サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

イスラエル王国 最初と最後の五人の王たち

神はアブラハムと契約を結び、三つのことを約束されました。

①子孫の約束ーアブラハムの子孫を空の星、海の砂のように増やす。創世記15:5, 22:17

②土地の約束ーカナンの地をアブラハムとその子孫に与える。創世記17:8

ユーフラテス川からエジプトの川までをアブラハムの子孫に与える。創世記15:18

③祝福の約束ー地上のすべての民族は、アブラハムとその子孫によって祝福される。創世記12:3, 28:14

 

この契約を『アブラハム契約』と言い、神だけが契約を守る責任を負っている『片務契約』であるため現在でも有効であり、完全に成就するのは千年王国においてです。

聖書の『骨子』となる契約です。

 

飢饉のためわずか七十人でエジプトに移住したヤコブの一族は、430年間のエジプト滞在中に少なくとも二百万人以上の民族にまで増え、出エジプトを果たしました。

この段階で、子孫の約束はある程度成就したと言えるでしょう。

 

次に、カナンの地に入った時に、土地の約束もある意味成就しました。

道徳的、性的に堕落したカナン人の咎は、ヨシュアに率いられたイスラエルの民によって、神の裁きを受け聖絶されました。

そして、その地に『イスラエル』という国が建国され、当初は祭司たちやさばきつかさたちによるモーセの律法による神権政治として統治されていました。

 

神はユダ族から王を輩出するご計画でした。

創世記49:10ー王権はユダを離れず、

統治者の杖はその足の間を離れることはない。

ついにはシロが来て、国々の民は彼に従う。

 

しかし、イスラエルの民は「周囲の国々のように、自分たちにも王が欲しい」とサムエルに願い出ました。

 

サムエルは、イスラエルにおける『最後のさばきつかさ』であり、また『最初の預言者』でしたが、後継者となるサムエルの息子たちは父サムエルと同じ道に歩まず、賄賂を取ったりして裁きを曲げていました。1サムエル記8:1~3 

 

1サムエル記8:4~5ーそこでイスラエルの長老たちはみな集まり、ラマのサムエルのところに来て、

彼に言った。「今や、あなたはお年を召され、あなたのご子息たちはあなたの道を歩みません。どうか今、ほかのすべての国民のように、私たちをさばく王を立ててください。」

 

つまり、イスラエルの初代王サウルは、民の不信仰が原因で王となった人物でした。

1サムエル記8:7~9ー主はサムエルに仰られた。「この民があなたに言うとおりに、民の声を聞き入れよ。それはあなたを退けたのではなく、彼らを治めているこのわたしを退けたのであるから。

わたしが彼らをエジプトから連れ上った日から今日に至るまで、彼らのした事といえば、わたしを捨てて、ほかの神々に仕えたことだった。そのように彼らは、あなたにもしているのだ。

今、彼らの声を聞け。ただし、彼らにきびしく警告し、彼らを治める王の権利を彼らに知らせよ。」

 

神はサウル王を立てる前に、王の権利をイスラエルの民に説明し、警告を与えました。

1サムエル記8:11~18ーそして言った。「あなたがたを治める王の権利はこうだ。王はあなたがたの息子をとり、彼らを自分の戦車や馬に乗せ、自分の戦車の前を走らせる。
自分のために彼らを千人隊の長、五十人隊の長として、自分の耕地を耕させ、自分の刈り入れに従事させ、武具や、戦車の部品を作らせる。
あなたがたの娘をとり、香料作りとし、料理女とし、パン焼き女とする。
あなたがたの畑や、ぶどう畑や、オリーブ畑の良い所を取り上げて、自分の家来たちに与える。
あなたがたの穀物とぶどうの十分の一を取り、それを自分の宦官や家来たちに与える。
あなたがたの奴隷や、女奴隷、それに最もすぐれた若者や、ろばを取り、自分の仕事をさせる。
あなたがたの羊の群れの十分の一を取り、あなたがたは王の奴隷となる。
その日になって、あなたがたが、自分たちに選んだ王ゆえに、助けを求めて叫んでも、その日、主はあなたがたに答えてくださらない。」

