神さまが結ばれた最初の契約 〜エデンの契約〜。
条件付契約ー創世記1:28, 2:15~17, ホセア書6:7
契約の当事者:神と人類代表としてのアダム
当時の人口:ふたり
さて、創世記2:4〜からは、再び天と地が造られた時に戻り、詳細が語られています。聖書は必ずしも時系列に書かれているわけではないのでご注意を!
【補足】創世記1:7ー大空の下にある水…海。
大空の上にある水…「雲」と考えがちですが、
“創世記7:11bー巨大な大いなる水の源が、ことごとく張り裂け、天の水門が開かれた”とある「水の 源」のこと。
(↓こんな感じかな…? 天の水門が開かれ、『上の水』がなくなったのが、現在の地球。)
神さまが「大空の上の水」に分けられた「水の源」がことごとく張り裂け、天の水門は開かれて、ノアの洪水が起こったのです。
聖書はやっぱりすごいな〜!と改めて神さまの知恵に驚きです。
創世記2:7〜「第6日目」の人間の創造の詳細が語られています。
創2:7ー土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。…cf 詩篇104:30ー「息」と「御霊」は同じ原語。つまり、土地のちりで人のからだを造り、その鼻にいのちの御霊を吹き込まれたという意味。そこで人は生きものとなった。
肉体だけでなく、その人の内側に御霊が宿って初めて、神の目から「生きものとなった」と見ていただけるということです。内側に御霊を宿してない人は「生きもの」とはなっていない「霊的死人」ということです。
ルカ9:60ーすると彼に言われた。「死人たちに彼らの中の死人たちを葬らせなさい。あなたは出て行って、神の国をいい広めなさい。」
*「肉体が死んだ者の葬儀は、たましいが死んだ状態の者たちに任せ、たましいが “生きる者” となったあなたは、伝道しなさい」という意味。
伝道者の書12:7ーちりはもとあった地に帰り、霊はこれを下さった神に帰る。
*土を構成している元素と人間のからだを構成している元素とは同一。
人はいつか死を迎えます。それがいつかは誰も知りません。
あなたの霊(魂)は、神の元に帰った時受け入れられますか?
そこには御霊が宿られていますか?
神の国に住民票を持つ(いのちの書に名が書かれている)者は、幸いです。
創2:8ー東の方エデンに園を設け…神のめぐみと祝福により豊かに草木が生える場所。神と人とが親しい交わりを持つ場所。
後に幕屋となり、神殿となり、信者一人一人のからだが神の宮となる。 幕屋・神殿同様出入り口は東側。エデンの東=神の祝福の外の意。
創2:9ーエデンの園には「見るからに好ましく、食べるのに良いすべての木を生え」ていました。美味しそうな実を付けるたくさんの木があったことが分かります。
*そして、園の「中央には二本の木(いのちの木と善悪の知識の木)とを生えさせた」とあります。
創世記2:10~14ーエデンの園がどこにあったのかが示されています。
*一つの川がこの園を潤すため、エデンから出ており…草木を生かし、人を生かす「命の川」。
*エデンから分かれた四つの源のうち、第三の川の名は、ヒデケル、今のティグリス川。第四の川はユーフラテス川で、メソポタミヤの両岸地帯です。
*神は人をエデンの園に置き、そこを耕させ、そこを守らせた…墮天使となったケルブ(サタン)の代わりに、最初の人アダムにエデンの管理を任されました。
