サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

『ダビデの子』 マルコ12:35~37,『エッサイの根株』イザヤ11:1, 53:2

今回は、メシアの称号である『ダビデの子』の背後にある契約は何なのか…

『エッサイの根株』には、どのような意味があるのか

それがいつ、どのように成就するのかを考えてみたいと思います。



マルコ12:35
ーイエスが宮で教えておられたとき、こう言われた。「律法学者たちは、どうしてキリストをダビデの子と言うのですか。

 

ダビデの子…メシアの称号

1歴代誌17:7~14からダビデの子孫からメシアが生まれ、メシア的王国(=千年王国)の王となるという『ダビデ契約』に基づくもの。

 

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キリストの初臨時、人々はイエスのことを「ダビデの子」と呼んでいましたが、主ご自身は『人の子』ということばを使われていました。

『人の子』とは、 三位一体の神の第二位格である御子が受肉され、地上に人として来られたことに強調点があります。  

 

 

マルコ12:36ダビデ自身、聖霊によって、こう言っています。『主は私の主に言われた。「わたしがあなたの敵をあなたの足の下に従わせるまでは、わたしの右の座に着いていなさい。」』

 

詩篇からの引用です。(詩篇110篇は、ダビデの賛歌)

詩篇110:1は、私の主に仰せられる。

「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、

わたしの右の座に着いていよ。」

 

*あなたの敵…メシアの最後の敵は『死』であり、千年王国の終わりにサタンを火の池に投げ込むと、サタンによってもたらされた『死』も滅ぼされ、地上には死ぬべき不信者はいなくなります。

 

パウロが、1コリント15:24~28でそのことに言及しています。

 

1コリント15:25~26ーキリストの支配は、すべての敵をその足のしたに置くまで、と定められているからです。

最後の敵である死も滅ぼされます。


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マルコ12:37ダビデ自身がキリストを主と呼んでいるのに、どういうわけでキリストがダビデの子なのでしょう。」大ぜいの群衆は、イエスの言われることを喜んで聞いていた。

 

メシアは『ダビデ契約』により『ダビデの子孫』として、『人の子』として誕生されますが、同時に、人間よりも、御使いよりも偉大な『神の御子』であられます。

民の指導者である律法学者たちは、そのことを理解していませんでした。

 

ヘブル書の著者は、ヘブル1:8~14でそのことについて言及しています。

ヘブル1:13ー神は、かつてどの御使いに向かって、こう言われたでしょう。

「わたしがあなたの敵を

あなたの足台とするまでは、

わたしの右の座に着いていなさい。」

 

メシアの初臨については、イザヤも預言しています。 

 

イザヤ書11:1ーエッサイの根株から新芽が生え、その根から若枝が出て実を結ぶ。

 

*エッサイダビデの父
ダビデは王として繁栄しましたが、エッサイは貧しい羊飼いでした。

 

*エッサイの根株…強調点は、メシアの出自の低さです。

メシアはダビデの子孫として誕生するが、ダビデ家が王家として繁栄している時ではなく、ダビデの父エッサイの時代のような貧困家庭に落ちぶれるまでは登場しないということ。

ダビデの子孫である養父ヨセフは王ではなく大工であり、レビ記12:2~8, ルカ2:22~24から、ヨセフとマリヤは貧しかったことがわかります。

 

レビ記12:2~8ー「イスラエル人に告げて言え。

女が身重になり、男の子を産んだときは、その女は七日の間汚れる。その女は月のさわりの不浄の期間のように、汚れる。

ーー八日目には、その子の包皮の肉に割礼をしなければならない。ーー

その女はさらに三十三日間、血のきよめのために、こもらなければならない。そのきよめの期間が満ちるまでは、聖なるものにいっさい触れてはならない。また聖所にはいってもならない。

もし女の子を産めば、月のさわりのときと同じく、二週間汚れる。その女はさらに六十六日間、血のきよめのために、こもらなければならない。

彼女のきよめの期間が満ちたなら、それが息子の場合であっても、娘の場合であっても、その女は全焼のいけにえとして一歳の子羊を一頭と、罪のためのいけにえとして家鳩のひなか、山鳩を一羽、会見の天幕の入口にいる祭司のところに持って来なければならない。

祭司はこれをの前にささげ、彼女のために贖いをしなさい。彼女はその出血からきよめられる。これが男の子でも、女の子でも、子を産む女についてのおしえである。

しかし、もし彼女が羊を買う余裕がなければ、二羽の山鳩か、二羽の家鳩のひなを取り、一羽は全焼のいけにえとし、もう一羽は罪のためのいけにえとしなさい。祭司は彼女のために贖いをする。彼女はきよめられる。」

 

ルカ2:22~24ーさて、モーセの律法による彼らのきよめの期間が満ちたとき、両親は幼子を主にささげるために、エルサレムへ連れて行った。

ーーそれは、主の律法に「母の胎を開く男子の初子は、すべて、主に聖別された者、と呼ばれなければならない。」と書いてあるとおりであった。ーー

また、主の律法に「山ばと一つがい、または、家ばとのひな二羽。」と定められたところに従って犠牲をささげるためであった。

 

これがイザヤ11:1の預言の成就になっています。
ダビデの子(子孫)』として誕生されたイエスですが、ダビデ王朝のときのような繁栄はなく、贖いとしての子羊一頭買うことのできない貧しさの中でお生まれになりました。それが『エッサイの根株』の意味です。


*若枝…ヘブル語:ナザレ(イエスのこと)

 

イザヤ書53:2ー彼は主の前に若枝のように芽ばえ、
砂漠の地から出る根のように育った。
彼には、私たちが見とれるような姿もなく、
輝きもなく、
私たちが慕うような見ばえもない。

 

新約聖書を読んでいたわかったようなつもりになっていても、一旦立ち止まって一つ一つのことばを旧約聖書のみことばから確認してみると、さらに理解が深まると思います。