 

こうして、サウルはイスラエルの初代王となりました。

1サムエル記13:1ーサウルは三十歳で王となり、十二年間イスラエルの王であった。

 

サウル王が王位から退けられた原因は、祭司職に対して越権行為を行なったためです。レビ記1章

1サムエル記13:8~9ーサウルは、サムエルが定めた日によって、七日間待ったが、サムエルはギルガルに来なかった。それで民は彼から離れて散って行こうとした。

そこでサウルは、「全焼のいけにえと和解のいけにえを私のところに持ってきなさい」と言った。こうして彼は全焼のいけにえをささげた。

 

そして、ユダ族のダビデが創世記49:10の預言どおり、二代目の王として即位しました。サウル王とダビデ王に油そそぎを行なったのがサムエルです。

 

イスラエル王国が、『北イスラエル王国』と『南ユダ王国』とに分裂した原因を招いたのは、ダビデの後を継いで王位に就いたソロモンでした。

彼は優れた王ではありましたが、晩年、異邦人の妻たちやそばめたちによって心を転じ、偶像崇拝に陥りました。1サムエル記11:1~10

1列王記11:3ー彼には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあった。その妻たちが彼の心を転じた。

 

祭司職に対する越権行為をしたサウル王の罪より、神が忌み嫌う偶像崇拝に陥ったソロモンの罪の方が重いのに、サウルは王位を退けられ、ソロモンは王として人生を全うした理由は、ダビデ契約のゆえです。

 

osusowake.hatenablog.com

 

ソロモンの罪の結果として、ソロモンの後継者となった三代目王レハブアムの時代に、イスラエル王国は二つに分裂しました。

1列王記11:11~13ーそれゆえ、主はソロモンに仰られた。「あなたがこのようにふるまい、わたしが命じておいたわたしの契約とおきてとを守らなかったので、わたしは王国をあなたから必ず引き裂いて、あなたの家来に与える。

しかし、あなたの父ダビデに免じて、あなたの存命中は、そうしないが、あなたの子の手からそれを引き裂こう。

ただし、王国全部を引き裂くのではなく、わたしのしもべダビデと、わたしが選んだエルサレムのために、一つの部族だけをあなたの子に与えよう。」

 

このことが、ソロモンの家来ヤロブアムの謀反を起こした時に成就しました。

1列王記11:26~14:31

 

1列王記15:1からは王国は分裂しているため、聖書は『◯◯王の第△△年に、□□がエルサレムで王となった』という書き方になっています。

北イスラエル王国の王なのか、南ユダ王国の王なのかを区別しながら読み解くことが重要です。

 

北イスラエルには神殿はなく、『高き所』を築いて動物のいけにえをささげたり、一般の人々の中から祭司となる者を任命しました。

1列王記12:31ーそれから、彼は高き所の宮を建て、レビの子孫ない一般の民の中から祭司を任命した。

 

したがって、イスラエルの最初の五人の王たちは次のとおりです。

                犯した罪

⒈ ベニヤミン族のサウル王 祭司職に対する越権行為

⒉ ダビデ王 家来ウリヤの妻に対する姦淫罪

⒊ ソロモン王 偶像崇拝

⒋ 南ユダ王国ーレハブアム王 強権的政治による王国分裂

⒌ 北イスラエル王国ーエフライム族のヤロブアム王 偶像崇拝への誘導

               (元ソロモンの家来)

 

北イスラエル王国には、全部で10王朝、19人の王たちが登場し、アッシリア捕囚となって、ついに、BC721年滅亡します。

その後、南ユダ王国はBC586年バビロン捕囚となって滅亡するまで単一王国となり、ダビデ王朝のみで20人の王たちが登場します。

 

北イスラエル王国には『善王』は一人も出ませんでしたが、南ユダ王国にはヒゼキヤ、ヨシヤ、ウジヤなど複数の『善王』を輩出しています。

 