そこでの労働は軽く、収穫は多かったことが創3:17~18から分かります。
神さまの最初のご計画は、アダムとその子孫によってエデンの園を広げていくことだったのです。
しかし、アダムとエバは罪を犯し、園を追放され、人は園に戻れなくなりました。
その回復が、後に来る「千年王国」です。
それは、神様の壮大なご計画の中にあります。そこに入れるのは、「神の子ども」とされた者たちです。
創世記2:15~17ーこれは、創世記1:26~31と合わせて、神さまが結ばれた最初の契約「エデン契約」です。アダムは、「全人類の代表として契約の当事者」になっています。そのため、アダムの行為は全人類に影響を及ぼすのです。
【エデン契約の条項】
⑴創世記1:28aー生めよ。増えよ。地を満たせ。
*神さまが直接造られたのは最初の男女:アダムとエバのみ。
その後は自然増殖を望まれました。本当は、神が人間のために用意された『エデンの園』でのはずでした。
⑵創世記1:28bー地を支配せよ。
*物質世界を管理すること。(この権利はもともとサタンになる前のケルブ「天使界のトップ」に与えられていました。ーエゼキエル28:11~19)
神の裁きは、その裁かれる者が支配していたものも含めて裁かれます。ですから、自然界の『エデンの園』の管理を任されたアダムが罪を犯したときに、その支配下にあった『土地』が呪われてしまったのです。
*聖書の原則:神の裁きは、常に罪の結果。
その裁かれる者が支配していたものも含めて裁かれます。
創世記3:17~18ーまた、人に仰せられた。
「あなたが、妻の声に聞き従い、
食べてはならないと
わたしが命じておいた木から食べたので、
土地は、あなたのゆえにのろわれてしまった。
あなたは、一生、
苦しんで食を得なければならない。
土地は、あなたのために、
いばらとあざみを生えさせ、
あなたは、野の草を食べなければならない。
⑶創世記1:28cーすべての生き物を支配せよ。
*人間に動物世界を支配する権威が与えられました。
名前を付けるということは、その人が相手に権威を有しているということです。
生まれた子どもに名前をつけるのは、親としての最初の権威ある仕事かもしれませんね。
⑷創世記1:29~30, 2:16ー人間の食生活に関して。ここでは100%菜食(草食)の時代です。
*肉を食べるということは、動物の命を殺すことです。
アダムの罪以前は、死ぬことのない神様に似せて人は造られたので、死ぬということは不可能だったのです。
⑸創世記2:15ー労働に関して。
*エデンの園を守り整えるようにとの指示が出されました。働くことは、人間の創造の秩序の一部でした。そしてその労働は苦痛ではありませんでした。
神様ご自身も働いておられます。
ヨハネ5:17ーイエスは彼らに答えられた。「わたしの父は今に至るまで働いておられます。ですからわたしも働いているのです。」
ヨハネ6:44ーわたしを遣わした父が引き寄せられないかぎり、だれもわたしのところにくることはできません。わたしは終わりの日にその人をよみがえらせます。
⑹創世記2:17aー「善悪の知識の木」から食べることを禁じられた。
*人が神のみこころにどのように応答するかの条項。自由意志が与えられていました。の時点のアダムはまだ「栄化」された状態ではなく、「無垢」の状態でした。
伝道していると時々「なぜ、神は食べてはいけないものを、わざわざエデンの園に置かれたのか?」という質問を受けますよね!?
