サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

イエスの無原罪はどこから?

創世記1章を注意深く読むと、創造主なる神は『天と地』『第一の天と第二の天』『海と陸地』『種別』『男と女』など、区別されていることが分かります。

 

出エジプト記になると、アブラハムーイサクーヤコブから出る『イスラエルの民』と『エジプトの民=異邦人』を区別されています。

 

このような『区別』があることをしっかりと理解した上で、出エジプト後の出来事を読み進んで行くと、十戒から始まる『モーセの律法』は異邦人にではなく、イスラエルの民に命令されたものだということに気づくでしょう。

 

そして、レビ記ではどういう人が『イスラエル人』なのか…両親がアブラハムーイサクーヤコブの子孫でなければならないのか?

父親がイスラエル人であれば、その子もイスラエル人となるのか?

母親がイスラエル人であれば、その子はイスラエル人となるのか?

聖書的な『イスラエル人』とは、どういう人を指すのかがわかります。

 

まず、『イスラエル人』の大前提は、『アブラハム契約』にあります。

つまり、神がアブラハムに何を約束され、その契約を誰が継承したのか?

その継承者が『イスラエル人=神の選びの民』となります。

 

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 神がアブラハムに約束されたのは、三つのこと。
①子孫…正妻サラとの間に生まれる約束の子(=イサク)から出る子が、契約の継承者となり、アブラハムの子孫と呼ばれるようになる。

 

創世記21:12ーすると、神はアブラハムに仰せられた。「その少年と、あなたのはしためのことで、悩んではならない。サラがあなたに言うことはみな、言うとおりに聞き入れなさい。イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるからだ。

 

②土地アブラハムとイサクから出る子孫に与えると約束された土地は、歴史上まだ成就していません。これは黙示録20章の千年王国で初めて成就するものです。

 

創世記15:18ーその日、はアブラムと契約を結んで仰せられた。

「わたしはあなたの子孫に、この土地を与える。

エジプトの川から、

あの大川、ユーフラテス川まで。

 

③祝福アブラハム契約は、彼の行いに関係なく『無条件』に神から与えられた約束です。そして、異邦人はアブラハムとその契約の継承者である『イスラエルの民』を祝福する者が、祝福されます。

 

創世記12:1~3はアブラムに仰せられた。

「あなたは、

あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、

わたしが示す地へ生きなさい。

そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、

あなたを祝福し、

あなたの名を大いなるものとしよう。

あなたの名は祝福となる。

あなたを祝福する者をわたしは祝福し、

あなたをのろう者をわたしはのろう。

地上のすべての民族は

あなたによって祝福される。」

 

神は当時の人々に中から『アブラハムを選び』、八人いる息子たちの中から『イサクを選び』、その双子の兄弟の中から『ヤコブを選び』、ヤコブから出た十二人の息子たちから生まれた者が『イスラエル民族』となりました。

それは彼らをエジプトの奴隷生活から救い出し、エジプトの偶像の神々ではなく、ご自身が生きて働かれる真の神であることを彼らに示し、彼らを『真の神を礼拝する民』とするためでした。

そして、神の民イスラエルを通して異邦人を救い、祝福するというご計画をお持ちなのです。

 

では、この壮大な『アブラハム契約』を継承する『イスラエルの民』の条件は何でしょう?

 

レビ記24:10ーさて、イスラエルの女を母とし、エジプト人を父とする者が、イスラエル人のうちに出たが、このイスラエルの女の息子と、あるイスラエル人とが宿営の中で争った。

 

宿営の中で起きた争いは『イスラエルの女の息子』と『イスラエル人』と区別されています。

 

使徒16:1~2ーそれからパウロはデルベに、次いでルステラに行った。そこにテモテという弟子がいた。信者であるユダヤ婦人の子で、ギリシャ人を父としていたが、

ルステラちイコニオムとの兄弟たちの間で評判の良い人であった。

 

パウロの愛弟子テモテは、父親がギリシャ人であったため、異邦人への使徒となったパウロが書簡を記しています。(ユダヤ人信者宛の書簡は、パウロ以外の使徒たちが記しています)

テモテはユダヤ人(イスラエル人)の祖母と母から信仰を受け継ぎました。

 

Ⅱテモテ1:5 ー私はあなたの純粋な信仰を思い起こしています。そのような信仰は、最初あなたの祖母ロイスと、あなたの母ユニケのうちに宿ったものですが、それがあなたのうちにも宿っていることを、私は確信しています。

 

聖書的には、テモテは父親がギリシャ人のため『異邦人』となりますが、イエスをメシアだと信じる信仰により、母方の『ユダヤ人』としてアブラハム契約のしるしである割礼を受けて、パウロとともに伝道しました。

 

使徒16:3パウロは、このテモテを連れて行きたかったので、その地方にいるユダヤ人の手前、彼に割礼を受けさせた。彼の父がギリシャ人であることを、みなが知っていたからである。

 

つまり、イスラエル人か否かは、母方ではなく、父方がイスラエル人であることが大事なのです。

それが理解できると、エジプトがイスラエル人に生まれた赤ん坊のうち「男の子は殺し、女の子は生かしておけ」と命じた意味もわかってきますね。

イスラエル人男性の子であっても女児の場合、その子が産んだ子が必ずしもイスラエル人にはならないわけです。

 

父親がだれかということが重要であるならば、キリスト・イエスの場合、父親はマリヤの夫ヨセフではなく、天の父なる神です。

ヨセフは地上生涯における『養父』として、神がふさわしいと認め、幼子イエスを託されました。

 

マタイ1:18~19イエス・キリストの誕生は次のようであった。その母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに、聖霊によって身重になったことがわかった。

夫のヨセフは正しい人であって、彼女をさらし者にはしたくなかったので、内密に去らせようと決めた。

 

ルカ3:23aー教えを始められたとき、イエスはおよそ三十歳で、人々からヨセフの子と思われていた。

 

マタイ1章の系図は『養父ヨセフの系図』であり、そこには二つの重要なことが記されています。

イスラエル人であるか否かは、父親がイスラエル人か否かによって決まるのなら、系図も当然男性の名前で記されるはずですが、ダビデーソロモンの系図までに『四人の異邦人女性の名前』が記されています。

それにより、ダビデの子孫として誕生するメシアには異邦人の血も入っていることがわかります。つまり、私たち異邦人とも遠い親戚関係にあるということです。

親族でなければ、買い戻しの権利はないため、これはとても重要です。

 

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さらに、マタイの系図には『エコニヤ』家系へと繋がり、イエスがヨセフとは血縁関係がないことの証明となっています。

 

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ルカ3章のマリヤの系図を見ると、ダビデからソロモンの弟ナタンへと繋がり、エコニヤに血は入りません。

そのため、将来地上再臨して千年王国の王の王に即位することが可能になります。

 

またこの系図が、創世記3:15の『女の子孫』として、人間の男性の胤を介さずに誕生するメシアであることを証明しているのです。

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つまり、イエスの人としての性質は、母マリヤから肉体を持って誕生したことによるものであり、

神としての性質は、聖霊によって天の父である『神のひとり子』として受け継いでいるのです。

 

父親が誰かが重要ですから、当然『無原罪』は天の父である神からであって、人間を父に持つ母マリヤからではないことがわかります。

マリヤもまた原罪を持つイスラエル人を父にしているのですから…。

 

何を聞いても、みことばが何といっているのかを確認することが重要です。

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