偽りの地図だけを見たら領土縮小を続けているパレスチナに同情がいき、『反イスラエル』の思想へと傾くでしょう。
しかし現実は、パレスチナという国があったことは歴史的に一度もなく、パレスチナ人はいません。彼らはアラブ人です。
そしてあの土地は歴史的には、BC1400~AD70年まではイスラエルだったことを忘れてはいけません。
不信仰によりメシアを拒否した結果、AD70年にローマ軍によって国を追われたユダヤ人は離散の民となり、そこに近隣のアラブ人が住み着いたのです。
『土地の所有権』がユダヤ人から剥奪されたわけではありません。
土地の所有権と居住権を区別する必要があります。
【一度目の帰還】
1948年5月14日、イスラエル国家再建。
AD70年に、ローマ軍により国が崩壊してから1878後のこと。
現在、世界中の80~90カ国からユダヤ人は、イスラエルに帰還しています。
一度滅びた国が同じ場所に同じ国名で再建したのは、歴史上『イスラエル』だけ…そのことに霊の目を留めた時、イザヤ書を思います。
イザヤ11:11~12ーその日、主は再び御手を伸ばし、
ご自分の民の残りを買い取られる。
残っている者をアッシリヤ、エジプト、
パテロス、クシュ、エラム、
シヌアル、ハマテ、海の島々から買い取られる。
主は、国々のために旗を揚げ、
イスラエルの散らされた者を取り集め、
ユダの追い散らされた者を
地の四隅から集められる。
旧約時代はイスラエルの民が、神に忠実だと所有する土地も拡大され、逆に不信仰に陥ると土地は縮小されたり、捕囚の民となり土地を失いました。
Ⅱ 列王記17:22~23ー北イスラエル王国のアッシリヤ捕囚の原因
Ⅱ 列王記21:11~15, エレミヤ書44:20~23ー南ユダ王国のバビロン捕囚の二つの原因
マタイ12:22~28, 27:24~25ーAD70年の世界離散の原因
一度目の帰還は、契約の民の不信仰な状態での帰還を意味します。
イスラエルの国が再建しても、現在帰還するユダヤ人はまだ民族としてメシアに立ち返っていません。
イスラエルは民族として『神の初子/長子』ですから、祝福も責任も裁きも二倍です。
個々のユダヤ人の救いは、私たち異邦人と同じく『恵みにより、メシアを信じる信仰によって』です。しかし、彼らは『神の選びの民』として、民族的に救われる必要があります。
現在、個人的に救われたメシアニックジューは起こされていますが、民族として相変わらず不信仰な状態なのです。
そのため、神がアブラハムに約束された土地すべてをまだ所有してはいません。
未だに、メシアとして来られたイエスを拒み続けるイスラエルの民は、これから来る『七年間の患難時代 』を通過させられるために、今欧州を中心に世界中から集められているのです。
彼らは再び、患難時代の中間に迫害によって散らされると、ダニエルの預言を引用して主イエスも言われました。
ダニエル9:27ー彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。
マタイ24:15~16ーそれゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)
そのときは、ユダヤにいる人々は山へ逃げなさい。
その『山』とは、エドム人の地 ボツラ(現在のヨルダン、ペトラ)です。
イザヤ34:5~6ー天ではわたしの剣に血がしみ込んでいる。
見よ。これがエドムの上に下り、
わたしが聖絶すると定めた民の上に下るからだ。
主の剣は血で満ち、脂肪で肥えている。
子羊ややぎの血と、
雄羊の腎臓の脂肪で肥えている。
主がボツラでいけにえをほふり、
エドムの地で大虐殺をされるからだ。
イザヤ63:1ー「エドムから来る者、
ボツラから深紅の衣を着て来るこの者は、だれか。
その着物には威光があり、
大いなる力をもって進んで来るこの者は。」
「正義を語り、
救うに力強い者、それがわたしだ。」
これらの預言は、患難時代の終わりに起こる『ハルマゲドンの戦い』に関係しています。
患難時代の裁きを通して、神はメシアを拒み続ける頑ななイスラエルの民を除き、レムナントとしてメシアを信じる約束の民を『御国=千年王国』に導き入れられるのです。
彼らの民族的悔い改めが起こるのが、キリストの再臨の条件であり、イザヤは再臨のキリストが彼らの敵を滅ぼすと預言しているのです。
その時敵が流す血は、馬のくつわに届くほど、300kmにも及ぶと聖書は言っています。
cf 黙示録14:20ーその酒ぶねは都の外で踏まれたが、血は、その酒ぶねから流れ出て、馬のくつわに届くほどになり、千六百スタディオン(約300km)に広がった。
現在、イスラエルに帰還しているユダヤ人の殆どが、イエスをメシア(キリスト)として信じてはいません。つまり『不信仰による帰還』となっているのです。では、なぜ『不信仰による帰還』が起こっているのでしょうか…?