バビロン捕囚の原因は、二つ。

①偶像崇拝の罪…Ⅱ列王記17:16~20, Ⅱ列王記21:11~15

②土地の安息違反の罪…レビ記26:34~35, Ⅱ歴代誌36:21

 

バビロン捕囚は、全部で三回。

①BC605年…王族、貴族を中心に捕囚民としました。

この時、バビロンに引いて行かれたの人々の中には、エホヤキム王、ダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤがいました。

ダニエル1:1~2ーユダの王エホヤキムの治世の第三年に、バビロンの王ネブカデネザルがエルサレムに来て、これを包囲した。
主がユダの王エホヤキムと神の宮の器具の一部とを彼の手に渡されたので、彼はそれをシヌアルの地にある彼の神の宮に持ち帰り、その器具を彼の神の宝物倉に納めた。

 

ダニエル1:3~6ー王は宦官の長アシュペナズに命じて、イスラエル人の中から、王族か貴族を数人選んで連れて来させた。
その少年たちは、身に何の欠陥もなく、容姿は美しく、あらゆる知恵に秀で、知識に富み、思慮深く、王の宮廷に仕えるにふさわしい者であり、また、カルデヤ人の文学とことばとを教えるにふさわしい者であった。
王は、王の食べるごちそうと王の飲むぶどう酒から、毎日の分を彼らに割り当て、三年間、彼らを養育することにし、そのあとで彼らが王に仕えるようにした。
彼らのうちには、ユダ部族のダニエル、ハナヌヤ、ミシャエル、アザルヤがいた。

 

②BC597年…エホヤキン王、エゼキエル、高官、有力者1万人、職人、鍛冶屋が捕囚民として引いて行かれました。

Ⅱ列王記24:12~15ーユダの王エホヤキンは、その母や、家来たちや、高官たち、宦官たちといっしょにバビロンの王に降伏したので、バビロンの王は彼を捕虜にした。これはネブカデネザルの治世の第八年であった。
彼は主の宮の財宝と王宮の財宝をことごとく運び出し、イスラエルの王ソロモンが造った主の本堂の中のすべての金の用具を断ち切った。主の告げられたとおりであった。
彼はエルサレムのすべて、つまり、すべての高官、すべての有力者一万人、それに職人や、鍛冶屋もみな、捕囚として捕らえ移した。貧しい民衆のほかは残されなかった。
彼はさらに、エホヤキンをバビロンへ引いて行き、王の母、王の妻たち、その宦官たち、この国のおもだった人々を、捕囚としてエルサレムからバビロンへ連れて行った。

 

③BC586年…ソロモンの神殿崩壊、エルサレム陥落。

南ユダ王国最後の王ゼデキヤが捕囚民となりました。

Ⅱ 列王記25:7~11ー彼らはゼデキヤの子らを彼の目の前で虐殺した。王はゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないで、バビロンへ連れて行った。
第五の月の七日--それは、バビロンの王ネブカデネザル王の第十九年であった--バビロンの王の家来、侍従長ネブザルアダンがエルサレムに来て、
主の宮と王宮とエルサレムのすべての家を焼き、そのおもだった建物をことごとく火で焼いた。
侍従長といっしょにいたカルデヤの全軍勢は、エルサレムの回りの城壁を取りこわした。
侍従長ネブザルアダンは、町に残されていた残りの民と、バビロンの王に降伏した者たちと、残りの群衆を捕らえ移した。

 

南ユダ王国最後の五人の王たち

⒈ ヨシヤ…BC640~609年即位/善王

Ⅱ 列王記22:1ーヨシヤは八歳で王となり、エルサレムで三十一年間、王であった。彼の母の名はエディダといい、ボツカテの出のアダヤの娘であった。

 

⒉ エホアハズ/ヨシヤ王の四男 個人名:シャルム…BC609年

Ⅱ 列王記23:31~32ーエホアハズは二十三歳で王となり、エルサレムで三ヶ月間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。

彼は、その先祖たちがしたように、主の目の前に悪を行なった。

 

