サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

三つの『世代』

三省堂 大辞林によると『世代』には、二つの意味があります。
①一つの血筋を引いた、親・子・孫などそれぞれの代。
② (generation) 生まれた年をほぼ同じくし、時代的経験を共有し、物の考え方や趣味、行動様式などほぼ共通している一定の年齢層。
 
 
レビ記23:43ーこれは、わたしが、エジプトの国からイスラエル人を連れ出したとき、彼らを仮庵に住まわせたことを、あなたがたの後の世代が知るためである。わたしはあなたがたの神、主である。」
 
*あなたがたの後の世代…ここでの『あなたがた』は、私たち異邦人を含む言葉ではなく、上記①の『一つの血筋=アブラハムーイサクーヤコブ』を引いたイスラエルの民を指しています。その『後の世代』ですから、当然『イスラエルの民=ユダヤ人』を指していることがわかります。
 
私たちは聖書を読む時に『あなた』や『あなたがた』を常に『自分のこと』『クリスチャンのこと』と変換しがちですが、まず文脈から誰を指しているのかを考えなくてはなりません。これは聖書を神視点で理解する上でとても大切なことです。
 
 
聖書には、三つの『世代』の期間があることがわかります。
①40年
②70〜80年
③100年
 
①一番短い『世代』と考えられるのが40年
聖書では『40』という数は、『試みの数』と言われています。
 
申命記1:35「この悪い世代のこれらの者のうちには、わたしが、あなたがたの先祖たちに与えると誓ったあの良い地を見る者は、ひとりもいない。
 
民数記32:13の怒りはイスラエルに向かって燃え上がったのだ。それでの目の前に悪を行ったその世代の者がみな死に絶えてしまうまで彼らを四十年の間、荒野にさまよわされた。
 
皆様ご存知の出エジプトをした時に二十歳以上だった『世代』が、カデシュ・バルネアでの不信仰により回帰不能点を超え、40年間荒野を放浪することになり、その間に全員死に絶え、神が与えると約束された地に入ることはできませんでした。
 
この時、二十歳以上で生き延びたのはエフライム族(後の北イスラエル王国代表)出身のヨシュアとユダ族(後の南ユダ王国代表)出身のカレブだけでした。
 
民数記32:12ーただ、ケナズ人エフネの子カレブとヌンの子ヨシュアは別である。彼らはに従い通したからである。
実際に二十歳以上だった世代が死に絶えるのに要した期間は38年でした。
 
申命記2:14カデシュ・バルネアを出てからゼレデ川を渡るまでの期間は三十八年であった。それまでに、その世代の戦士たちはみな、宿営のうちから絶えてしまった。が彼らについて誓われたとおりであった。
 
この40年の間に『世代交代』が起こり、律法の代表者であるモーセも『メリバの水事件』により、約束の地に入ることができなくなりました。
モーセの代わりにリーダーになったのが信仰の人ヨシュアであり、出エジプトをした時に二十歳未満だった若者たちと40年の間に荒野で生まれ次世代の人々が、ヨルダン川を越えて約束の地に入りました。
 
 
②人間の平均的寿命として70〜80年
詩篇90:10私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。しかも、その誇りとするところは労苦とわざわいです。それは早く過ぎ去り、私たちも飛び去るのです。
 
旧約時代、特にノアの洪水以前の人々は何百年も生きた人が大勢いました。
それは、洪水で『上の水』が張り裂けるまで、現在の環境とはまったく違っていたためです。
③祝福としての100年
アブラハム契約』の中で、神は次のように言われました。
創世記15:13~16そこで、アブラムに仰せがあった。「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。
しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。
あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。
そして、四代目の者たちが、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」
 
四百年の間、エジプトで奴隷生活をしたのは、イスラエル民族を生み出すための純正培養の期間でした。そして400年後の四世代目の者たちが約束の地に帰って来るという約束から、一世代100年であることがわかります。
 
 
イザヤ書65:20そこにはもう、数日しか生きない乳飲み子も、寿命の満ちない老人もない。百歳で死ぬ者は若かったとされ、百歳にならないで死ぬ者は、のろわれた者とされる。
 
*百歳にならないで死ぬ者は…ここは誤訳です。正しくは『百歳で死ぬ者は』であり、幼くして死ぬ者や若くして死ぬも者はなく、千年王国で誕生する者は全員百歳まで生きることになります。
 
千年王国では肉体を持って生まれてくる者の寿命は、現在の70〜80年ではなく100年になります。だからこそ、『百歳で死ぬ者は若かったとされ』るわけです。生まれてから百歳になるまでの間に、メシアが王であることを認め、その命令(=御国の律法)に従うかどうかが鍵となります。