それは、アダムとエバが『神を神として生活するか』を試す、信仰(神との信頼関係、従順)のテストだったのではないかと思います。
善悪の知識の木の実を取って食べようと思えばできる環境にありながら、神の命令を守る(神を神とする)がゆえに、『取って食べない』という決断を日々することを、神は求めておられたのだと思います。
私たちもある意味、同じ信仰のテストを日々受けているんですよね〜。
⑺創世記2:17bー不従順の罪に対する罰は「死」。
*ここでの「死」は「霊的な死」です。肉体的な死ではなく「神から切り離される」ということです。
創世記2:7ー神である主は土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで人は生きものとなった。
アダムは最初に造られたとき、 鼻から『いのちの息』を入れられ『生きもの』となりました。この『いのちの息(御霊)』が、アダムから去られたのです。
*エデン契約は、まだ人類が罪を犯す前の「無垢の時代」の土台となるものです。
アダムは最初に造られた「神の子ールカ3:38」として、この神の契約のことばを妻や子孫に伝えるという役目がありました。
私たちクリスチャンは、今を生きる「神の子どもーヨハネ1:12」として、「神のことばである御子イエスーヨハネ1:14」を宣べ伝えるのです。
では、アダムが伝えるべき神のことばの内容を見てみましょう。
16節ー肯定的命令…「あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい」そのために神は、「見るからに好ましく食べるのに良いすべての木を生えさせたー9節」のです。
17節ー否定的命令…「善悪の知識の木からは取って食べてはならない」
ただ「だめだよ」と否定命令をするのではなく、神はその理由をちゃんと説明されてます。子育てをする時、部下を指導する時、私たちも何故かという理由をきちんと説明できる者でありたいものです。
さて、神が「善悪の知識の木からは取って食べてはならない」と言われた理由は、「それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ」からだというものでした。
神さまが「食べてはならない木ー善悪の知識の木」をエデンの園に置かれたのは、人が「神を神として、神の命令に従うかを確認するため」でした。
園での唯一の法律であり、違反すれば『死』でした。
「エデン契約」は「善悪の知識の木の実を食べたら、必ず死ぬ」という『条件付きの契約』でした。
創2:18ー*その後、アダムにふさわしい「助け手」を造ろう、と神は仰せられました。
創2:19〜20ーここで、神が造られたあらゆる動物がアダムのもとに連れて来られ、彼がどんな名を付けるか見られました。
これは創1:28ー「生きものを支配せよ」の故です。
創1:20ー家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたものの、人には「ふさわしい助け手」が見あたらなかったのは、なぜでしょう?
動物の創造は「それぞれその種類に従って」であり「神のかたちに似せて造られた人」とは違います。人には「鼻からいのちの息(御霊)が吹き込まれ」ましたが、動物には吹き込まれていないからです。
創1:21ーそこで神は、アダムを深い眠りにつかせ、あばら骨の一つを取られました。
神による最初の手術みたいですね。
創2:22ーアダムから取ったあばら骨で、神は一人の女性を造られ、アダムのところへ連れて来られました。
なぜあばら骨なのでしょう?
アダムの頭の骨からなら、“かかぁ天下”に、足の骨からなら、女性は“足蹴”にされていたかもしれません。あばら骨は横に立ち、神の御前での平等を表すと聞いたことがあります。お互い支え合い、助け合いを意味するのでしょう。ふさわしい助け手ですから。
(異端を含む)ある人々は、アダムが造られてからエバが造られるまで、数日のズレがあるといいます。進化論の影響なのかもしれません。しかし、聖書は「進化論」ではなく「創造論」です。
*彼らは同じ日に造られたことが、聖書にははっきり書かれています。
cf 創5:2ー男と女に彼らを創造された。彼らが創造された日に、神は彼らを祝福して、その名をアダムと呼ばれた。
創2:23ー私の骨からの骨。私の肉からの肉。「第二の自分」という意味です。
最初の人、アダムは土地のちりから、エバはアダムのあばら骨から…男性と女性は、素材が違うのね♡と思ってしまいます(笑)
創2:24ーそれゆえ、男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。 これは、結婚の基本です。男性は、経済的にも精神的にも両親から自立することが重要です。この点が出来てないと、結婚生活はうまくいきません。
妻と結び合い…ヘブル語:ダバク。ギリシャ語:コラオ。ともに「接着する。しがみつく。熔接される」の意。
創2:25ー神が造られた状態「非常によかったー創1:31」ため、人とその妻は、ふたりとも裸であっても互いに恥ずかしいとは思わなかったのです。神に造られた姿そのままでいられたのです。またエデンの園が、快適な場所だったことが分かります。
神さまはご自身がそうであるように、人とも「愛の関係」「信頼関係」を求めておられました。アダムとエバは裏切ってしまいましたが、神さまは今でも人とのその関係を求めておられます…神の招き。
*その関係を結ぶか否かは、人間の応答にかかっています…人間側の決心。
あなたは、どうしますか?