エルサレムに第三神殿が再建される年代を、患難時代の前であると確実に言い切るには、聖書的なデータが不十分なため『患難期前に建つ』のか『患難期前に建て始め、患難期初期に完成する』のか『患難期初期に建つ』のかは定かではありません。
しかし、患難期前半〜中期までには確実に建設されており、尚かつ機能していることは、以下の聖句から確かです。
患難時代の神殿は、四ヶ所に書かれています。
①ダニエル9:27ー彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふるかかる。
*多くの者…神の選びの民ユダヤ人の中でも、多くの者が反キリストとの『七年間の契約』に賛同します。賛同しないのは、後に『レムナント』となる人々です。
*半週の間…七年間の患難時代の後半の3年半。
*いけにえとささげ物…イエスの十字架の贖いを受け入れない不信仰なユダヤ人たちは、第三神殿が建つとモーセの律法に従って、動物のいけにえとささげ物をささげます。しかし、後半の3年半は神殿に反キリストの『獣の像』が立つので、律法を守ることができなくなります。
*定められた絶滅…反キリストが裁かれ、偽預言者とともに『燃える火と硫黄との池』に患難時代の終わりに投げ込まれる。(サタンや神を信じない者たちは、千年王国の終わりに投げ込まれるので、彼らは千年早く投げ込まれることになります。)
②マタイ24:15ーそれゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)
*荒らす憎むべき者…反キリスト。
③Ⅱテサロニケ2:3~4ーだれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現われなければ、主の日は来ないからです。
彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。
*背教が起こり…黙示録3:14~22の『ラオデキヤの教会(人々が支配する、の意)』の時代が、まさに『背教の時代(AD1,900〜現代〜携挙)』にあたります。
*滅びの子…患難時代前に時系列に起こる七番目の出来事で現われる『反キリスト』のこと。
*主の日…七年間の患難時代のこと。神の裁きの恐るべき大いなる日。
④黙示録11:1~2ーそれから、私に杖のような測りざおが与えられた。すると、こう言う者があった。「立って、神の聖所と祭壇と、また、そこで礼拝している人を測れ。
聖所の外の庭は、異邦人に与えられているゆえ、そのままに差し置きなさい。測ってはいけない。彼らは聖なる都を四十二か月の間踏みにじる。
*測りざお…ギリシャ語:カラモス。葦。
*聖所の外の庭…異邦人の庭。
*四十二か月…患難時代後半の3年半。
これらの聖句はすべて、イスラエルの神殿との関連で起こることを述べています。
これらの事柄はすべて、『患難時代の中期』(7年間の患難時代は前半ー異邦人の大リバイバルと後半ーユダヤ人のリバイバルの3年半ずつに分けられています。ちょうどその境目となる中期)に起こる出来事です。
患難時代の中期までに第三神殿が建っており、少なくとも患難期中期前の少しの期間、機能していなければなりませんから、それまでに神殿は再建されてなければならない、つまり患難時代前か患難時代前半に再建される必要があるわけです。
神殿が再建されさえすれば、ユダヤ人たちはモーセの律法に則った動物のいけにえをささげる制度が再び設けられます。(既に祭司たちはその訓練に入っていて、祭司として神殿で奉仕可能な30歳以上の準備は整い、現在ユダヤ教の神学校では次世代の育成にはいっています。)しかしこの神殿は神から承認されません。イザヤ66:1~6で明らかです。
ソロモンの神殿(第一神殿)も捕囚からの帰還後のゼルバベルの神殿(第二神殿)も、神様から承認されています。千年王国に建つ神殿(第四神殿)はメシアによって建てられるので、承認される神殿です。したがって、イザヤ66:1~6が述べている神殿は、第三神殿しかあり得ません。
イザヤ66:1ー第一神殿の時のように、この神殿に神が来て住むことはない、と言っています。
イザヤ66:2ー神がこの時求めるのは、神殿ではなく信仰であると言っています。
イザヤ66:3ー旧約時代に人間の捧げ物や豚や偶像崇拝を受け入れなかった以上に、この神殿で捧げられるレビ的犠牲を受け入れないと言っています。
イザヤ66:4ーユダヤ人が神のためにこの神殿を建てるということは、神のことばを聞き、メシアなるイエスへの信仰をもって神に立ち返ることに失敗していることを示しています。
イザヤ66:5ーイザヤは、神殿の再建に参加せず、神のみこころを行おうとしている信仰のあるユダヤ人たちを励ますことばを述べています。
イザヤ66:6ーイザヤは、この新しい神殿は、罪の赦しや神に受け入れられる礼拝ではなく、裁きで終わるだけだと述べています。
1967年の六日間戦争は、この預言が成就するためのお膳立てをしました。神殿域はその時までアラブ人の支配下にありましが、この戦争で神殿域はユダヤ人の支配下に落ちました。
AD70年のローマ軍による神殿崩壊で、ユダヤ人の系図の記録が失われた結果、自分が何族であるか分からなくなりましたが、レビ族だけは名前から自分がレビ族であることがわかるのです。
Levi,Levy,Levine,Leventhal,Cohen…というような名前、およびこれらに類似する名前の持ち主はレビ族の一員です。神殿での奉仕を司るという目的には、レビ族のみがが重要なのです。
神殿再建に関連する問題点は、イスラム教の岩のドームがあります。おそらく、岩のドームは第一、第二神殿の神殿域にあります。しかし、聖書はこの問題に対して沈黙しています。神殿域のどこにどのようにして神殿ができるかは、歴史が推移してみないとわからないのです。
聖書にある四つの神殿 http://osusowake.hatenablog.com/entry/2014/04/04/223601