マタイ28:19~20ーそれゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、
また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」
復活の主は、イエスを裏切り、脱落したイスカリオテ・ユダを除く十一人の弟子たちに、こう言われました。ーマタイ28:16
*あなたがた…十一弟子たち
*あらゆる国の人々…神の選びの民ユダヤ人だけでなく、異邦人も含む。
*弟子…キリストを信じ、そのみことばに従う決心をする人
①神を知らずに生きている人々に『キリストの福音』を伝え、信じるところまで導くことー伝道。
②父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け…『バプテスマ』は、キリストの福音を信じて救われた者が、最初に従う主の命令。『バプテスマ』によって信者(クリスチャン)になるわけではありません。
③キリストの命令を守るように、新しく信者となった人々に教えるー弟子訓練。
初代教会時代、この命令を受けた使徒たちは、どのような『バプテスマ』を授けていたのでしょうか?
全浸礼であったことは、間違いありません。
『父、子、聖霊の御名』によるバプテスマを授けていたのでしょうか?
使徒2:38ーそこでペテロは彼らに答えた。「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。
*イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい…復活の主から直接命令を受けたペテロなのに、なぜ「父、子、聖霊の御名」ではなく「イエス・キリストの御名」と言っているのでしょう?
38節でペテロが命じている背景には、聞き手の人々はユダヤ教の指導者たちによって、「イエスが行なっているわざは、悪霊のかしらベルゼブルの力によるものだ」と教えられ、イエスを十字架にかけることに同意していた人々だったため、
①「ベルゼブル」言われているイエスは、『メシア』だと信じること
②ユダヤ教から決別し、キリストにつく者となったことを表明すること
が、求められたことがあります。
使徒8:16ー彼らは主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけで、聖霊がまだだれにも下っておられなかったからである。
*主イエスの御名によってバプテスマを受けていただけ…使徒2章でペンテコステ(聖霊降臨)だと思っている人は多いかもしれませんが、2章で聖霊を受けたのは、全員ユダヤ人です。8章のこの箇所では、ユダヤ人と異邦人との間に生まれた『サマリヤの人々』に聖霊がくだりました。主イエスから御国のかぎ🔑をいただいたペテロが、こうしてユダヤ人にも、サマリヤ人にも御国の扉を開いて歩いたのです。
しかし、現在は、人がキリストの福音を信じたとき、つまり、
ローマ10:9~10ーなぜなら、もしあなたの口でイエスを主と告白し、あなたの心で神はイエスを死者の中からよみがえらせてくださったと信じるなら、あなたは救われるからです。
人は心に信じて義と認められ、口で告白して救われるのです。
さらに、口で信仰告白するには、聖霊の働きがなければできませんから、信じたときに聖霊の内住はすぐに起こります。
1コリント12:3bーまた、聖霊によるのでなければ、だれも、「イエスは主です。」と言うことはできません。
使徒10:48ーそして、イエス・キリストの御名によってバプテスマを受けるように彼らに命じた。彼らは、ペテロに数日間滞在するように願った。
*イエス・キリストの御名によってバプテスマを受ける…使徒2章でユダヤ人信者たちに、8章でサマリヤ人信者たちにくだった聖霊は、ここ10章で『異邦人信者たち』に初めてくだりました。その初穂となったのが、コルネリオです。
このときも、ペテロが異邦人信者たちに御国の扉を開いています。
使徒10:44~45ーペテロがなおもこれらのことばを話し続けているとき、みことばに耳を傾けていたすべての人々に、聖霊がお下りになった。
割礼を受けている信者で、ペテロといっしょに来た人たちは、異邦人にも聖霊の賜物が注がれたので驚いた。
使徒19:5ーこれを聞いたその人々は、主イエスの御名によってバプテスマを受けた。
