サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

ダニエル書 10章

ダニエル10:1ペルシャの王クロスの第三年…9章から2年の月日が過ぎています。BC536年、ダニエルに一つのことばが啓示されました。ダニエルはその啓示のことばを理解し、その幻を悟っていました。

 

BC605年バビロンに捕囚に連れて来られたダニエルには、ネブカデネザル王により『ベルテシャツァル』ー(ベル…バビロンの偶像神の名。『彼の名には神が宿っている』の意。)と名づけられました。

 

しかしここではイスラエルのためにとりなしをしているので、ヘブル名の『ダニエル』という名が使われています。ここに神とイスラエル人ダニエルとの関係があるのです。

 

ダニエル10:2ー3週間の喪に服していた…捕囚からの帰還は、全部で3回ありました。

 

1)BC538年ーゼルバベルの指揮の下。帰還した多くがユダ族だったため、この時からイスラエル人は『ユダヤ人』と呼ばれるようになりました。

 

*ゼルバベル(ゾロバベル)…『バビロンの種』の意。イエス・キリスト(養父ヨセフ)の系図にマタイ1:12~13に名を残す『第二神殿』を建てた人物。

 

2)BC458年ーエズラの指揮の下。

 

3)BC445年ーネヘミヤの指揮の下。

 

ダニエル10:3ー次の4節を見ると『第一の月の二十四日』とあります。『第一の月』とは『ニサンの月』のことですから、ちょうど過越の祭りの時期であることがわかります。

 

過越の祭りは、食事をして楽しむ祭りですが、その時期にダニエルは断食していたことになります。それほど、ダニエルは神殿建設が思ったように進んでいないことを知り、落胆していたということでしょう。と同時に、断食の祈りを捧げていたのです。

 

ダニエル10:4ー第一の月の二十四日…ニサンの月の二十四日のこと。

過越の祭りは『ニサンの月の十四日』ーcf レビ23:5、それに続き『種を入れないパンの祭り』ーcf レビ23:6~8 が七日間行なわれます。

 

ダニエルは幻を見たのはその直後でした。

ヒデケル川…ティグリス川のこと。

 

ダニエル10:5~6ー亜麻布の衣を着、腰にはウファズの金の帯を締めひとりの人…黙示録1:13~16ヨハネが見た『方』と似ているため、受肉前のキリストだと考える人もいます。しかし、ダニエル10:13を見ると、天使ミカエルの助けを必要としているので、キリストではあり得ません。

 

cf 黙示録1:13ーそれらの燭台の真中には、足までたれた衣を着て、胸に金の帯を締めた、人の子のような方が見えた。

 黙示録1:14ーその頭と髪の毛は、白い羊毛のように、また雪のように白く、その目は燃える炎のようであった。

 

cf 黙示録1:15ーその足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようであり、その声は大水の音のようであった。

黙示録1:16ーまた、右手に七つの星を持ち、口からは鋭い両刃の剣が出ており、顔は強く照り輝く太陽のようであった。

 

《ひとりの人の特徴》

亜麻布の衣…『清さ』を象徴。

祭司の服…cf レビ記16:4-聖なる亜麻布の長服を着、亜麻布のももひきをはき、亜麻布の飾り帯を締め、亜麻布のかぶり物をかぶらなければならない。これが聖なる装束であって、彼はからだに水を浴び、それらを着ける。

 

ダビデの服…cf Ⅱ サムエル6:14-ダビデは、主の前で、力の限り踊った。ダビデは亜麻布のエポでをまとっていた。

 

御使い…cf エゼキエル9:2-見ると、六人の男が、おのおの打ちこわす武器を手に持って、北に面する上の門を通ってやって来た。もうひとりの人が亜麻布の衣を着、腰には書記の筆入れをつけて、彼らの中にいた。彼らははいって来て、青銅の祭壇のそばに立った。

 

ウファズの金の帯…『ウファズ』は地名。位置不明。ウファズ産の金の帯。普通は、王族がまとっていた。

 

からだは緑柱石のよう…超自然性を表わす。

 

顔はいなずまのよう…シャカイナグローリー(神の栄光)の反映。

 

目は燃えるたいまつのよう…洞察力を表わす。

 

腕と足は、みがきあげた青銅のよう…裁きの象徴。

 

その声は群衆の声のよう…とどろくような声。

 

ダニエル10:7ーこの幻を見たのはダニエルだけでした。周りにいた人々は、異様な様子に震え上がり、逃げ去ってしまいました。

 

