サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

Ⅱ テサロニケ人への手紙 〜2:1~17〜

テサロニケの教会にこの第二の手紙が書かれた理由は、現代のように『主の日』を誤解する人々が出て来たからです。

 

「終末に関する解釈は、信仰を二分する。」とまで言われますが、神様は信者の信仰を二分するために終末預言を聖書に入れたのではありません。信者がみことばを正しく理解し、終末に備えながら霊的覚醒して、主にある救いの確信に基づく平安のうちに、喜びをもって歩むためです。それには、みことばをみことばによって確認しつつ、一部だけを強調するのではなく聖書全体の調和が取れる解釈をしていく必要があります。

 

 

Ⅱテサロニケ2:1ーさて兄弟たちよ。私たちのイエス・キリストが再び来られることと、私たちが主のみもとに集められることに関して、あなたがたにお願いすることがあります。

*キリストが再び来られる…多くの人はこう聞くと『再臨』ということばを思い浮かべるでしょう。しかし、パウロは1テサロニケ人への手紙4:16~17で『空中再臨=携挙』について話しています。ここでも続いて『私たちが主のみもとに集められる』と言っているので、時系列を考えるとここでの『キリストが再び来られる』とは、『空中再臨』を指していることがわかります。

 

空中再臨と地上再臨との間には、七年以上時間差があります。それは『空中再臨=携挙』が患難時代の始まりではなく、反キリストとイスラエルの七年契約締結時が始まりとなるからです。詳しく知りたい方は、こちらからどうぞ。

携挙〜患難時代〜再臨〜復活 - サザエのお裾分け

 

 

Ⅱテサロニケ2:2ー霊によってでも、あるいはことばによってでも、あるいは私たちから出たかのような手紙によってでも、主の日がすでに来たかのように言われるのを聞いて、すぐに落ち着きを失ったり、心を騒がせたりしないでください。

 *主の日…七年間の『患難時代』を指すことば。『日曜日』のことではありません。

詳しくは、こちらから…主の日 - サザエのお裾分け

 

*落ち着きを失ったり、心を騒がせたり…パウロは前の手紙で『主の日が、いつ起こるのか誰にもわからない』と知らせていました。

1テサロニケ1:2~3ー主の日が夜中の盗人のように来るということは、あなたがた自身がよく承知しているからです。

人々が「平和だ。安全だ。」と言っているそのようなときに、突如として滅びが彼らに遅いかかります。ちょうど妊婦に産みの苦しみが臨むようなもので、それをのがれることは決してできません。

 

ところが、その後 主の日がすでに来たかのように言う人々が出て来たのです。それを聞いて信じた人々は、自分たちは『携挙』の恵みに漏れたのだと動揺してしまいました。

 

 

Ⅱテサロニケ2:3だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。

*だれにも、どのようにも、だまされないように… 終末について、携挙について、患難時代について、キリストの地上再臨について、千年王国について、様々な解釈がありますが、その解釈が聖書全体と調和がとれているか否か、みことばで確認することにより『真理』にとどまることができるのです。

 

*主の日が来る前に起こること

①背教、②不法の人=滅びの子…反キリストが現われる。

だからまだ『主の日』は来ていない、とパウロは教えています。

 

 

Ⅱテサロニケ2:4は、すべての神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。

 *彼…反キリスト。

 

 

*神の宮…(第三)神殿。
患難時代中期に、反キリストは神殿に自分の獣の像を設置し、拝むように命じます。

ダニエル9:27ー彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現われる。ついに、定められた絶滅が荒らす者の上にふりかかる。

*反キリストは、七年間(一週の間)イスラエルと契約を結びます。この契約締結には、イスラエルの多くの者が賛成します。しかし、イスラエルは神の契約の民ですから、反キリストと契約を結ぶということは、二重契約を結ぶことになります。この七年間の契約が締結されると『患難時代』の幕開けとなります。

『半週』とは、七年間の半分の3年半。つまり、患難時代前半の3年半には、エルサレムに『第三神殿』が建ち、いけにえやささげ物などモーセの律法に基づいて機能していることになります。

しかし、ちょうど中間の3年半経つと、ユダヤ教に基づく祭儀がやめさせられ、代わりに反キリストの獣の像が至聖所に据えられ、偶像崇拝を強要されるようになります。このことを主イエスもユダヤ人たちに警告として語られています。

 

マタイ24:15~16ーそれゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)

そのときには、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。

*この時、ユダヤ人たちに『逃れの場』として備えられている『山』が、エドム人の地ボツラ(現南ヨルダン、ペトラ)です。

 

なぜなら、この反キリストの獣の像を拝まない者はみな、殺されるからです。

黙示録13:14~15ーまた、あの獣の前で行なうことを許されたしるしをもって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を受けながらもなお生き返ったあの獣の像を造るように、地上に住む人々に命じた。

それから、その獣の像に息を吹き込んで、獣の像がものを言うことさえもできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。