このように、一般的に教会では使徒2章でペンテコステ(聖霊降臨)と考えられていますが、①ユダヤ人、②サマリヤ人、③異邦人という順番で、神の秩序をもって聖霊がくだられたことがわかります。
サウロ(別名:パウロ)が受けたバプテスマも『イエスの御名』によるバプテスマでした。
使徒22:16ーさあ、なぜためらっているのですか。立ちなさい。その御名を呼んでバプテスマを受け、自分の罪を洗い流しなさい。
*その御名…文脈から『イエスの御名』であることがわかります。
ローマ6:3ーそれとも、あなたがたは知らないのですか。キリスト・イエスにつくバプテスマを受けた私たちはみな、その死にあずかるバプテスマを受けたのではありませんか。
*キリスト・イエスにつくバプテスマ… モーセの律法だけでなく、口伝律法をも守り行うことによって義を得ようとするユダヤ教から、メシアを信じる『信仰による義』を得た者となったことを意味する。
ローマ6:4ー私たちは、キリストの死にあずかるバプテスマによって、キリストとともに葬られたのです。それは、キリストが御父の栄光によって死者の中からよみがえられたように、私たちも、いのちにあって新しい歩みをするためです。
*キリストの死にあずかるバプテスマ…キリストの福音を信じる者は、罪の性質に死に、キリストを信じる信仰による義に生きる者となったのです。
1コリント1:13, 15ーキリストが分割されたのですか。あなたがたのために十字架につけられたのはパウロでしょうか。あなたがたがバプテスマを受けたのはパウロの名によるのでしょうか。
私は、クリスポとガイオのほか、あなたがたのだれにもバプテスマを授けたことがないことを感謝しています。
*パウロの名によるバプテスマ…コリントの教会の人々が、キリストから人間を頼り、人間を崇拝しそうになって分裂しそうになるのを懸念したパウロが、みな誰の名によるバプテスマを受けたのかを思い起させるため。
ガラテヤ3:27ーバプテスマを受けてキリストにつく者とされたあなたがたはみな、キリストをその身に着たのです。
*バプテスマを受けてキリストにつく者とされた…神を神とせず、自分が良いと思うことを基準に生きていた者が、自己中心から神中心に生きかたの基準を変えたことを公にするのが『バプテスマ』です。
コロサイ2:12ーあなたがたは、バプテスマによってキリストとともに葬られ、また、キリストを死者の中からよみがえらせた神の力を信じる信仰によって、キリストとともによみがえらされたのです。
ここまでが、ルカが記した初代教会史『使徒の働き』と、パウロが記した書簡に出てくる『キリストの名によるバプテスマ』の記述です。
さらに、十二使徒のリーダー、ペテロも『キリストの復活によるバプテスマ』だと証言しています
1ペテロ3:21ーそのことは、今あなたがたを救うバプテスマをあらかじめ示した型なのです。バプテスマは肉体の汚れを取り除くものではなく、正しい良心の神への誓いであり、イエス・キリストの復活によるものです。
ユダヤ教徒だったユダヤ人やサマリヤ人がキリストに回心したときのバプテスマも、
アブラハム契約やモーセの律法から除外されていた異邦人がキリストを受け入れたときのバプテスマも、すべて『キリストの名によるバプテスマ』を受けていました。
『父、子、聖霊』という三位一体の神の御名として、私たち人間が知り、語ることのできる御名は、人として来てくださり、私たちの罪の身代わりとして十字架で死に、葬られ、三日目によみがえってくださった『イエス・キリストの御名』しかありません。
つまり、聖書が明らかにし、さらに人間が口にすることが許されている神の御名は『キリストの御名』だけなのです。
私たちはみな、このキリストにつく者として『父、子、聖霊の名=キリスト・イエスの御名』によるバプテスマをのですから、主として仰ぎ、聞き従うのはキリストのの命令、それを託された新約聖書の使徒たちの教えです。
教会の指導者たちは、その教えを取り次ぐのであって、人間の教えを強制するものではありません。
使徒5:29ーペテロをはじめ使徒たちは答えて言った。
「人に従うより、神に従うべきです。」
人から出た教え(自分自身の思い込みを含む)なのか、神から出た教えなのかを確認するには、聞いたことを鵜呑みにせず、聖書のみことばで確認する必要があります。
使徒17:11bー非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。
サタンに惑わされることなく、しっかりとみことばの剣で勝利していくことができますように。