人たちは、「この人はエリ
ヤを呼んでいる。」と言った。
また、彼らのひとりがすぐ走って行って、海綿を取り、それに酸いぶどう酒を含ませて、葦の棒につけ、イエスに飲ませようとした。
ほかの者たちは、「私たちはエリヤが助けに来るかどうか見ることとしよう。」と言っ
た。
そのとき、イエスはもう一度大声で叫んで、息を引き取られた。
すると、見よ。神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。そして、地が揺れ動き、岩が
裂けた。
また、墓が開いて、眠っていた多くの聖徒たちのからだが生き返った。
マルコ15:33~39ーさて、十二時になったとき、全地が暗くなって、午後三時まで続いた。
そして、三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ。」と叫ばれ
た。それは訳すと「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」
という意味である。
そばに立っていた幾人かが、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる。」と言った。
すると、ひとりが走って行って、海綿に酸いぶどう酒を含ませ、それを葦の棒につけて、イエスに飲ませようとしながら言った。「エリヤがやって来て、彼を降ろすかどうか、私たちは見ることにしよう。」
それから、イエスは大声をあげて息を引き取られた。
神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。
イエスの正面に立っていた百人隊長は、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「この方はまことに神の子であった。」と言った。
ルカ23:44~47ーそのときすでに十二時ごろになっていたが、全地が暗くなって、三時まで続いた。
太陽は光を失っていた。また、神殿の幕は真二つに裂けた。
イエスは大声で叫んで、言われた。「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」こう言って、息を引き取られた。
この出来事を見た百人隊長は、神をほめたたえ、「ほんとうに、この人は正しい方であった。」と言った。
ヨハネ19:30ーイエスは、酸いぶどう酒を受けられると、「完了した。」と言われた。そして、頭をたれて、霊をお渡しになった。
第十三留:イエスが十字架から降ろされ、母マリアがその亡骸を受け取ったと言われる場所
マタイ27:57~58ー夕方になって、アリマタヤの金持ちでヨセフという人が来た。彼もイエスの弟子になっていた。
この人はピラトのところに行って、イエスのからだの下げ渡しを願った。そこで、ピラ
トは、渡すように命じた。
マルコ15:42~45ーすっかり夕方になった。その日は備えの日、すなわち安息日の前日であったので、
アリマタヤのヨセフは、思い切ってピラトのところに行き、イエスのからだの下げ渡し
を願った。ヨセフは有力な議員であり、みずからも神の国を待ち望んでいた人であった。
ピラトは、イエスがもう死んだのかと驚いて、百人隊長を呼び出し、イエスがすでに死
んでしまったかどうかを問いただした。
そして、百人隊長からそうと確かめてから、イエスのからだをヨセフに与えた。
ルカ23:50~53aーさてここに、ヨセフという、議員のひとりで、りっぱな、正しい人がいた。
この人は議員たちの計画や行動には同意しなかった。彼は、アリマタヤというユダヤ人
の町の人で、神の国を待ち望んでいた。
この人が、ピラトのところに行って、イエスのからだの下げ渡しを願った。
それからイエスを取り降ろして、
ヨハネ19:31~34ーその日は備え日であったため、ユダヤ人たちは安息日にその安息日は大いなる日であったので)、死体を十字架の上に残しておかないように、すねを折ってそれを取りのける
処置をピラトに願った。*大いなる日…種なしパンの間の安息日(初穂の祭り)、の意。
それで兵士たちが来て、イエスといっしょに十字架につけられた第一の者と、もうひと
りの者とのすねを折った。
しかし、イエスのところに来ると、イエスがすでに死んでおられるのを認めたので、そ
のすねを折らなかった。
しかし、兵士のうちのひとりがイエスの脇腹を槍で突き刺した。すると、ただちに血と
水が出て来た。
ヨハネ19:38~40aーそのあとで、イエスの弟子ではあったがユダヤ人を恐れてそのことを隠していたアリマタヤのヨセフが、イエスのからだを取りかたづけたいとピラトに願った。それで、ピラトは許可を与えた。そこで、彼は来て、イエスのからだを取り降ろした。
前に、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬とアロエを混ぜ合わせたものをおよ
そ三十キログラムばかり持ってやって来た。
そこで、彼らはイエスのからだを取り、
第十四留:イエス、墓に葬られる
イザヤ53:9ー彼の墓は悪者どもとともに設けられ、
彼は富む者とともに葬られた。
彼は暴虐を行なわず、その口に欺きはなかったが。
マタイ27:59~60ーヨセフはそれを取り降ろして、きれいな亜麻布に包み、
岩を掘って造った自分の新しい墓に納めた。墓の入口には大きな石をころがしかけて帰
った。
マルコ15:46ーそこで、ヨセフは亜麻布を買い、イエスを取り降ろしてその亜麻布に包み、岩を掘って造った墓に納めた。墓の入口には石をころがしかけておいた。
ルカ23:53~54ーそれから、イエスを取り降ろして、亜麻布で包み、そして、まだだれをも葬ったことのない、岩に掘られた墓にイエスを納めた。
この日は準備の日で、もう安息日が始まろうとしていた。
ヨハネ19:40~42ーそこで、彼らはイエスのからだを取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従って、それを香料といっしょに亜麻布で巻いた。
イエスが十字架につけられた場所に園があって、そこには、まだだれも葬られたことの
ない新しい墓があった。
その日ユダヤ人の備え日であったため、墓が近かったので、彼らはイエスをそこに納めた。