未だに「クリスチャンは万民祭司です」と教える教会があったり、それを鵜呑みにする信徒が多くいるので、聖書から確認したいと思います。
『万民祭司』説を唱える人たちが拠り所としている聖句は1ペテロ2:9です。
1ペテロ2:9ーしかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。それは、あなたがたを、やみの中から、ご自分の驚くべき光の中に招いてくださった方のすばらしいみわざを、あなたがたが宣べ伝えるためなのです。
ペテロ書簡は第一、第二ともに、イスラエル国外に散っているユダヤ人信者(ディアスポラのメシアニックジュー)宛てです。
異邦人信者宛てではありません。
1ペテロ1:1~2ーイエス・キリストの使徒ペテロから、ポント、ガラテヤ、カパドキヤ、アジヤ、ビテニヤに散って寄留している、選ばれた人々、すなわち、
父なる神の予知に従い、御霊の聖めによって、イエス・キリストに従うように、またその血の注ぎかけを受けるように選ばれた人々へ。どうか、恵みと平安が、あなたがたの上にますます豊かにされますように。
Ⅱペテロ3:1ー愛する人たち。いま私がこの第二の手紙をあなたがたに書き送るのは、これらの手紙により、記憶を呼びさまさせて、あなたがたの純真な心を奮い立たせるためなのです。
『選ばれた種族』『王である祭司』『聖なる国民』『神の所有とされた民』という元の聖句は、出エジプト記19:5~6にあります。
出エジプト記19:5~6ー今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。
あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである。」
*わたしの契約を守るなら…これから結ばれる『モーセ契約』の613ある律法
(出エジプト記20:2~17の『十戒』はその最初の十の戒め)
*あなたがた…神が契約を結ばれた民族は、イスラエルだけ。異邦人と結んだ契約は一つもありません。
*すべての国々…異邦人諸国
ここには『イスラエル人』と『異邦人』の区別があります。
*わたしの宝…聖書では常に神の選びの民イスラエルに対して使われる表現。
マラキ書3:6ー主であるわたしは変わることがない。ヤコブの子らよ。あなたがたは、滅ぼし尽くされない。
マラキ書3:17ー「彼らは、わたしのものとなる。--万軍の主は仰せられる--わたしが事を行う日に、わたしの宝となる。人が自分に仕える子をあわれむように、わたしは彼らをあわれむ。
神が『祭司の王国、聖なる国民になる』と語っておられるのは、『イスラエル人』に対してです。もし、ここを『霊的イスラエル』として異邦人信者(クリスチャン)に当てはめるのなら、その人は神の命令に反いていることになります。
申命記4:2ー私があなたがたに命じることばに、つけ加えてはならない。また、減らしてはならない。私があなたがたに命じる、あなたがたの神、主の命令を、守らなければならない。
申命記12:32ーあなたがたは、私があなたがたに命じるすべてのことを、守り行わなければならない。これにつけ加えてはならない。減らしてはならない。
箴言30:6ー神のことばにつけ足しをしてはならない。
神が、あなたを責めないように。
あなたがまやかし者とされないように。
民数記8:24ー「これはレビ人に関することである。二十五歳以上の者は会見の天幕の奉仕の務めを果たさなければならない。
民数記4:30ー三十歳以上五十歳までの者で、務めにつき、会見の天幕の奉仕をすることのできる者たちすべてを登録しなければならない。
会見の天幕で奉仕の務めをするレビ人(祭司)は、25~30歳までの5年間は見習い期間だったと思われます。
一人前の祭司としてデビューするのは30歳、引退は50歳でした。
昇天後〜現在、第三の天にあるまことの聖所で大祭司としてとりなしておられる主イエスが、公生涯をスタートされたのもおよそ30歳の時でしたールカ3:23。
そして、祭司としてデビューする前には、七日間の『任職式』が行われました。
レビ記8:33~36ーまた、あなたがたの任職の期間が終了する日までの七日間は、会見の天幕の入口から出てはならない。あなたがたを祭司職に任命するには七日を要するからである。
きょうしたことは、あなたがたの贖いをするように主が命じられたとおりである。
あなたがたは会見の天幕の入口の所で、七日の間、昼も夜もとどまり、主の戒めを守らなければならない。死なないためである。私はそのように命じられたのである。」
こうしてアロンとその子らは、主がモーセを通して命じられたことを残らず行った。
万民祭司説を支持する人は、私たちがいつ、誰から任命されたと言うのでしょう?
万民祭司説を支持するクリスチャンたちは、見習い期間を過ごしましたか?
どこで任職式をしましたか?
クリスチャンになった瞬間から万民祭司の一員になるのでしょうか?
信仰を持ってすぐの状態を、聖書は『生まれたばかりの乳飲み子』だと言っています。
1ペテロ2:2ー生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、みことばの乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。
生まれた乳飲み子にそんな重大な任務を任せる人はいません。
信仰を持ってから地上生涯を終えるまでは、祭司になるための見習い期間なのです。
携挙直後に行われるキリストの御座の裁きにおいて、異邦人信者の中からも千年王国での祭司となるように任命される人がいます。
その人たちにとって、第三の天にあるまことの聖所で任職式となるのが、地上が七年間の患難時代の間、天で過ごすダニエルの預言の最後の一週間になります。
イザヤ書66:18~19ー「わたしは、彼らのわざと、思い計りとを知っている。わたしは、すべての国々と種族とを集めに来る。彼らは来て、わたしの栄光を見る。
わたしは彼らの中にしるしを置き、彼らのうちののがれた者たちを諸国に遣わす。すなわち、タルシシュ、プル、弓を引く者ルデ、トバル、ヤワン、遠い島々に。これらはわたしのうわさを聞いたこともなく、わたしの栄光を見たこともない。彼らはわたしの栄光を諸国の民に告げ知らせよう。
イザヤ書66:21ーわたしは彼らの中からある者を選んで祭司とし、レビ人とする」と主は仰せられる。
私たち異邦人信者の中から祭司となる人が出るのは、千年王国においてだと聖書ははっきりと記しています。全員ではありません。
みことばには無い、人の私的解釈による『万民祭司』説に惑わされることなく、千年王国で祭司となれるように、現在の信仰生活を忠実に歩んでいきましょう。