サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

旧約聖書の歴史 〜ヨシュア記21〜22章〜

ヨシュア記21章は、相続地としての割り当てがなく、イスラエル全土に散って住んだ『レビ人の町』についての記載です。

レビ族は律法の祭儀制度を執り行う特別な任務を仰せつかった部族として、イスラエルの全部族の中から割り当ての町々を得ました。

 

一般に『イスラエルの十二部族』と言われていますが、地図で十二部族の相続地を見て見ると、確かにレビ族の割り当て地は無く、さらによく見ると『ヨセフ』の名前もありません。なのに、土地の割り当てを受けた部族の数を数えてみると、確かに『十二部族』になっているのです。

 

ヤコブの十二人の息子たちの長子は『ルベン』ですが、彼は父のそばめと寝床を共にしたため長子の権利を失い、エジプトに売られた『ヨセフ』が長子の権利を引き継ぎました。

創世記35:22イスラエルがその地に住んでいたころ、ルベンは父のそばめビルハのところに行って、これと寝た。イスラエルはこのことを聞いた。さて、ヤコブの子は十二人であった。

 

ヤコブはエジプトの地でヨセフに生まれた二人の子、マナセとエフライムを養子として迎えました。

創世記48:5ー今、私がエジプトに来る前に、エジプトの地で生まれたあなたのふたりの子は、私の子となる。エフライムとマナセはルベンやシメオンと同じように私の子にする。

 

これにより、ヤコブの子は全部で十三人ということになります。

長子の権利を受け継いだヨセフ族の割り当て地は、他の兄弟の二倍ーマナセ族とエフライム族ーになるため、割り当て地にはヨセフの名前ではなく、ヨセフの二人の息子たちの名が記されています。

 

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いのちのことば社 発行 聖書 新改訳2017『聖書地図』地図4:イスラエルの各部族への土地の割り当て 引用

 

ヨシュア記21:1~7は、氏族単位でのレビ人への割り当て

*ケハテ創世記46:11ーレビの子はゲルション、ケハテ、メラリ。

*ケハテ族民数記3:19ーケハテ族の諸氏族はそれぞれ、アムラムとイツハル、ヘブロンとウジエル。

民数記3:27ーアムラム族、イツハル族、ヘブロン族、ウジエル族はケハテに属し、これらがケハテ人の諸氏族であった。

 

ヨシュア記21:4bーユダ部族、シメオン部族、ベニヤミン部族のうちから、くじによって、十三の町がレビ人の祭司アロンの子孫のものとなった。

 

レビ人の祭司アロンの子孫のものとなった町々とその放牧地は、

《ユダ族とシメオン族から九つの町》

1) 殺意のない殺人者ののがれの町ヘブロンとその放牧地21:13

2) リブナとその放牧地…21:13

3) ヤティルとその放牧地…21:14

4) エシュテモアとその放牧地…21:14

5) ホロンとその放牧地…21:15

6) デビルとその放牧地…21:15

7) アインとその放牧地…21:16

8) ユタとその放牧地…21:16

9) ベテ・シェメシュとその放牧地…21:16

 

《ベニヤミン族から四つの町》

10) ギブオンとその放牧地…21:17

11) ゲバとその放牧地…21:17

12) アナトテとその放牧地…21:18

13) アルモンとその放牧地…21:18

 

ヨシュア記21:5ーエフライム部族、ダン部族、マナセの半部族から、十の町がくじによって残りのケハテ族のものに、

 

ケハテ族のものになった町々とその放牧地は、

《エフライム族から四つの町々》

1) 殺意のない殺人者のためののがれの町シェケムとその放牧地21:21

2) ゲゼルとその放牧地…21:21

3) キブツァイムとその放牧地…21:22

4) ベテ・ホロンとその放牧地…21:22

 

《ダン部族から四つの町》

5) エルテケとその放牧地…21:23

6) ギベトンとその放牧地…21:23

7) アヤロンとその放牧地…21:24

8) ガテ・リモンとその放牧地…21:24

 

《マナセの半部族から二つの町》

9) タナクとその放牧地…21:25

10) ガテ・リモンとその放牧地…21:25

 

ヨシュア記21:6ーイッサカル部族の諸氏族、アシェル部族、ナフタリ部族、バシャンのマナセの半部族から、十三の町がくじによってゲルション族のものに、

 

ゲルション族のものになった町々とその放牧地は、

《マナセの半部族から二つの町》

1) 殺意のない殺人者ののがれの町バシャンのゴランとその放牧地21:27

2) ベエシュテラとその放牧地…21:27

 

《イッサカル族から四つの町》

3) キシュヨンとその放牧地…21:28

4) ダベラテとその放牧地…21:28

5) ヤルムテとその放牧地…21:29

6) エン・ガニムとその放牧地…21:29

 

《アシェル族から四つの町》

7) ミシュアルとその放牧地…21:30

8) アブドンとその放牧地…21:30

9) ヘルカテとその放牧地…21:31

10) レホブとその放牧地…21:31

 

