サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

ヘブル人への手紙

新しい契約の承認 〜ヘブル 9:15~22〜

旧約聖書とは、神の選びの民イスラエルに与えられた『律法と預言書』から成り立っています。 この律法とは『モーセ契約』に基づいて、イスラエルの民になり与えられた613ある律法のことであり、『十戒』だけを指すのではありません。 この旧い『モーセ契…

ヘブル人への手紙 11:13~16 〜信仰の中で死ぬということ〜

信者と不信者の一番大きな違いとは何でしょう? 元気なうちは、どちらも幸せそうに見えるかもしれません。 自分のやりたい事をやり、好きな物を食べ、好きな音楽を聴き、行きたい所に行く…そのようなことができているうちは、どちらもハッピーでしょう。 大…

ヘブル人への手紙 11:11~12 〜サラの信仰〜

11~12節は、アブラハムの妻サラの信仰について記されています。 ヘブル11:11ー信仰によって、サラも、すでにその年を過ぎた身であるのに、子を宿す力を与えられました。彼女は約束してくださった方を真実な方と考えたからです。 *約束してくださった方を真…

ヘブル人への手紙 11:8~10 〜族長たちの信仰『アブラハム』〜

『信仰の父』と言われるアブラハムは、幾つもの点で信仰生活のすぐれた『例』を示しています。 神は、このアブラハムと契約を結ばれました。それが『アブラハム契約』であり、片務契約なので神だけが約束を守る責任を負っています。 『アブラハム契約』の条…

ヘブル人への手紙 11:7 〜族長前『ノアの信仰』〜

7節では、家族のために『箱舟』を造るという従順さを示したノアについて触れています。 ノアが箱舟を造った基にあるのは、神からの警告でした。 ノアが生きていた時代は、水は『下の水 = 海』と『上の水 ≠ 雲』であって、雨はまだ一度も降ったことがなかっ…

ヘブル人への手紙 11:5~6 〜族長前『エノクの信仰』〜

5~6節では、『神に喜ばれる人生』を通して、エノクの信仰が明らかにされています。 ヘブル11:5ー信仰によって、エノクは死を見ることのないように移されました。神に移されて、見えなくなりました。移される前に、彼は神に喜ばれていることが、あかしされ…

ヘブル人への手紙 11:4 〜族長前『アベルの信仰』〜

ヘブル書11章は、旧約聖書の義人たちの信仰をたくさん紹介し、受取人たち/読者たちを励ましています。 本来は11:4~7までが『イスラエルの族長前の時代の義人たち』として紹介されるべきですが、ひとりひとり『信仰の例え/モデル』として紹介されているので…

ヘブル人への手紙 11:1~3 〜信仰の忍耐力〜

ヘブル書11章には四つの観察があります。 ①著者のポイント…旧約の義人たちの信仰の歩みを例にあげ、迫害の苦しさにユダヤ教に回帰しようとしている受取人たちに『信仰から離れるということは、旧約の義人たちから離れるということだ』と説得。 ②どのように忍…

ヘブル人への手紙 10:32~39 〜励まし〜

ヘブル10:32ーあなたがたは、光に照らされて後、苦難に会いながら激しい戦いに耐えた初めのころを、思い起こしなさい。 *初めのころ…受取人たちが初めて信者になった頃のこと。初めて光に照らされた頃であり、初めて真実をとらえ、救われた頃のこと。 ヘブ…

ヘブル人への手紙 10:26~31 〜第四の警告〜

第四の警告は、少し厳しい内容になっています。 ここでは、故意に犯す罪の危険性に対する警告です。 ヘブル10:26ーもし私たちが、真理の知識を受けて後、ことさらに罪を犯し続けるならば、罪のためのいけにえは、もはや残されていません。 ヘブル書の著者が…

ヘブル人への手紙 10:19~25 〜勧告〜

ヘブル10:19からはこの書簡の第二部となります。 ここまでは、迫害に苦しむ中でキリスト教からユダヤ教に回帰しようとしていたヘブル書の受取人たちに、ユダヤ教の三本柱=『御使い・モーセ・レビ系祭司制度』という神学上の事柄について、御子との対比を語…

ヘブル人への手紙 10:15~18 〜新しい契約の制定〜

多くの異邦人信者は『新しい契約』は、神と教会とが結んだ契約だと考えています。 しかし、『新しい契約』は新約聖書の中で結ばれたものではなく、神とイスラエルの二つの家ー北イスラエル王国と南ユダ王国ーとの間で結ばれたものです。 旧い『モーセ契約』…

ヘブル人への手紙 10:11~14 〜現在のメシアの務め〜

初臨のイエスは『神の小羊』として十字架でご自分の血をもって、人類の罪を購ってくださいました。確かにその肉体は死に墓に葬られましたが、三日目に死者の中からよみがえられました。 昇天後〜現在、天で何をされているのかということについて、著者は地上…

ヘブル人への手紙 10:5~10 〜十分なメシアのいけにえ〜

著者は、ヘブル10:1~4で動物のいけにえの血ができなかったこと、5~10節でイエスの流された『神の小羊』としての血がしたこと(できたこと)を対比しています。 神様の御前に受け入れられるただ一つのいけにえは、完全な従順と信仰を持って来られる方によって…

ヘブル人への手紙 10:1~4 〜律法によるささげ物の不十分さ〜

著者は1~4節で、律法には『出来ないことがあった』ため、律法によるささげ物はおそらく『不十分に作られていた』と述べています。 ヘブル10:1ー律法には、後に来るすばらしいものの影はあっても、その実物はないのですから、律法は、年ごとに絶えずささげら…

