Ⅱテサロニケ3:1ー終わりに、兄弟たちよ。私たちのために祈ってください。主のみことばが、あなたがたのところでと同じように早く広まり、またあがめられますように。
*私たちのために祈ってください…パウロのような信仰者ですら、他の信徒たちの祈りをお願いしています。ましてや異邦人信者である私たちは、お互いのために祈り合う必要がありますね 。『私は大丈夫。』と思うのは、高慢なのでしょう。キリストが謙遜であられたように、私たちも謙遜になるべきなのです。
*主のみことはが〜早く広がり、あがめられますように…パウロの祈りの内容。テサロニケで福音が早く広まったのと同じように、他の場所でも広まり、キリストの御名があがめられることを、パウロは願っていました。
霊的覚醒して祈り続けることは、誘惑から守られる秘訣でもあります。
マタイ26:41ー誘惑に陥らないように、目をさまして、祈っていなさい。心は燃えていても、肉体は弱いのです。
Ⅱテサロニケ3:2ーまた、私たちが、ひねくれた悪人どもの手から救い出されますように。すべての人が信仰を持っているのではないからです。
不信者の妨害から解放されることも、パウロは祈っています。
福音を語るとき、常に反対者の妨害があることを私たちも知っておく必要があります。
Ⅱテサロニケ3:3ーしかし、主は真実な方ですから、あなたがたを強くし、悪い者から守ってくださいます。
パウロの主に対する確信:
①主は真実な方である。
②主は信者を強め、悪い者(反対者たち)から守ってくださる。
Ⅱテサロニケ3:4ー私たちが命じることを、あなたがたが現に実行しており、これからも実行してくれることを私たちは主にあって確信しています。
*主にあって…パウロのテサロニケの信者たちに対する確信:
①パウロたち使徒たちの命令を実行してくれること。
Ⅱテサロニケ3:5ーどうか、主があなたがたの心を導いて、神の愛とキリストの忍耐とを持たせてくださいますように。
*あなたがた…第一義的には、パウロが『テサロニケの信者たち』に祈っていることですが、第二義的には現代のクリスチャンにも適用できます。
外側から来る試練を乗り越えるには、『忍耐』と『知恵』を祈り求めることが必要です。
ヤコブ1:3~5ー信仰が試されると忍耐が生じるということを、あなたがたは知っているからです。
その忍耐を完全に働かせなさい。そうすれば、あなたがたは、何一つ欠けたところのない、成長を遂げた完全な者となります。
あなたがたの中に知恵の欠けた人がいるなら、その人は、だれにも惜しげなく、とがめることなくお与えになる神に願いなさい。そうすればきっと与えられます。
Ⅱテサロニケ3:6ー兄弟たちよ。主イエス・キリストの御名によって命じます。締まりのない歩み方をして私たちから受けた言い伝えに従わないでいる、すべての兄弟たちから離れていなさい。
*締りのない歩み方…『歩み方』とは『生き方』のことです。『主の日がすでに来た。主の地上再臨が近いから、もう働く意味が無い。』と間違った理解をして、働くことができる状況にあるにも拘わらず、怠惰な生活をし、教会に負担や悪影響をかけている者。
*兄弟たち…たとえ、パウロたちの教えに反する間違った理解をしていても、イエスをメシアだと信じる者は『兄弟たち』と呼ばれる信者たちなのです。救いの本髄は、イエスをキリストだと信じるところにあります。
しかし、パウロはいつまでも間違った理解を正すことなく、『締りのない怠惰な生活を送る信者たちから離れていなさい。』と命じています。
1コリント5:11~12ー私が書いたことのほんとうの意味は、もし、兄弟と呼ばれる者で、しかも不品行な者、貪欲な者、偶像を礼拝する者、人をそしる者、酒に酔う者、略奪する者がいたなら、そのような者とはつきあってはいけない、いっしょに食事をしてもいけない、ということです。
外部の人たちをさばくことは、私のすべきことでしょうか。あなたがたがさばくべき者は、内部の人たちではありませんか。
Ⅱテサロニケ3:7ーどのように私たちを見ならうべきかは、あなたがた自身が知っているのです。あなたがたのところで、私たちは締まりのないことはしなかったし、
パウロは、自分が示した模範に従うようにと教えています。
1コリント4:16ーですから、私はあなたがたに勧めます。どうか、私にならう者となってください。
Ⅱテサロニケ3:8ー人のパンをただで食べることもしませんでした。かえって、あなたがたのだれにも負担をかけまいとして、昼も夜も労苦しながら働き続けました。
福音のために働くものには、報酬を受ける権利がありました。
1コリント9:14ー同じように、主も、福音を宣べ伝える者が、福音の働きから生活のささえを得るように定めておられます。
