サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

種まきのたとえ 〜マタイ13:1~23〜

マタイ12:22~28ベルゼブル論争』が一つの分岐点となりました。

旧約聖書の律法が導き、預言者たちが預言していた『メシア』『女の子孫』として来られたイエスのみわざを、『悪霊のかしら=サタンのわざ』としてイエス様のメシア性を否定した当時のユダヤ教の指導者たちによって、イスラエルの民はイエスのメシア性を拒否しました。

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それまではイスラエルの群衆の前でメシアとしてのみわざを行い、群衆にわかるように教えておられたイエス様ですが、ベルゼブル論争を堺にたとえを用いて話すようになりました。

そして、その意味を求めて来る者に対してのみ、解き明かしをされました。

 

ルカ8:10ーそこでイエスは言われた。「あなたがたに、神の国の奥義を知ることが許されているが、ほかの者には、たとえで話します。彼らが見ていても見えず、聞いていても悟らないからです。

 

マタイ13:1~9は、群衆に向かっての『たとえ話』

マタイ13:10~53は、弟子たちに向かって『解き明かし』と『別なたとえと解き明かし』が語られています。

 

 

マタイ13:1ーその日、イエスは家を出て、湖のほとりにすわっておられた。

 

*家を出て…おそらくカペナウムの自宅

 

マタイ4:13ーそしてナザレを去って、カペナウムに来て住まわれた。ゼブルンとナフタリとの堺にある、湖のほとりの町である。

 

イザヤ書9:1~2ーしかし、苦しみのあった所に、やみがなくなる。先にはゼブルンの地とナフタリの地は、はずかしめを受けたが、後には海沿いの道、ヨルダン川のかなた、異邦人のガリラヤは光栄を受けた。

 やみの中を歩んでいた民は、大きな光を見た。

 死の陰の地に住んでいた者たちの上に

 光があった。

 

*湖ガリラヤ湖

ガリラヤ湖はほかに三つの呼び名があります。

・ゲネサレ湖ルカ5:1

・テベリヤ湖ヨハネ6:1

・キレネテ湖民数記34:11, 申命記3:17, ヨシュア記12:3, 13:27

 

 

マタイ13:2ーすると、大ぜいの群衆がみもとに集まったので、イエスは舟に移って腰をおろされた。それで群衆はみな浜に立っていた。

 

*イエスは〜腰をおろされた/群衆は〜浜に立っていた…当時は、教える人が座り、聴衆が立っていました。

 

 

マタイ13:3ーイエスは多くのことを、彼らにたとえで話して聞かされた。「種を蒔く人が種蒔きに出かけた。

 

すでに、当時の指導者であるパリサイ人たちの教えを信じ、イエスのメシア性を拒否した人々にはたとえで語られました。

 

*種…キリストの福音

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*種を蒔く人…イエス様ご自身、当時の弟子たち、奥義としての御国に住むすべての信者たち。 

 

一方、弟子たちにはたとえの意味を教えられました。

 

マタイ13:18ですから、種蒔きのたとえを聞きなさい。

 

  

マタイ13:4ー蒔いているとき、道ばたに落ちた種があった。すると鳥が来て食べてしまった。

 

*蒔いているとき…当時の種蒔きは、片手に種入れを抱え、もう片方の手で種を蒔き散らすような方法でした。ですから、種は四方八方に蒔かれました。

 

*鳥…象徴的には『サタン』を指す

  

マタイ13:19御国のことばを聞いても悟らないと、悪い者が来て、その人の心に蒔かれたものを奪って行きます。道ばたに蒔かれるとは、このような人のことです。

 

*悪い者…サタン

神の福音の種が芽を出して、福音を聞いた者が信仰を持たないよう取り去ってしまう働きをする。

 

 

【四つの土地の意味】…人間の四つの霊的状態

①道ばた…福音を聞いても、キリストを信じないことを選ぶ人々。

福音の真理は、自分自身の生活には関係がないと考える人々。

このような人々を、聖書は『生まれながらの人々』と記しています。

 

1コリント2:14ー生まれながらの人間は、神の御霊に属することを受け入れません。それらは彼には愚かなことだからです。また、それを悟ることができません。まぜなら、御霊のことは御霊によってわきまえるものだからです。

 

 

マタイ13:5ーまた、別の種が土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったので、すぐに芽を出した。

