ローマ法による『十字架刑』は極刑なので、通常はそこで死んだ犯罪人の遺体はそのままさらしものにされ、野の獣や猛禽類に処理させていました。
しかし、イスラエルでは律法で次のように定められていました。
申命記21:22~23ーもし、人が死刑に当たる罪を犯して殺され、あなたがこれを木につるすときは、
その死体を次の日まで木に残しておいてはならない。その日のうちに必ず埋葬しなければならない。木につるされた者は、神にのろわれた者だからである。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えようとしておられる地を汚してはならない。
通常、城壁の外にあるヒノムの谷に投げ捨てられました。特に、この時は、種なしパンの祭りの間の安息日『大いなる日』の前日でもあったので、木にかけられた遺体をそのまま都に放置するわけにはいきませんでした。
そのため、首を吊って死んだイスカリオテ・ユダの遺体は、おそらくヒノムの谷に投げ捨てられた時に、損傷してはらわたが飛び出したのでしょう。
イエス様の場合は、金持ちのアリマタヤのヨセフが遺体を引き取ったために、ヒノムの谷ではなく、墓に葬られました。(遺体を葬られるのは、法的に罪を犯さなかった人々だけ)
それは、イザヤ書53:9の預言の成就でもあります。
イザヤ53:9ー彼の墓は悪者どもとともに設けられ、
彼は富む者とともに葬られた。
彼は暴虐を行なわず、その口には欺きはなかったが。
ヨハネ19:38ーイエスの遺体を引き取りたいとピラトに願い出た、アリマタヤのヨセフとはどのような人物でしょう?
cf マタイ27:57~60、マルコ15:43~45、ルカ23:50~52。
なぜ彼は、この時までイエスの弟子であることを隠していたと思いますか?
なぜ彼が、こんなにイエスの遺体の引き取りの件で力を尽くしたのでしょう?
他の11人の弟子たちは、どこで何をしていたのでしょう?
cf ヨハネ20:19ーその日、すなわち週の初めの日の夕方のことであった。弟子たちがいた所では、ユダヤ人を恐れて戸がしめてあったが、イエスが来られ、彼らの中に立って言われた。「平安があなたがたにあるように。」
彼はイエスの遺体を引き取ることによって、何を失い、何を得るのでしょうか?
私たちはイエスを信じ、従うことによって、何を失い、何を得たのでしょう?
ヨハネ19:39ーニコデモ…ニコデモ - サザエのお裾分け
没薬とアロエ…埋葬に用いられる防腐剤。後から墓に来る人への配慮のため用いられた。当時はとても高価なものだった。なのでそれを30kgも持って来たニコデモは、金持ちであったことがわかる。
ヨハネの福音書3章で彼がイエスに会いに来た時は、人目を避けた夜でしたが、ここでは夕方に人々が見守っている中に出て来ました。
ニコデモの変化に何を感じますか?
ヨハネ19:40ーユダヤ人の埋葬の習慣に従って…cf 申命記21:22~23ーもし、人が死刑に当たる罪を犯して殺され、あなたがこれを木につるすときは、
その死体を次の日まで木に残しておいてはならない。その日のうちに必ず埋葬しなければならない。木につるされた者は、神にのろわれた者だからである。
亜麻布で巻いた…過越の食事のアフィコーメンの儀式と関係あり。
cf 〜イースター〜 過越の食事と聖餐式(十字架の死と復活) - サザエのお裾分け
ヨハネ19:41ーcf マタイ27:57~60ー夕方になって、アリマタヤの金持ちでヨセフという人が来た。彼もイエスの弟子になっていた。
この人はピラトのところに行って、イエスのからだの下げ渡しを願った。そこで、ピラトは、渡すように命じた。
ヨセフはそれを取り降ろして、きれいな亜麻布に包み、
岩を掘って造った自分の新しい墓に納めた。墓の入口には大きな石をころがしかけて帰った。
普通は十字架にかけたまま野ざらしにする死体を、なぜピラトはアリマタヤのヨセフの申し出に応じたのでしょう?
ニコデモは没薬とアロエを提供しました。
アリマタヤのヨセフは、何を提供しましたか?
なぜふたりとも高価なものを死んだイエスのために提供したのでしょう?
あなたはイエスのために何を提供できますか?
ヨハネ19:42ーユダヤ人の備え日…安息日の前日。安息日は金曜日の日没〜土曜日の日没まで。
アリマタヤのヨセフとニコデモの行為から、彼らのイエスに対するどのような思いを感じますか?
私たちが今、イエスのためにできること、また成すべきこととは何でしょう?
それをする準備は整っていますか?