サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

八つの契約 8)新しい契約

さて、いよいよ八つの契約も最後の1つとなりました。

「新しい契約」と聞くとすぐに「新約?!」と思ってしまいますが、全て旧約聖書内で結ばれています

 では、キリストはこの『新しい契約』にどのような関わりがあるのでしょうか…? 

【新しい契約】*無条件契約

新しい契約に言及している代表的な聖句は…エレミヤ書31:31~34です。

 

神が結ばれた八つの契約のうち、最初の三つを除き、すべてイスラエルとの契約です。

*教会や異邦人と結んだ契約は、一つもありません。

 

エレミヤ31:31ー見よ。その日が来る。ーの御告げーその日、私は、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。

 

*この契約はイスラエルの二つの家(北イスラエル王国と南ユダ王国)と結んだ無条件契約です。

 

*新しい契約…「新しい」ということは、何かに対して新しいということ。それは、32節に書かれています。

 

エレミヤ31:32ーその契約は、わたしが彼らの先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。

つまりモーセ契約に対して新しい契約と言っており、モーセ契約(律法)を広く解釈したり、最更新したものではなく、モーセ契約に代わるものとして結ばれたのです。

 

その理由を、こう述べています。

わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。

 

*613ある律法は、全て守る必要があったのです。

ヤコブ2:10~11ー律法全体を守っても、一つの点でつまずくなら、その人はすべてを犯した者となったのです。

なぜなら、「姦淫したはならない。」と言われた方は、姦淫しなくても人殺しをすれば、あなたはりっぽうの違反者となったのです。

 

ですから、神は律法を与えられた民と「新しい契約」として新たにイスラエルと契約を結ばれたのです。

律法を持たない異邦人と結ばれたのではありません。

 

旧約の預言書も新約ではパウロも『新しい契約』に言及しています。

イザヤ55:3ーダビデへの変わらない愛の契約。

イザヤ59:21ー彼らと結ぶわたしの契約。

イザヤ61:8ーとこしえの契約を彼らと結ぶ。

イザヤ61:9ー主に祝福された子孫。

エレミヤ32:40ー彼らととこしえの契約を結ぶ。

エゼキエル16:60ーとこしえの契約。

エゼキエル34:25~31, 37:26~28ー平和の契約。

ローマ11:26~27ー彼らに与えたわたしの契約。

 

《新しい契約の条項》

1)イスラエルの霊的回復を約束しています。

エレミヤ31:33ー彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶはこうだ。ー主の御告げ。ーわたしはわたしの律法を律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。

 

イザヤ59:21ー「これは、彼らと結ぶわたしの契約である。」と主は仰せられる。

「あなたの上にあるわたしの霊、

わたしがあなたの口に置いたわたしのことばは、あなたの口からも、あなたの子孫の口からも、すえのすえの口からも、

今よりとこしえに離れない。」と主は仰せられる。

 

この新しい契約の鍵となるのは、「救いの祝福」であると同時に、イスラエルが国家的に救われるという約束を含んだものです。私たちはこの点を見落としてしまいがちです。

 

ローマ11:26~27ーこうして、イスラエルはみな救われる、ということです。こう書かれているとおりです。

「救う者がシオンから出て、ヤコブから不敬虔を取り払う

これこそ彼らに与えたわたしの契約である。それは、わたしが彼らの罪を取り除く時である。

 

これが成就するのが、患難時代の終わりの最後の三日間であり、それは『ハルマゲドンの戦い』との絡みの中で起こる出来事です。

 

2)イスラエルの霊的回復は、すべてのユダヤ人を含みます。

*すべてのユダヤイスラエル民族として、患難時代を生き延びた1/3のレムナント全員ということです。

 

イザヤ61:9ー彼らの子孫は国々のうちで、

彼らのすえは国々の民のうちで知れ渡る。

彼らを見る者はみな、

彼らが主に祝福された子孫であることを認める。

 

「御国の時代(千年王国)」においては、救われていないユダヤ人はいません。新しく生まれてくるユダヤ人もみな神を信じる者となります。

 

千年王国では、「未信者」というのは、患難時代を生き延び、マタイ25:31~にある『羊と山羊の裁き』で羊組になった異邦人から生まれてくる子孫だけになります。

教会時代の信者である私たちは、携挙の時にすでに復活のからだになり、復活のからだで千年王国に入ります。

 