しかし、パウロはその権利を使わずに、昼夜働き自活しながら伝道していたのです。
Ⅱテサロニケ3:9ーそれは、私たちに権利がなかったからではなく、ただ私たちを見ならうようにと、身をもってあなたがたに模範を示すためでした。
パウロは、コリントの人々にも(1コリント4:16)、ピリピの人々にも(ピリピ4:9)一貫して『私にならう者となってください。』と勧めています。
ピリピ4:9ーあなたがたが私から学び、受け、聞き、また見たことを実行しなさい。そうすれば、平和の神があなたがたとともにいてくださいます。
Ⅱテサロニケ3:10ー私たちは、あなたがたのところにいたときにも、働きたくない者は食べるなと命じました。
創世記2:15ー神である主は、人を取り、エデンの園に置き、そこを耕させ、またそこを守らせた。
神様は、罪を犯す前のアダムにさえ『労働』の義務を与えられました。労働は、神様から与えられた祝福でもあります。勤勉な生活をし、労働を通して神の栄光を現わし、祝福に与るのです。
Ⅱテサロニケ3:11ーところが、あなたがたの中には、何も仕事をせず、おせっかいばかりして、締まりのない歩み方をしている人たちがあると聞いています。
*聞いています…パウロにテサロニケの信者たちの様子を報告する者がいたと思われます。
*おせっかいばかりして…自分が暇でやることがないと、自分のことは棚に上げて他人の世話ばかりやくようになってしまいます。
マタイ7:4ー兄弟に向かって、『あなたの目のちりを取らせてください。』などとどうして言うのですか。見なさい、自分の目には梁があるではありませんか。
Ⅱテサロニケ3:12ーこういう人たちには、主イエス・キリストによって、命じ、また勧めます。静かに仕事をし、自分で得たパンを食べなさい。
*主イエス・キリストによって命じ、また勧めます。… パウロは、怠惰な生活をしている人たちに、二つのことを命じています。
①静かに仕事をすること。
②自分で得たパンを食べること。
Ⅱテサロニケ3:13ーしかしあなたがたは、たゆむことなく善を行ないなさい。兄弟たちよ。
また、テサロニケの教会に対しても二つのことを命じています。
①たゆむことなく全を行ないなさい。
Ⅱテサロニケ3:14ーもし、この手紙に書いた私たちの指示に従わない者があれば、そのような人には、特に注意を払い、交際しないようにしなさい。彼が恥じ入るようになるためです。
②従わない人には、特に注意を払い、交際しないようにしなさい。
その目的は、その人が『恥じ入るようになるため』です。
Ⅱテサロニケ3:15ーしかし、その人を敵とはみなさず、兄弟として戒めなさい。
たとえ、この命令に従わないとしても、その人は救いを失ったのではなく『主にある兄弟』として戒めるように、とパウロは言っています。
1コリント5:5ーこのような者をサタンに引き渡したのです。それは彼の肉が滅ぼされるためですが、それによって彼の霊が主の日に救われるためです。
教会が、罪を犯し続けている兄弟姉妹に対して、どのように訓戒すべきかは、福音書の中で主が教えておられます。
マタイ18:15~17ーまた、もし、あなたの兄弟が罪を犯したなら、行って、ふたりだけのところで責めなさい。もし聞き入れたら、あなたは兄弟を得たのです。
もし聞き入れないなら、ほかにひとりかふたりをいっしょに連れて行きなさい。ふたりか三人の証人の口によって、すべての事実が確認されるためです。
それでもなお、言うことを聞き入れようとしないなら、教会に告げなさい。教会の言うことさえも聞こうとしないなら、彼を異邦人か取税人のように扱いなさい。
段階を踏みながら、その人が悔い改めて、主に立ち返るように促すのが目的です。
Ⅱテサロニケ3:16ーどうか、平和の主ご自身が、どんな場合にも、いつも、あなたがたに平和を与えてくださいますように。どうか、主があなたがたすべてと、ともにおられますように。
最後にパウロは、テサロニケの教会に対して三つのことを祈っています。
①主ご自身が、いつも平和を与えてくださいますように。
②主がすべての信者と、ともにおられますように。
Ⅱテサロニケ3:17ーパウロが自分の手であいさつを書きます。これは私のどの手紙にもあるしるしです。これが私の手紙の書き方です。
パウロの手紙は、冒頭に『パウロから〜へ』という書き出しになっています。また、この節のように『しるし』を残しています。
*ちなみに、ヘブル人への手紙にはそのような『パウロのしるし』はありません。作者不明の書簡です。
Ⅱテサロニケ3:18ーどうか、私たちの主イエス・キリストの恵みが、あなたがたすべてとともにありますように。
③主イエス・キリストの恵みが、あなたがたすべてとともにありますように。