ダニエル10:8ー大きな幻を見たダニエルは、からだから力が抜け、顔色を失いました。

 

ダニエル10:9ーダニエルは、その御使いの声を聞いた時、意識を失い、うつぶせに倒れました。

シャカイナグローリーに触れた人間の反応だと思われます。

 

ダニエル10:10ーその御使いは手を伸ばし、ダニエルのひざと手をゆさぶりました。*天使がダニエルに触れるー①

 

ダニエル10:11ー「神に愛されている人ダニエルよ。」と、その御使いは神のことばを伝えるために遣わされて来たことを告げました。ダニエルは震えながら立ち上がりました。

 

ダニエル10:12ーあなたが心を定めて悟ろうとし、あなたの神の前でへりくだろうと決めたその初めの日…ダニエルの祈りは、21日前に断食を始めた時から聞かれていたこと、そのために自分は遣わされて来た、と告げました。

 

cf 使徒10:4ー彼は、御使いを見つめていると、恐ろしくなって、「主よ。何でしょうか。」と答えた。すると御使いはこう言った。「あなたの祈りと施しは神の前に立ち上って、覚えられています。

 

cf ヨハネ5:14~15何事でも神のみこころにかなう願いをするなら、神はその願いを聞いてくださるということ、これこそ神に対する私たちの確信です。

私たちの願う事を神が聞いてくださると知れば、神に願ったその事は、すでにかなえられたと知るのです。

 

ダニエル10:13ペルシャの君…ペルシャを守る守護天使(この場合は『墮天使』)。

第一の君のひとり…個々の国や民を守る『良い守護天使』で、多勢存在する中のひとり。

ミカエル…『誰が神のようであろうか』の意。ミカエルはイスラエルの守護天使であり、天使長でもあります。

 

ダニエル10:14ー終わりの日…ダニエルが生きていた時代からみると、遠い将来の『神の裁き』の時に、イスラエルに何が起こるかという預言でした。

 

ダニエル10:15ーダニエルは疲れを覚え、うつむいて何も言えませんでした。

 

ダニエル10:16ー人の姿をとった者が、私のくちびるに触れた…*天使がダニエルに触れるー②

その結果、ダニエルは口を開いて話し出すことができた。ダニエルが話した内容は、この幻によって苦痛に襲われ、力を失ってしまいました。

 

ダニエル10:17ーこのまま会話を続けたら、自分は死んでしまう、というものでした。

主…原語では『アドニ…ご主人様』の意。受肉前のキリストではありません。

 

ダニエル10:18ー人間のように見える者が、再び私に触れ…*天使がダニエルに触れるー③

結果、力づけられました。

 

ダニエル10:19ー神に愛されている人よ…*ダニエルが『神に愛されている人よ』と呼びかけられるのも、これで三度目です。

cf ①ダニエル9:23、②ダニエル10:11。

 

恐れるな。安心せよ。強くあれ。強くあれ。…この励ましの言葉によって、ダニエルは奮い立ちました。

 

私たちクリスチャンもダニエルと同じように『神に愛されている人』です。

cf ローマ1:7ーローマにいるすべての、神に愛されている人々、召された聖徒たちへ。

私たちの父なる神と主イエス・キリストから恵みと平安があなたがたの上にありますように。

 

cf 1テサロニケ1:4ー神に愛されている兄弟たち。あなたがたが神に選ばれた者であることは私たちが知っています。

 

ダニエル10:20ー回復したダニエルに、御使いミカエルはメッセージを伝えました。

ミカエルは今、『ペルシャの君(墮天使)と戦っており、すぐに戻らなければならなかったのです。

 

*神様はすべての民の、国のために『守護天使』を配置されています。何事も神様のコピーで反逆を企むサタンも、自らの悪い目的のために、全ての民、国に墮天使を配置しています。

 

ペルシャの君(墮天使)』の敗北は、すなわちバビロン帝国を倒したペルシャという国の敗北を意味します。ペルシャを倒す『ギリシャの君(墮天使)』との戦いが、次に始まるということです。

 

ダニエル10:21真理の書…天にある書物。神様の歴史に対するご計画、過去・現在・未来の出来事が記されており、私たちに与えられている『聖書』は、その『真理の書』からの一部抜粋された真理。

 

この天使は、ペルシャの君(墮天使)と戦っていましたが、援軍に来てくれたのはイスラエルの守護天使であるミカエルだけでした。ミカエルが来てくれたので、自分は戦いを抜けてダニエルに伝言しに来ることが出来たのです。cf ダニエル10:13~14。