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この『新しい契約』がもたらす中心的祝福は「救い」です。

 

エレミヤ31:34ーそのようにして、人々はもはや『主を知れ』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。ー主の御告げ。ーわたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪をニ度と思い出さないからだ。」

 

3)罪の赦しが約束されています。

新しい契約は、モーセ契約(律法)ができなかったことを実現します。

モーセ契約での動物の犠牲は、イスラエルの罪を覆うだけであり、罪によっては贖いの動物の規定がなく、罪を犯した本人が自らの命をもって償うしかありませんでした。

また、動物の血は罪を取り除くことはできなかったので、罪を犯す度に繰り返しいけにえをささげました。

しかし、新しい契約は、神の小羊としての御子の血により、実際にその罪を取り去るものであり、その赦しが及ばない罪は一つもなく、信じるすべての者を救いに導くことができる祝福なのです。 エレミヤ31:34b

 

4)聖霊の内住が約束されています。

エゼキエル36:27ーわたしの霊をあなたがたのうちに授け、わたしのおきてに従って歩ませ、わたしの定めを守り行なわせる。エレミヤ31:33。

 

モーセの律法は、神の義がどれほどの標準であるかを示し、人の努力では到達できないものであることを示しました。神の基準に足りないこと…それが『罪』なのです。

律法は、神の基準に到達するために必要な力を提供することはありませんでした。

新約では神の義とされる生活を行なうための力が、信者に内住される聖霊によって与えられるようになりました。

 

本当に、教会時代はキャンペーン期間中と言えるほど、神の祝福にあふれているのです。

新しい契約が結ばれるまでの旧約時代、聖霊の働きは、特定の仕事を行なうために一時的に人に留まることはありましたが、仕事を終えると御父のもとへ帰られました。ですから、ダビデはこう祈ったのです。

詩篇51:11ー私をあなたの御前から、投げ捨てず、あなたの聖霊を、私から取り去らないでください。

 

新しい契約で聖霊は、私たちすべての信者の心に内住され、取り去られることはありません。これは新しい契約がもたらす祝福です。

ヨハネ14:16~17ーわたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。

その方は、真理の御霊です。世はその方を見もせず、知りもしないからです。しかし、あなたがたはその方を知っています。その方はあなたがたとともに住み、あなたがたのうちにおられるからです。

 

5)イスラエルに物質的な祝福が惜しみなく与えられます。

エレミヤ32:41ーわたしは彼らを幸福にして、彼らをわたしの喜びとし、真実をもって、心を尽くし思いを尽くして、彼らをこの国に植えよう。

 

モーセ契約では、従順であれば物質的祝福がありました。

新しい契約では、無条件に物質的祝福が与えられます。

 

6)聖所が再建されます

エゼキエル37:26~28ーわたしは彼らと平和の契約を結ぶ。これは彼らとのとこしえの契約となる。わたしは彼らをかばい、彼らをふやし、わたしの聖所を彼らのうちに永遠に置く。

わたしの住まいは彼らとともにあり、わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。 

わたしの聖所が永遠に彼らのうちにあるとき、諸国の民は、わたしがイスラエルを聖別する主であることを知ろう。

 

モーセが「幕屋」を建てるためのベースとなりました。

ダビデが「第一神殿 Ⅱ歴代誌8:1)」「第二神殿エズラ記3:2)」を建てるためのベースとなりました。

同じように、新しい契約が(ユダヤ人にとっての)御国の時代(*異邦人にとっては千年王国)における第四神殿の土台となります。

 

エルサレムに神殿が無い今、御霊が内住される信者のからだが『宮』だと聖書は述べています。

1コリント6:19ーあなたがたのからだは、あなたがたのうちに住まわれる、神から受けた聖霊の宮であり、あなたがたは、もはや自分自身のものでないことを、知らないのですか。

 

患難時代に建っている「第三神殿」では、前半の3年半の間は、旧約時代と同じように動物の犠牲を捧げるようになりますが、それは神が終わらせたはずのモーセ契約(律法)の基づくもので、メシアを未だに待ち続けるものです。

つまり、不信仰によるささげものです。

 