《ナフタリ族から三つの町》

11) 殺意のない殺人者ののがれの町、ガリラヤのケデシュとその放牧地21:32

12) ハモテ・ドルとその放牧地…21:32

13) カルタンとその放牧地…21:32

 

ヨシュア記21:7ールベン部族、ガド部族、ゼブルン部族から、十二の町がメラリ族の諸氏族のものになった。

 

メラリ族のものになった町々とその放牧地は、

《ゼブルン族から四つの町》

1) ヨクネアムとその放牧地…21:34

2) カルタとその放牧地…21:34

3) ディムナとその放牧地…21:35

4) ナハラルとその放牧地…21:35

 

《ルベン族から四つの町》

5) ベツェルとその放牧地…21:36

6) ヤハツとその放牧地…21:36

7) ケデモテとその放牧地…21:37

8) メファアテとその放牧地…21:37

 

《ガド族から四つの町》

9) 殺意のない殺人者ののがれの町ギルアデのラモテとその放牧地21:38

10) マハナイムとその放牧地…21:38

11) ヘシュボンとその放牧地…21:39

12) ヤゼルとその放牧地…21:39

 

 

ヨシュア記21:8~42は、各部族からの町のリスト

 上記《》参照

 

ヨシュア記21:43~45は、土地割り当ての結語

ヨシュア記21:44は、彼らの先祖たちに誓ったように、周囲の者から守って、彼らに安住を許された。すべての敵の中で、ひとりも彼らの前に立ちはだかる者はいなかった。はすべての敵を彼らの手に渡された。

 

*安住…ヘブル語:ヌオック。口語訳:安息。

ヘブル4:8~9ーもしヨシュアが彼らに安息を与えたのであったら、神はそのあとで別の日のことを話されることはなかったでしょう。

したがって、安息日の休みは、神の民のためにまだ残っているのです。

 

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ヨシュア記22:4 ー今すでに、あなたがたの神、は、あなたがたの同胞に約束したように、彼らに安住を許された。今、のしもべモーセがあなたがたに与えたヨルダン川の向こう側の所有地、あなたがたの天幕に引き返して行きなさい。

 

カナンの地の征服の目的をある程度達したので、ヨシュアはルベン人、ガド人、マナセの半部族をヨルダン川の東側の彼らの相続地に帰すことにしました。

 

ヨシュア記1:15ー主が、あなたがたと同様、あなたがたの同族にも安住の地を与え、彼らもまた、あなたがたの神、主が与えようとしておられる地を所有するようになったなら、あなたがたは、主のしもべモーセがあなたがたに与えたヨルダン川のこちら側、日の上る方にある、あなたがたの所有地に帰って、それを所有することができる。」

 

ヨシュア記22:5~6ーただのしもべ モーセが、あなたがたに命じた命令と律法をよく守り行ない、あなたがたの神、を愛し、そのすべての道に歩み、その命令を守って、主にすがり、心を尽くし、精神を尽くして、主に仕えなさい。

ヨシュアは彼らを祝福して去らせたので、彼らは自分たちの天幕に行った。

 

帰るにあたり、ヨシュアモーセの命令と律法をよく守り行なうように勧め、彼らに祝福を与えた。 

申命記6:5~6ー心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、を愛しなさい。 

私がきょう、あなたに命じるこれらのことばを、あなたの心に刻みなさい。

 

 ヨシュア記22:7~8ー--マナセの半部族には、モーセがすでにバシャンに所有地を与えていたが、他の半部族には、ヨシュアヨルダン川のこちら側、西のほうで、彼らの同胞といっしょに所有地を与えた--さらに、ヨシュアは彼らを天幕に送り返すとき、彼らを祝福して、

次のように彼らに言った。「あなたがたは多くの財宝と、おびただしい数の家畜と、銀、金、青銅、鉄、および多くの衣服とを持って天幕に帰りなさい。敵からの分捕り物はあなたがたの同胞と分け合いなさい。」

 

ヨセフの子マナセの半部族はヨルダン川を挟んで、東側と西側とを相続しました。

東側(現ヨルダン王国)はルベン族とガド族と、西側(現イスラエル)はほかの九部族とが割り当てられました。

敵からの分捕り物は、東西のマナセ族で分け合うようにとヨシュアは命じました。

 

ヨシュア記22:10ールベン族、ガド族、マナセの半部族は、カナンの地にあるヨルダン川のほとりの地に来たとき、そこ、ヨルダン川のそばに一つの祭壇を築いた。それは、大きくて、遠くから見える祭壇であった。

 

ヨルダン川の東側を割り当て地として相続した三部族は、一つの遠くから見えるほどの大きな祭壇を築きました。

22~29節を見ると、それは勝手にいけにえをささげるための祭壇ではなかったことがわかります。むしろ、自分たちもイスラエルの民であることを示すための祭壇のつもりだったことがわかります。

