*『神様のご計画』の表訂正:X 五旬節/ペンテコステ 使徒1:9 →O 使徒2:1~4
黙示録17:1ー大水の上にすわっている大淫婦…七年間の患難時代の前半の3年半、「大淫婦」と呼ばれる存在が、人々の霊的生活を支配します。七つの鉢を持つ七人の御使いの一人にヨハネは呼ばれ、次の2〜5節でヨハネは、その「大淫婦」の正体とそのさばきについての幻を見せられます。
この「大淫婦」の正体を分かり易くするためには、次の2〜5節を順番を少し変えて読んでみるといいと思います。まず、「大淫婦」の名前ですが、5節に記されています。
黙示録17:5ーこの「大淫婦」と呼ばれる女の額には、「すべての淫婦と地の憎むべきものとの母、大バビロン」という名が書かれてありました。「淫婦」と呼ばれる理由は、神さまから与えられている賜物を誤用するからです。この場合は、宗教の誤用のことです。
*賜物は、みなの益となるために、また教会の徳を高めるために、御霊によって与えられるものです。cf 1コリント12:3 , 7~11 & 14:12。
私たち、神の御子イエスを救い主(メシア=キリスト)と信じる者が「キリストの花嫁」であるのと同じように、この淫婦の正体は、反キリストを拝む(信じる)統一化された偽の教会、つまり「偽のキリストの花嫁」のことです。
黙示録17:1ー大水…全世界の諸国の民。cf 黙示録17:15ー御使いはまた私に言った。「あなたが見た水、すなわち淫婦がすわっている所は、もろもろの民族、群衆、国民、国語です。
つまり患難時代前半の3年半を、統一化された偽の教会が、世界の宗教を支配するということです。
黙示録17:2ー地の王たちは、この女と不品行を行ない…この「大淫婦」は、政治的な権力とも繋がっています。
不品行…霊的な意味で「偶像崇拝」を指します。
黙示録17:3ー御霊に感じたヨハネは、御使いにより荒野に連れて行かれます。(主イエスも公生涯の初期に御霊に導かれて荒野に行かれたことを思い起こさせますねーマタイ4:1~11)
するとそこでは、この女は獣に乗っていました。その獣は神を汚す名で満ちており、七つの頭と十本の角を持っていました。
獣…反キリストが支配する「政治的帝国」のこと。
黙示録17:4ー紫と緋の衣…金持ちを現す。cf ルカ16:19。 金と宝石と真珠…金持ちの贅沢品。 *金…直訳:金めっきの、の意。 外面を飾る富はあっても、霊的には貧しい状態。
黙示録17:6ー聖徒たちの血とイエスの証人たちの血に酔っている…大淫婦の特徴。患難時代の前半3年半の間に、イエスを信じるがゆえに殉教した聖徒たちは、この大淫婦によって殺されるということです。
cf 黙示録6:9~11ー第五の封印の殉教者たちと同じ人々であり、彼らは患難時代に入ってから14万4千人のユダヤ人の伝道によって救われた人々です。患難時代にも救いはありますが、救われる異邦人の多くがこの大淫婦によって迫害され、殉教の死を遂げるという命がけの信仰となるのです。
そのことを思う時、今の「恵みの時代」に主を信じ、救われたということが、どれほど大きな恵みであるかを実感します。ですから、愛する家族、友人、知人、同僚など、ひとりでも多くの人に同じ恵みに預かって欲しいと願って止みません。どうか「今日」という日に彼らのたましいが救われますように。
偽の教会(現在でも異端として存在しますが…)と政治権力とが一致して、世界を支配するのが、携挙(キリストの空中再臨)の後に来る患難時代の状態です。しかしこの大淫婦(大バビロン)が支配するのは、七年間という期限付きであり、必ず滅ぼされる時が来ます。我らの主イエスは、勝利の王です!