また後半の3年半には、復活した反キリストが自分の座を高くあげ、獣の像を造ってそれを拝むように命じます。拝まないものはみな、殺されることになります。この時点でキリストを信じるに至った患難時代の信者たちとメシアを信じてはいなくても、モーセの律法に従って生きているユダヤ人たちは、獣の像を拝むことはしないので、迫害によって多くのものがいのちを落としていくのです。

 

*患難時代にある「第三神殿」は、神に喜ばれるものではありません。

 

メシア的王国(千年王国)で建てられる「第四神殿」でも、動物の犠牲は捧げられます。詳しくは、黙示録20章で学ぶことになりますが、それはイスラエルがメシアである御子イエスの救いのみわざを思い出すためのものです。

 

神さまがイスラエルと結ばれた最後の契約「新しい契約」は、アブラハム契約の「祝福」に関する条項を発展させたものであり、無条件契約で現在も有効です。

 

エレミヤによれば、新しい契約は「神がイスラエルの二つの家(ユダとイスラエル)と結ばれたもの」ですが、教会と結びつけている聖句もたくさんあります。

なぜなら、『教会』とは、御霊の内住するユダヤ人信者と異邦人信者が共に建て上げるものだからです。

エペソ2:18~19ー私たちは、このキリストによって、両者ともに一つの御霊において、父のみもとに近づくことができるのです。

こういうわけで、あなたがたは、のはや他国人でも寄留者でもなく、今は生徒たちと同じ国民であり、神の家族なのです。 

 

マルコ14:24ーイエスは彼らに言われた。「これはわたしの契約の血です。多くのひとのために流されるものです。 

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ルカ22:14~20ーさて時間になって、イエスは食卓に着かれ、使徒たちもイエスといっしょに席に着いた。

イエスは言われた。「わたしは、苦しみを受ける前に、あなたがたといっしょに、この過越の食事をすることをどんなに望んでいたことか。

あなたがたに言いますが、過越が神の国において成就するまでは、わたしはもはや二度と過越の食事をすることはありません。」

そしてイエスは、杯を取り、感謝をささげて後、言われた。「これを取って、互いに分けて飲みなさい。

あなたがたに言いますが、今から、神の国が来る時までは、わたしはもはや、ぶどうの実で造った物を飲むことはありません。」

それから、パンを取り、感謝をささげてから、裂いて、弟子たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与える、わたしのからだです。わたしを覚えてこれを行ないなさい

食事の後、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流されるわたしの血による新しい契約です。

 

1コリント11:25ー夕食の後、杯をも同じようにして言われました。「この杯は、わたしの血による新しい契約です。これを飲むたびに、わたしを覚えて、これを行ないなさい。」

 

Ⅱコリント3:6ー神は私たちに、新しい契約に仕える者となる資格を下さいました。文字に仕える者ではなく、御霊に仕える者です。文字は殺し、御霊は生かすからです。

 

ヘブル7:22ーそのようにして、イエスは、さらにすぐれた契約の保証となられたのです。

 *さらにすぐれた契約モーセ契約に比べて、さらにすぐれた『新しい契約』の意。

モーセ契約は雄牛の血を祭壇とイスラエルの民に注ぎかけて承認されたように、新しい契約もイエスの神の小羊としての血によって承認されたのです。

 

ヘブル9:15ーこういうわけで、キリストは新しい契約の仲介者です。それは、初めの契約のときの違反を贖うための死が実現したので、召された者たちが永遠の資産の約束を受けることができるためなのです。

 

ヘブル10:16ー「それらの日の後、わたしが、

彼らと結ぼうとしている契約は、これであると、主は言われる。

わたしは、わたしの律法を彼らの心に置き、彼らの思いに書きつける。」

 

ヘブル10:29ーまして、神の御子を踏みつけ、自分を聖なるものとした契約の血を汚れたものとみなし、恵みの御霊を侮る者は、どんなに重い処罰に値するか、考えてみなさい。

 

ヘブル13:20~21永遠の契約の血による羊の大牧者、私たちの主イエスを死者の中から導き出された平和の神が、

イエス・キリストにより、御前でみこころにかなうことを私たちのうちに行ない、あなたがたがみこころを行なうことができるために、すべての良いことについて、あなたがたを完全な者としてくださいますように。どうか、キリストに栄光が世々限りなくありますように。アーメン。

 

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