ヨシュア記22:28~29ーまた私たちは考えました。後になって、もし私たち、また私たちの子孫に、そのようなことが言われたとしても、そのとき、私たちはこう言うことができる。『私たちの先祖が造った主の祭壇の型を見よ。これは全焼のいけにえのためでもなく、またほかのいけにえのためでもなく、これは私たちとあなたがたとの間の証拠なのだ。』

私たちが、主の幕屋の前にある私たちの神、主の祭壇のほかに、全焼のいけにえや、穀物のささげ物や、他のいけにえをささげる祭壇を築いて、きょう、主に反逆し、主に従うことをやめるなど、絶対にそんなことはありません。

 

ヨシュア記22:11〜12イスラエル人はこういううわさを聞いた。「ルベン族、ガド族、およびマナセの半部族が、カナンの地の国境、ヨルダン川のほとりの地、イスラエル人に属する側で、一つの祭壇を築いた。」

イスラエル人がそれを聞いたとき、イスラエル人の全会衆は、シロに集まり、彼らといくさをするために上って行こうとした。

しかし、祭壇を築くということは、モーセの律法に違反していました。申命記12:5~14

 

そのため、西側の諸部族がこのことを聞いた時、東側の三部族がしたことを怒り、攻めて行くことを検討しました。

 

ヨシュア記22:14イスラエルの全部族の中から、一族につき族長一人ずつ、全部で十人の族長を彼と一緒に行かせた。これらはみな、イスラエルの分団の中で、父祖の家のかしらであった。

*彼…祭司エルアザルの子ピネハス

ピネハスと一緒に十人の族長たちを調査団として、ヨルダン川の東側の部族のところに送りました。彼らのメッセージは次のようなものでした。

 

ヨシュア記22:19ーもしもあなたがたの所有地がきよくないのなら、の幕屋の立つの所有地をに渡って来て、私たちの間に所有地を得なさい。私たちの神、の祭壇のほかに、自分たちのために祭壇を築いて、に反逆してはならない。またわたしたちに反逆してはならない。

 

その調査団に対し、東側の三部族は21~29節で、悪意がないことを説明します。

ヨシュア記22:21ーすると、ルベン族、ガド族、およびマナセの半部族は、イスラエルの分団のかしらたちに答えて言った。

 

ヨシュア記22:24~25ーしかし、事実、私たちがこのことをしたのは、次のことを恐れたからです。後になって、あなたがたの子らが私たちの子らに次のように言うかもしれないと思いました。『あなたがたと、イスラエルの神、主と何の関係があるのか。

主はヨルダン川を、私たちとあなたがた、ルベン族、ガド族との間の境界とされた。あなたがたはの中に分け前を持っていない。』こうして、あなたがたの子らが私たちの子らに、を恐れることをやめさせるかもしれません。

 

彼らがヨルダン川の東側に祭壇を築いた理由は、二つ。

ヨルダン川の東側のイスラエルの民は、ヨルダン川西側に住むイスラエルの民と無関係だと思われる日が来るかもしれない。

②西側のイスラエルの子孫たちが、東側のイスラエルの子孫たちにを恐れることをやめさせるかもしれない。

 

しかしこの祭壇があることにより

ヨシュア記22:28bー『私たちの先祖が造ったの祭壇の型を見よ。これは全勝のいけにえのためでもなく、またほかのいけにえのためでもなく、これは私たちとあなたがたとの間の証拠なのだ。』

と、子孫たちが言えるためだと。

そして29節で、「に反逆したり、に従うことをやめるなどということは絶対にない」と誓いました。

 

ヨシュア記22:30ー祭司ピネハス、および会衆の上に立つ族長たち、すなわち彼とともにいたイスラエルの分団のかしらたちは、ルベン族、ガド族、およびマナセ族が語ったことばを聞いて、それに満足した。

偵察団はこの説明を聞いて、満足しました。

 

ヨシュア記22:31そしてエルアザルの子の祭司ピネハスは、ルベン族、ガド族、およびマナセ族に言った。「きょう、私たちは主が私たちの中におられることを知った。あなたがたが主に対してこの不信の罪を犯さなかったからである。あなたがたは、今、イスラエル人をの手から救い出したのだ。」

 

イスラエル人を主の手から救い出したのだイスラエルの十三部族は、ヨルダン川の東と西に別れていても、アカンの罪の時のように連帯責任が問われる恐れがあったため。

ヨシュア記22:20ーゼラフの子アカンが、聖絶のもののことで罪を犯し、イスラエルの全会衆のうえに御怒りが下ったではないか。彼の不義によって死んだ者は彼ひとりではなかった。』」ヨシュア記7章

 

ヨシュア記22:34ーそれでルベン族とガド族は、その祭壇を「まことにこれは、私たちの間で、が神であるという証拠だ」と呼んだ。

この問題の双方の誤解がとけ、平和の神が働かれたと栄光をに帰しています。