サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

天使の階級とサタンの領域

天使・御使い…と聞くと、ポッチャリとした二、三歳児の男の子に羽根が生えているイメージですが、聖書には子どもの天使は出てきません。

絵画や映像に出てくる子どもの姿をした天使たちは、人間が勝手に作り出した『イメージ』によるものなのです。

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マルコ12:25人が死人の中からよみがえるときには、めとることも、とつぐこともなく、天の御使いたちのようです。

*御使いは次世代を生み出しません。

 

ヘブル1:14御使いはみな、仕える霊であって、救いの相続者となる人々に仕えるため遣わされたのではありませんか。

*御使いは被造物であり、御座近くで仕える天的存在のため人より上の存在です。
*御子イエスの受肉期間は、イエスより上だったが、受肉前と昇天後はキリストよりも下位に置かれています。

 

詩篇8:4~5人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。
あなたは、人を、神よりいくらか劣るものとし、これに栄光と誉れの冠をかぶらせました。

 

御使いは結婚したり、次世代を生み出すことはないということは、神に造られた時に天使数が決まったということ。聖なるものとして造られたが、人間と同じように、自由意志が与えられました。

一人の御使いが、その自由意志で神に反逆した時に、自分に組みする御使いたちを集め、1/3が『堕天使』となったのです。

 

黙示録12:3~4また、別のしるしが天に現れた。見よ。大きな赤い竜である。七つの頭と十本の角とを持ち、その頭には七つの冠をかぶっていた。
その尾は、天の星の三分の一を引き寄せると、それらを地上に投げた。また、竜は子を産もうとしている女の前に立っていた。
彼女が子を産んだとき、その子を食い尽くすためであった。

*『星』という言葉が象徴的に用いられる時は、天使を指す。

 

御使いの堕落(サタンの誕生)は、イザヤ14章に記されています。

イザヤ14:12~15暁の子、明けの明星よ。どうしてあなたは天から落ちたのか。国々を打ち破った者よ。どうしてあなたは地に切り倒されたのか。
あなたは心の中で言った。

『私は天に上ろう。
神の星々のはるか上に私の王座を上げ、
北の果てにある会合の山にすわろう。
密雲の頂に上り、
いと高き方のようになろう。』
しかし、あなたはよみに落とされ、穴の底に落とされる。

*ここには、サタンとなった御使いの『神のようになりたい』という五つの野望があります。

 

ここで問題となるのは、どの階級の御使いが堕天使『サタン』になったかということ。
聖書的には、大きく三つの階級に分かれています。
*『天使』という場合、天的存在全体を指す時と、最も下位の御使いを指す時とがある。

 

【一般の天使たち】

①無名の天使…最下位の御使いたち。それでも黙示録ではそれぞれ役割があります。

 

②ミカエル一般の天使たちの中の『天使長』。
「誰が神のようであろうか」という意味。
イスラエル守護天使
ダニエル12:1aその時、あなたの国の人々を守る大いなる君、ミカエルが立ち上がる。

 

③ガブリエル神様からの啓示を人間に伝える役割。
「神から出た力ある者」という意味。
患難時代のイスラエルの状態を預言した。ダニエル8:15~27, 9:20~27

 

その上の階級が【セラフィム
*単数形は『セラフ』…「燃えている者」という意味。

イザヤ書と黙示録にのみ登場。
神(御父と御子)を礼拝し、謙遜な存在。
神のしもべを清め、天での礼拝を導く。
神を讃え、神の聖なることを宣言し、患難時代には裁きのための器として用いられる。

 

イザヤ6:2セラフィムがその上に立っていた。彼らはそれぞれ六つの翼があり、おのおのその二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでおり、

黙示録4:6~8御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座の中央と御座の回りに、前もうしろも目で満ちた四つの生き物がいた。
第一の生き物は、獅子のようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人間のような顔を持ち、第四の生き物は空飛ぶ鷲のようであった。

この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その回りも内側も目で満ちていた。彼らは、昼も夜も絶え間なく叫び続けた。「聖なるかな聖なるかな聖なるかな。神であられる主、万物の支配者、昔いまし、今いまし、後に来られる方。」

 

天使界の最高位【ケルビム】
*単数形は『ケルブ』…「護衛」「覆う」という意味。

聖書中に91回(ケルブー27回、ケルビムー64回)登場。
三種類のケルビムがいる。
①顔一つと翼二つ。
②顔二つと翼二つ。
③顔四つと翼四つ。
*サタンとなったのは、この中のいずれかです。

 

イザヤ37:16ー「ケルビムの上に座しておられるイスラエルの神、万軍の主よ。ただ、あなただけが、地のすべての王国の神です。あなたが天と地を造られました。

*ケルビムは、神の御座を運び、それを覆う。

 

創世記3:24こうして、神は人を追放して、いのちの木への道を守るために、エデンの園の東に、ケルビムと輪を描いて回る炎の剣を置かれた。

*炎の剣…シャカイナグローリー。

*ケルビムは、シャカイナグローリーと密接な関係があります。

 

なぜ『ケルビム』が最高位の天使たちだと言えるのでしょう…?
*一般の天使(最下位)を主に指すギリシャ語『アンゲロス(複数形:アンゲロイ)』は、『メッセンジャー』という意味であり、使者として働いています。
セラフィムは、神の御座の周りで、天での礼拝を導き、賛美しています。