黙示録17:8ー獣…黙示録の中では、「反キリスト」をも、また反キリストによって支配される「帝国」をも指す言葉。ここでもこの二つの意味で使われています。
この「獣」は、ダニエル書7章の「第四の獣」、黙示録13章に出て来た「獣」と同じです。
あなたの見た獣は、昔はいたが、今はいません。しかし、やがて底知れぬ所から上って来ます。…これはイエスが十字架の死から復活したように「反キリスト」もまた復活することを意味しています。すべてにおいて三位一体なるまことの神の真似をするのが、偽(悪)の三位一体なのです。その反キリストも最後は滅びます。
余談になりますが、あまり知られていないことですが、黙示録を理解するのにとても大切なことなので、補足しておきたいと思います。*三位一体の神に敵対するサタンは、「偽の三位一体」を形成しているということは、以前説明した通りです。
聖書の中の「原初福音」と言われる創世記3:15ー「女の子孫とサタンの子孫との間に、敵意を置く。」
子孫(種)…通常は男性につく言葉(男性の系図)です。それをわざわざ「女の子孫」と言っているのは、メシア(救い主)は、人類の中の女から生まれるものとしての預言です。
それが何百年も経ってから「メシアは処女から生まれる」と初めて明らかにされました。cf イザヤ7:14。
*つまりメシアは、生物学的には人間の母から生まれるが、父はいないということです。(女性のみから誕生するということ)
【解釈学】同じ節に同じ言葉が2回出て来る場合、両方とも「同じ意味」となります。創世記3:15ー「女の子孫」→メシアの誕生は、超自然的な懐妊による。であるなら、同じ節にある「お前(サタン)の子孫」もメシアの誕生と同じく、超自然的な誕生になるという解釈になります。
cf Ⅱテサロニケ2:9ー不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、
と、そのことに触れてあります。
ですから、反キリストの生涯をイエス・キリストの生涯と比較しながら読むと、あくまでも三位一体なる神に敵対しようと、サタンが形成する偽の三位一体を理解し易くなると思います。反キリストは、その誕生だけでなく、死と復活までもコピーして人々を惑わすからです。
黙示録17:8ー底知れぬ所から上ってきます…cf 黙示録13:1~3ーその(七つの頭を持つ獣の)頭の一つは打ち殺されたかと思われたが、その致命的な傷も直ってしまった。そこで全地は驚いて、その獣に従い、
いのちの書に名を書き記されていない者…不信者。
つまり、神を信じない者たちは、反キリストが死んで復活したのを見て驚き、反キリストに従うようになるということです。
このことも十字架で死なれ、復活された主イエスを見て、弟子たちが驚いたように、また主に従うようになったのをコピーしたかのようです。
黙示録17:9ー七つの頭…七人の王たちのこと。
黙示録17:10ー五人はすでに倒れた…ヨハネが生きていた当時、すでに五人の王たち(エジプト、アッシリヤ、バビロン、メド・ペルシャ、ギリシャの王たち)は過去の人となっていました。
ひとりは今おり…当時、支配していたのは第六番目の王(ローマ)で、第七番目の王(反キリスト)はまだ来ていません。
この第七番目の王が「反キリスト」です。
しばらくの間とどまる…患難時代の後半の3年半、反キリストが政治的にも宗教的にも、世界を支配することになります。
cf ルカ4:5~6ーまた、悪魔はイエスを連れて行き、またたくまに世界の国々を全部見せて、こう言った。「この国々のいっさいの権力と栄光とをあなたに差し上げましょう。それは私に任されているので、私がこれと思う人に差し上げるのです。
cf 1ヨハネ5:19ー私たちは神からの者であり、全世界は悪い者の支配下にあることを知っています。
黙示録17:11ー彼は八番目でもありますが、先の七人のうちのひとりです…次の12節で、ヨハネが見た十本の角は十人の王たちだと解き明かされています。その角の中で、反キリストは八番目であり、七番目の頭(王)だという意味です。
黙示録17:12ー十本の角…同じ時代に生きる王たちのこと。
cf ダニエル7:20ーその頭には十本の角があり、もう一本の角が出て来て、そのために3本の角が倒れた。その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。
ダニエル書によると十本の角のうち3本は、次に出て来た角によって倒されます。この第十一番目の角が、反キリストです。3本の角が倒れたので、残りは七本となり、反キリストの角が八番目ということになります。
黙示録17:12ー3本の角が倒されたのを見た残りの七本の角(王たち)は、恐れをなして反キリストに加担して、共に世界を支配するようになるのです。
しかしその支配は「一時だけ」…つまり反キリストと共に彼らが王の権威を受ける期間は短期間だけです。
しかし、主イエス・キリストを信じる私たち信者は、キリストと共に千年の間、王となるのです。cf 黙示録20:6。ハレルヤ!アーメン。
黙示録17:13ーこの王たちは心を一つにしていて、自分たちの権威も力も反キリストに与えて従うのです。反キリストの言いなりということです。
黙示録17:14ー反キリストに従う王たちは、恐怖心のゆえに盲従しますが、キリストに従う者たちは、恐怖心からではなく、神によって召され、選ばれ、自らの自由意志により神に忠実な者たちです。
反キリストに従う王たちは神の小羊と戦いますが、勝つのは小羊です。小羊は主の主、王の王だからです
黙示録17:15ー反キリストの野望は、世界を支配して、神のようになることです。cf イザヤ14:12~15。
大水…もろもろの民族、群衆、国民、国語のこと。偽の教会が世界中の人々の信仰を支配しているということ。また政治権力からの指示も得ています。
ところが、患難時代中間になると政治権力側に異変が起こり、十本の角である王たちが反キリストに支配権をゆだね、反キリストを世界の統治者として認める動きに出ます。政治的権力を得た反キリストは宗教的権力も手に入れようとし、やがて反キリストによる独裁的世界支配が実現します。
こうして、患難時代後半に突入する準備が整うことになるのです。
黙示録17:16ー世界を宗教的に支配していた大淫婦である偽の教会は、十本の角(王)と獣(反キリスト)によって滅ぼされます。
黙示録17:17ー十人の王たちが反キリストに加担する理由が述べられています。それは「神が、彼らにそのような思いを与え、ご自身のみこころを行なっておられるからだ」と。ここからも、神が歴史を支配しておられることが分かります。
黙示録17:18ーここで再び、ヨハネが見たあの大淫婦は、地上の王たちを宗教的に支配する大きな都、大バビロンであり、偽のキリストの花嫁であることが確認されます。