⒊ エホヤキム/ヨシヤ王の次男 個人名:エルヤキム

Ⅱ 列王記23:34~36ーついで、パロ・ネコは、ヨシヤの子エルヤキムをその父ヨシヤに代えて王とし、その名をエホヤキムと改めさせた。エホアハズは捕らえられて、エジプトに来て、そこで死んだ。

エホヤキムは銀と金をパロに贈ったが、パロの要求するだけの銀を与えるためには、この国に税を課さなければならなかった。彼は、パロ・ネコに贈るために、ひとりひとりに割り当てて、銀と金をこの国の人々から取り立てた。

エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母のなはゼブダといい、ルマの出のペダヤの娘であった。

 

⒋ エホヤキン/エホヤキムの子 個人名:エコニヤ(ギリシャ語)、/エコヌヤ(ヘブル名)

Ⅱ 歴代誌36:9ーエホヤキンは十八歳で王となり、エルサレムで三か月と十日の間、王であった。彼は主の目の前に悪を行った。

 

*このエホヤキンについての詳細は、次のブログに記します。お楽しみに〜♪

 

⒌ ゼデキヤ/ヨシヤ王の三男 個人名:マタヌヤ

Ⅱ 列王記24:18 ~19ーゼデキヤは二十一歳で王となり、エルサレムで十一年間、王であった。彼の母の名はハムタルといい、リブナの出のエレミヤの娘であった。

彼は、すべてエホヤキムがしたように、主の目の前に悪を行った。

Ⅱ 列王記25:6~7ーそこでカルデヤ人は王を捕らえ、リブラにいるバビロンの王のところは彼を連れ上り、彼に宣告を下した。

彼らはゼデキヤの子らを彼の目の前で虐殺した。王はゼデキヤの目をつぶし、彼を青銅の足かせにつないで、バビロンへ連れて行った。

 

*カルデヤ人…バビロニア人のこと

 

南ユダ王国は、ダビデ契約のゆえに最後の王ゼデキヤに至るまで、ダビデ王朝で継承されてきました。

しかし、最後はエホヤキン王の息子ではなく、父方の叔父マタヌヤが王となり、バビロンの王によりゼデキヤと改名されました。

Ⅱ 列王記24:17ーバビロンの王は、エホヤキンのおじマタヌヤをエホヤキンの代わりに王とし、その名をゼデキヤと改めさせた。

 

…なのに、Ⅱ 歴代誌36:10では、エホヤキン王とゼデキヤ王の関係を『甥と叔父』ではなく、『兄弟』と訳出されています。

 

Ⅱ 歴代誌36:10ー年が改まるに及んで、ネブカデネザル王は使者を遣わし、彼を主の宮にあった尊い器とともにバビロンに連れて行った。そして、エホヤキンの兄弟ゼデキヤをユダとエルサレムの王とした。

 

*エホヤキンの兄弟…『兄弟』と訳すなら、エホヤキンではなく『エホヤキム』であるべきです。

エホヤキンのまま訳すなら、兄弟ではなく『叔父』と訳出すべきです。

 

新共同訳:Ⅱ 歴代誌36:9~10ー*ヨヤキン(*エホヤキン)は八歳で王となり、三か月と十日間エルサレムで王位にあった。彼は主の目に悪とされることを行った。

年が改まるころ、ネブカドネザル王は人を遣わし、彼を主の神殿に貴重な祭具類と共にバビロンに行かせ、その兄弟ゼデキヤをユダとエルサレムの王とした。

 

*その兄弟…ヨヤキンとゼデキヤは、『兄弟』ではなく、『甥と叔父』の関係です。

 

新改訳2,017年度版では、この節を次のように訳出しています。

『年が改まると、ネブカドネツァル王は使者を遣わして、主の宮にあった尊い器とともに彼をバビロンに連れて行った。そして、エホヤキンの親戚ゼデキヤをユダとエルサレムの王とした。』

 

⤴️…個人的には、この訳出が一番許容範囲かな、と思います。

(でも、スッキリしない💦)