ヘブル人への手紙 9:23~28 〜新しい幕屋での務め〜

メシアのいけにえの結果の三つ目は、『新しい幕屋でのメシアの務め』です。 前のセクションで著者は、罪の赦しときよめのために血を用いるということを中心に語ってきました。ここでは、神に近づく方法の備えとして、更に詳しく語っています。 著者は、モー…

ヘブル人への手紙 9:13~14 〜メシアの贖いの死の結果〜

『神の小羊』としてのメシアの贖いの死は、三つの結果をもたらしました。 ①きよめ …旧約聖書の背景は、レビ記16章と民数記19章 ヘブル9:13ーもし、やぎと雄牛の血、また雌牛の灰を汚れた人々に注ぎかけると、それが聖めの働きをして肉体をきよいものにすると…

ヘブル人への手紙 9:11~12 〜メシアのいけにえの優位性〜

旧約の律法に基づく動物のいけにえに比べ、神の小羊としてのメシアのいけにえの方が優れていることを、三つの点で著者は示しています。 11節は、最初の優位性として『キリストの祭司の務め』について述べています。 ヘブル9:11ーしかしキリストは、すでに成…

ヘブル人への手紙 9:8~10 〜地上の聖職者の務めの限界〜

神とレビ的祭儀制度の繋ぎ役は『聖霊』です。 しかし、律法の時代におけるレビ的祭儀制度の役割には、限界があったことを聖霊が三つ教えています。 ヘブル9:8ーこれによって聖霊は次のことを示しておられます。すなわち、前の幕屋が存続しているかぎり、まこ…

ヘブル人への手紙 9:6~7 〜聖職者の務め〜

旧約の律法に基づく『幕屋』は、三位一体の神を表わす『型』となっています。 入口を入ってすぐの部屋は『聖所』と呼ばれる部屋があり、右手には『備えのパンの机』がありました。 『いのちのパン』である御子イエスの『型』です。 ヨハネ6:35-イエスは言わ…

ヘブル人への手紙 9:1~5 〜幕屋の備品〜

ヘブル9:1ー初めの契約にも礼拝の規定と地上の聖所とがありました。 *初めの契約…『モーセ契約』のこと。 *礼拝の規定と地上の聖所… たとえそれらが人によって作られた、地上の不完全なものだったとしても、それらは『教育ツール』として価値のあるもので…

ヘブル人への手紙 8:7~13 〜新しい契約の優位性の証明〜

多くの異邦人信者は、『新しい契約は父なる神と人とが結んだもので、キリストがこの契約の仲介者』だと理解されてきたと思います。 が、『新しい契約』は、父なる神と『イスラエルの二つの家=北イスラエルと南ユダ』の間で結んだものであり、『アブラハム契…

ヘブル人への手紙 8:1~6 〜より優れた約束〜

神が結ばれた『八つの契約』の中で、『エデン契約』と『モーセ契約』だけが条件付き契約でした。 『エデン契約』では、「善悪の知識の木の実を食べるその時、必ず死ぬ」と言われていたのに、蛇にそそのかされたエバは食べ、一緒にいた夫アダムにも与えた結果…

へブル人への手紙 7:26~28 〜結論〜

へブル7章の最後の3節は、イエスがどのような祭司であるかを的確に教えています。 ヘブル7:26ーまた、このようにきよく、悪も汚れもなく、罪人から離れ、また、天よりも高くされた大祭司こそ、私たちにとってまさに必要な方です。 *天…原文は複数形、『も…

ヘブル人への手紙 7:20~25 〜イエスの祭司職〜

聖書では『油そそぎ』を受ける職務が三つあります。 『王』『祭司』『預言者』ですが、その中でイスラエルのどの部族からでもなることができたのは『預言者』だけです。ダニエル、ゼパニヤはユダ族、エレミヤやエゼキエルはレビ族であり、預言者はまた男性だ…

ヘブル人への手紙 7:11~19 〜交代制の旧い祭司制度〜

ここまで、①メルキゼデクとイエス、②メルキゼデクとアロンを比較してきました。 そしてここでは、三つ目として『レビ系祭司職と祭司としてのイエス』を比較しています。 ポイントは、レビ系祭司職がなぜ完全に到達できなかったのか、また、完全に到達できな…

ヘブル人への手紙 7:4~10 〜メルキゼデクとアロンの規律との比較〜

まだ、モーセの律法が与えられる前の時代、しかもカナン人の王朝の名前を持つ『メルキゼデク』は系図の必要のない王であり祭司でした。 しかし、アロンの場合は弟モーセを通して与えられた『律法』があり、イスラエルの祭司になるには『レビ族』であることが…

ヘブル人への手紙 7:1~3 〜メルキゼデクとイエス〜

著者は、ヘブル5:10~11で一度メルキゼデクに触れていますが、それは受取人/読者たちにとっては『堅い食物』であったため、一旦横に置いて『信仰的に成長するように』と促しました。 ヘブル5:10~11ー神によって、メルキゼデクの位に等しい大祭司ととなえられ…

ヘブル人への手紙 6:9~20 〜救いの確実性〜

キリストの福音ー福音の三要素ーを信じて信仰告白した者は、たましいの救いをすでに受けています。 osusowake.hatenablog.com しかし、たましいが現在の肉体と共にある間は、この世にあって苦難があります。 人間は元々原罪により自己中心的な存在ですから、…

ヘブル人への手紙 6:1~8 〜前進の必要性〜

キリストの福音を受け入れ、信仰告白をした者は、たましいの救いを得ています。 【キリストの福音】 1コリント15:3~5ー私があなたがたに最もたいせつなこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。キリストは、聖書の示すとおりに、私た…