 

マタイ13:20また岩地に蒔かれるとは、みことばを聞くと、すぐに喜んで受け入れる人のことです。

 

マタイ13:6ーしかし、日が上ると、焼けて、根がないために枯れてしまった。

 

マタイ13:21ーしかし、自分のうちに根がないため、しばらくの間そうするだけで、みことばのために困難や迫害が起こると、すぐにつまずいてしまいます。

 

②岩地…福音は信じるものの、みことばに根ざした信仰を持たない人々。

みことばの乳から堅い食物に進もうとしない人々。

みことばの蓄え(理解力)が足りないため、困難や迫害が来ると容易に躓いてしまう人々。

このような信者を、聖書は『(霊的)幼子』だと記しています。

 

ヘブル5:13~14ーまだ乳ばかり飲んでいるような者はみな、義の教えに通じてはいません。幼子なのです。

しかし、堅い食物はおとなの物であって、経験によって良い物と悪い物とを見分ける感覚を訓練された人たちの物です。

 

 

 

マタイ13:7ーまた、別の種はいばらの中に落ちたが、いばらが伸びて、ふさいでしまった。

 

マタイ13:22また、いばらの中に蒔かれるとは、みことばを聞くが、この世の心づかいと富の惑わしとがみことばをふさぐため、実を結ばない人のことです。

 

③いばらの地… 福音を信じるけれどこの世のことに対する思いが強いため、霊的勝利を自分のものにできない人々。

信仰生活とこの世の生活とが、別区分になっている人々。

このような信者を、聖書は『肉の行い(を結ぶ人々)』だと記しています。

つまり、それは『肉に属する信仰』であり、みことばに従っていないので信者であることを証明する術の無い人々です。

 

ガラテヤ5:19~21ー肉の行いは明白であって、次のようなものです。不品行、汚れ、好色、

偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分派、分裂、

ねたみ、酩酊、遊興、そういった類のものです。前にもあらかじめ言ったように、私は今もあなたがたにあらかじめ言っておきます。こんなことをしている者たちが神の国を相続することはありません。

 

ヤコブ2:15~17ーもし、兄弟また姉妹のだれかが、着る物がなく、また、毎日の食べ物にもこと欠いているようなときに、

あなたがたのうちだれかが、その人たちに、「安心して行きなさい。暖かになり、十分に食べなさい」と言っても、もしからだに必要な物を与えないなら、何の役に立つでしょう。

それと同じように、信仰も、もし行いがなかったなら、それだけでは、死んだものです。

 

ヤコブ2:24ー人は行いによって義と認められるのであって、信仰だけによるのではないことがわかるでしょう。

 

ヤコブ2:26ーたましいを離れたからだが、死んだものであるのと同様に、行いのない信仰は、死んでいるのです。

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※口では「イエス様を信じています」と言いながら、行いが伴っていない人の信仰が本当に救いに至る信仰なのかどうかを判断するには、どのような『福音』を信じ、人々に伝えているのかを確認すると良いでしょう。

1コリント15:3~4パウロたち使徒が伝えた福音の三要素と異なる場合、それは『ほかの福音』信者であり、御霊の内住する本当信仰ではありません。

 

ガラテヤ1:8~9ーしかし、私たちであろうと、天の御使いであろうと、もし私たちが宣べ伝えた福音に反するなら、その者はのろわれるべきです。

私たちが前に言ったように、今もう一度私は言います。もしだれかが、あなたがたの受けた福音に反することを、あなたがたに宣べ伝えているなら、その者はのろわれるべきです。

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マタイ13:8ー別の種は良い地に落ちて、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結んだ。

 

マタイ13:23ところが、良い地に蒔かれるとは、みことばを聞いてそれを悟る人のことで、その人はほんとうに実を結び、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結びます。」

 

④良い地…みことばに根ざした信者。

みことばに根ざした信者は、必要な時に適切なみことばを適用することができます。

また行いが伴う信仰のため、周りの人々に良い影響を与え、多くのたましいが救いへと導かれます。

このような信者を、聖書は『御霊の実(を結ぶ人々)』と記しています。

つまり、『御霊に属する信仰』者です。

 

ガラテヤ5:22~23ーしかし、御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、

柔和、自制です。このようなものを禁ずる律法はありません。

 

マタイ13:9ー耳のある者は聞きなさい。」

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