*ケルビムは、神の御座を運び、御座を覆っています。
※神の御座に近ければ近いほど、天使の階級は上になります。

 

そして、ケルビムのトップに位置していたのが『サタン』となった堕天使であり、完璧に造られたものでした。
エゼキエル28:11bーあなたは全きものの典型であった。
知恵に満ち、美の極みであった。

エゼキエル28:14ーわたしはお前を
翼を広げて覆うケルブとして造った。(新共同訳)

You were the anointed cherub who covers;(NKJV)
*新共同訳は"anointed "(油そそがれた)が抜けており、新改訳は『油そそがれた守護者ケルブとともに』と訳出していますが、文語訳聖書では 『汝は膏そそがれしケルブ』と正しく訳出されています。 油そそぎを受けた結果、被造物の中で最高の力と権威を持つようになったのが、後の『サタン』です。

 

ミカエルは一般の天使の長であり、ケルビムの長がサタンとなった『油そそぎを受けたケルブ』でした。


エゼキエル28:15~19にはサタンの罪が記されています。cf イザヤ14:12~15
自分の美しさに高ぶり、知恵を腐らせ、不義を重ね、聖所を汚した結果、鉱物でできたエデンの園を追放されました。

 

最高位のケルビムの長『サタン』が天の聖所を汚したので、復活後のキリスト・イエスは『神の小羊』としての贖罪の血を携えて、『大祭司』として天の至聖所をきよめられました。
その前にマリヤに触れられると汚れてしまい、大祭司としての務めをすることができないので「すがりついてはいけません。」と言われました。

 

ヨハネ20:17イエスは彼女に言われた。「わたしにすがりついてはいけません。わたしはまだ父のもとに上っていないからです。わたしの兄弟たちのところに行って、彼らに『わたしは、わたしの父またあなたがたの父、わたしの神またあなたがたの神のもとに上る』と告げなさい。」

 

ヘブル9:11~12しかしキリストは、すでに成就したすばらしい事がらの大祭司として来られ、手で造った物でない、言い替えれば、この造られた物とは違った、さらに偉大な、さらに完全な幕屋を通り、
また、やぎと子牛との血によってではなく、ご自分の血によって、ただ一度、まことの聖所に入り、永遠の贖いを成し遂げられたのです。

 

ヘブル語では男性形と女性形があり、ギリシャ語には男性形、女性形の他に中性形があるが、『サタン』の代名詞は常に男性形で表現されています。
また御使いが地上に現われる時は、常に『人間の男性』の姿です。

 

神の子(Son of God)…御子イエス。

神の子ら(Sons of God)…御使い(天使)たち。
*『聖なる天使』か『堕天使』かは、文脈によって判断すること!

神の子どもたち…(Children of God)…キリスト者たち。

 

第三の天(神の御座がある所)から追放されたサタンとサタンに従った堕天使たちの現在の居場所は、空中(第一の天:鳥が飛ぶ高さ&第二の天:天体の高さ)です。
エペソ2:2空中の権威を持つ支配者として今も不従順の子らの中に働いている霊…。

 

創世記6章の『神の子ら』は、空中という領域から地上に着地し、『女の子孫』として誕生する『メシア』の家系を根絶しようと試みました。

ユダ6主は、自分の領域を守らず、自分のおるべき所を捨てた御使いたちを、大いなる日のさばきのために、永遠の束縛をもって、暗やみの下に閉じ込められました。

 

彼らは『聖なる御使い』として造られたのにも拘わらず、第三の天を捨てただけでなく、空中という許された領域も守らず、地上に降りできて(常に男性の姿)、人間の女性たちと結婚し、御使いでもなく人間でもない『ネフィリム』という神が創造しなかったものを造り出した。これがノアの洪水前の堕落した世界でした。

 

三位一体の神に対抗する者となったサタンは、偽(悪)の三位一体を組織しています。

御父 vs 竜(サタン)黙示録13:4
御子(キリスト) vs 獣(反キリスト/にせキリスト)黙示録13:5~7
御霊(もう一人の助け主) vs もう一匹の獣(にせ預言者/悪霊)黙示録13:11

 

クリスチャンであっても何か困難に陥ると「神様、なぜですか?」という疑問を持ってしまいますが、「下がれ。サタン。」と命じることは非常に少ないのです。

聖書は、天使やサタンを『おとぎ話』としては語っていません。イエス様はサタンと戦われました。悪霊(堕天使)たちを追い出されました。天の御使いたちが人に現われたり、イエスに仕えたりしました。

 

サタンは自分がいつまでも『この世の神』として君臨するために、メシアの誕生を妨害し、メシアに罪を犯させて失脚させようとしたり、過越の祭り以外の時に、十字架以外の方法で殺そうと具体的に働きかけました。

 

私たちはサタンの働きに対し、あまりにも無防備ではないでしょうか?

 

*求道者に対し…サタンは神に近づこうとする者に対し、この世のもっともらしい理由をつけて、みことばの学びを妨害したり、礼拝出席をできないように邪魔をしてきます。

*信者に対し…みことばに対する疑いを仕掛けたり、救いの確信を持たせないようにしたりします。またみことばに覆いをかけて、理解できないようにします。

 

ですから、私たちは霊的覚醒し、みことばにしっかりと留まり、サタンの策略を見抜けるようにならなくてはなりません。それにはキリスト・イエスから目を逸らさないことが大事です。