エゼキエル20:33~38ーわたしは生きている、ー神である主の御告げ。ーわたしは憤りを注ぎ、力強い手と伸ばした腕をもって、必ずあなたがたを治める。
わたしは、力強い手と伸ばした腕、注ぎ出る憤りをもって、あなたがたを国々の民の中から連れ出し、その散らされている国々からあなたがたを集める。
わたしはあなたがたを国々の民の荒野に連れて行き、そこで顔と顔を合わせて、あなたがたをさばく。ー神である主の御告げ。ー
わたしはまた、あなたがたにむちの下を通らせ、あなたがたと契約を結び、
あなたがたのうちから、わたしにそむく反逆者を、えり分ける。わたしは彼らをその寄留している地から連れ出すが、彼らはイスラエルの地にはいることはできない。あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
第二次世界大戦時、ナチスによる『ホロコースト』を通して、当時のユダヤ人の1/3に当たる600万人が殺されました。『ホロコースト』によって、『イスラエル国家誕生』という世界情勢が造られたのです。それが33~34節の内容です。
しかし、神の目的は現在のイスラエル国家建設ではなく、『メシアによる王国』です。現在イスラエルにいるユダヤ人は、イエスを『メシア』だと信じていませんから、再び『七年間の患難時代(特に後半の3年半)』を通して、神の御怒りが注がれることになります。
ゼカリヤ13:8~9ー全地はこうなる。
ー主の御告げ。ー
その三分のニは断たれ、死に絶え、
三分の一がそこに残る。
わたしは、その三分の一を火の中に入れ、
銀を練るように彼らを練り、
金をためすように彼らをためす。
彼らは私の名を呼び、
わたしは彼らに答える。
わたしは「これはわたしの民。」と言い、
彼らは「主は私の神。」と言う。
*患難時代を生き延びる1/3のユダヤ人レムナント(イスラエルの残りの者)が、避難先のボツラで悔い改め、イエスをメシアとして信じ、受け入れると預言されています。
それは『神の大いなる日の戦い(ハルマゲドンの戦い)』と深く関係しています。
cf ホセア5:15~6:3ー彼らが自分の罪を認め、
わたしの顔を慕い求めるまで、
わたしはわたしの所に戻っていよう。
彼らは苦しみながら、わたしを捜し求めよう。
「さあ、主に立ち返ろう。
主は私たちを引き裂いたが、また、いやし、
私たちを打ったが、
また、包んでくださるからだ。
主は二日の後、私たちを生き返らせ、
三日目には私たちを立ち上がらせる。
私たちは御前に生きるのだ。
私たちは、知ろう。
主を知ることを切に追い求めよう。
主は暁の光のように、確かに現われ、
大雨のように、私たちのところに来、
後の雨のように、地を潤される。」
*キリストの地上再臨三日前に、彼らの民族的回心が始まります。
患難時代を通して彼らの中の不信仰な者を取り除き、神に留まり、イエスをメシアだと信じる者を起こされます。それが1/3のユダヤ人であり、『メシアによる王国=千年王国』に招き入れるのです。その彼らを神は『新しい契約』という神との絆の中に導かれます。
cf エレミヤ31:31ー見よ。その日が来る。ー主の御告げ。ーその日、わたしは、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。
ローマ11:26~27ーこうして、イスラエルはみな救われるということです。こう書かれているとおりです。
「救う者がシオンから出て、
ヤコブから不敬虔を取り払う。
これこそ、彼らに与えたわたしの契約である。
それは、わたしが彼らの罪を取り除く時である。」
【二度目の帰還】
イスラエルのレムナント(残りの者)は、千年王国の直前にボツラから信仰を持って、再度『約束の地』に帰還します。
エレミヤ31:7~9ーまことに主はこう言われる。
「ヤコブのために喜び歌え。
国々のかしらのために叫べ。
告げ知らせ、賛美して、言え。
『主よ。あなたの民を救ってください。
イスラエルの残りの者を。』
見よ。わたしは彼らを北の国から連れ出し、
地の果てから彼らを集める。
その中にはめしいも足なえも、
妊婦も産婦も共にいる。
彼らは大集団をなして、ここに帰る。
彼らは泣きながらやって来る。
わたしは彼らを、慰めながら連れ戻る。
わたしは彼らを、水の流れのほとりに導き、
彼らは平らな道を歩いて、つまづかない。
わたしはイスラエルの父となろう。
エフライムはわたしの長子だから。」
エゼキエル37:21~25ー彼らに言え。神である主はこう仰せられる。見よ。わたしは、イスラエル人を、その行っていた諸国の民の間から連れ出し、彼らを四方から集め、彼らの地に連れて行く。
わたしが彼らを、その地、イスラエルの山々で、一つの国とするとき、ひとりの王が彼ら全体の王となる。彼らはもはや決して二つの王国には分かれない。
彼らは二度と、その偶像や忌まわしいもの、またあらゆるそむきの罪によって身を汚さない。わたしは、彼らがかつて罪を犯したその滞在地から彼らを救い、彼らをきよめる。彼らはわたしの民となり、私は彼らの民となる。
わたしのしもべダビデが彼らの王となり、彼ら全体のただひとりの牧者となる。彼らはわたしの定めに従って歩み、わたしのおきてを守り行なう。
彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与えた国、あなたがたの先祖が住んだ国に住むようになる。そこには彼らとその子らとその子孫たちがとこしえに住み、わたしのしもべダビデが永遠に彼らの君主となる。
*二度目の帰還は、『メシアを信じる信仰をもっての帰還』です。再臨されたキリストは、世界の『王の王』『メシア的王国(千年王国)の王』として、エルサレムに新しく建てられる第四神殿の御座から統治されます。
復活したダビデ王が、千年王国のイスラエルの王として君臨します。
一度目の帰還は、歴史上成就しました。
であるならば、二度目の帰還も必ず成就します!!
そして、千年王国(メシア的王国)において、神がアブラハムに約束した土地をすべて所有し、『アブラハム契約』が成就することになります。
私たち異邦人はキリストの花嫁となる教会時代に、『携挙』が起こる前に、イエスを信じることが恵みなのです。
後に来る患難時代にも異邦人の救いはあります。世界規模での大リバイバルが、患難時代前半に起こるからです。しかし、そのときは同時に迫害の時代でもあるので、『命がけの信仰』が求められる時でもあり、キリストの花嫁にはなれません。(千年王国前には復活して、入れてもらえます。)
神は言われます。
「わたしは、恵みの時にあなたに答え、
救いの日にあなたを助けた。」
確かに、今は恵みの時、今は救いの日です。
Ⅱコリント6:2