 

*メシアを信じないユダヤ人たちはまだ、モーセの律法に従って生きていますから、偶像崇拝はしません。だからこそ、イエス様は彼らに『山に逃げるように』と警告されたのです。患難時代中期にボツラに逃げ延びた1/3のユダヤ人たちが、イスラエルの『レムナント』であり、彼らがボツラでイエスをメシアだと信じた時にキリストの地上再臨が起こるのです。

 

 

Ⅱテサロニケ2:5ー私がまだあなたがたのところにいたとき、これらのことをよく話しておいたのを思い出しませんか。

*これらのこと…内容としては、

ローマ13:11~12ーあなたがたは、今がどのような時か知っているのですから、このように行ないなさい。あなたがたが眠りからさめるべき時刻がもう来ています。というのは、私たちが信じたころよりも、今は救いが私たちにもっと近づいているからです。

夜はふけて、昼が近づきました。ですから、私たちは、やみのわざを打ち捨てて、光の武具を着けようではありませんか。

*光の武具…エペソ6章の『神の武具』七つ。

 

 

Ⅱテサロニケ2:6ーあなたがたが知っているとおり、がその定められた時に現れるようにと、いま引き止めているものがあるのです。

*彼…反キリスト。

 

*いま引き止めているものがある…二つの解釈があります。
聖霊…または聖霊の内住するクリスチャン。携挙により地上からいなくなると、反キリストが現われるとする。
②人間政府…患難時代中期に三人の王たちが倒されるまでが人間政府の期間。
反キリストは、サタンによって誕生します。cf Ⅱ テサロニケ2:9

 

*しかし、聖霊が悪を押さえつけているという役割はないので、聖霊とする説は、聖書から確認が取れない。

よって、おそらく②人間の政府であろうと思われます。

 

ダニエル7:20ーその頭には十本の角があり、もう一本の角が出て来て、そのために三本の角が倒れた。その角には目があり、大きなことを語る口があった。その角はほかの角よりも大きく見えた。

ダニエル7:23~25ー彼はこう言った。

『第四の獣は地に起こる第四の国。

これは、ほかのすべての国と異なり、

全土を食い尽くし、

これを踏みつけ、かみ砕く。

十本の角は、この国から立つ十人の王。

彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。

彼らは先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す。

彼は、いと高き方に逆らうことばを吐き、

いと高き方の聖徒たちを滅ぼし尽くそうとする。

彼は時と法則を変えようとし、聖徒たちは、*ひと時とふた時と半時の間、

彼の手にゆだねられる。*ひと時とふた時と半時…3年半。

 

*患難時代中期までは『人間の政府』が機能した状態が続きますが、十人の王建ちと反キリストとの間に戦争が起こると、反キリストは一度倒されます。しかし、すぐに復活して来て、エルサレムの二人の証人を殺し、三人に王を倒します。すると残りの7人の王たちが恐れて、反キリストに従うようになります。この時『人間の政府』の機能が崩れ、全世界は反キリストの支配下に置かれると考えられます。

 

 

Ⅱテサロニケ2:7ー不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。

*秘密ギリシャ語:ミステリオー=奥義。今まで隠されていたことが、明らかになること。

*引き止める者…人間の政府であろう。

 

 

Ⅱテサロニケ2:8その時になると、不法の人が現れますが、主は御口の息をもって彼を殺し、来臨の輝きをもって滅ぼしてしまわれます。

*その時…将来、必ず起こることを意味することば。ここでは患難時代中期のことを指します。

*来臨の輝き…患難時代の最後に地上再臨したキリストにより、反キリストは殺されます。

 

 

Ⅱテサロニケ2:9ー不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、

*イエスがメシアとしてのわざを示されたように、反キリストもさまざまな偽りのわざを行ない、人々を惑わします。それはサタンの働きによるのです。

 

マタイ11:5ー目の見えない者が見、足のなえた者が歩き、ツァラアトに冒された者がきよめられ、耳の聞こえない者が聞き、死人が生き返り、貧しい者たちに福音が宣べ伝えられている。

*これらは『メシア預言』であり、イエスによって成就した内容です。このような『しるし・奇跡』を行なったキリストの真似をして、反キリストは人々を惑わすのです。

 

Ⅱテサロニケ2:10ーまた、滅びる人たちに対するあらゆる悪の欺きが行われます。なぜなら、彼らは救われるために真理への愛を受け入れなかったからです。

*教会時代に『真理への愛』であるキリストを受け入れなかった者が、患難時代を通過させられ、患難時代でも主を拒む者が惑わされるのです。

 

 

Ⅱテサロニケ2:11ーそれゆえ神は、彼らが偽りを信じるように、惑わす力を送り込まれます。

*惑わす力…『偽りの三位一体』の働き。 神が行われたことを真似するので、人々は惑わされるのです。

御父 vs サタン。

キリスト(御子) vs 反キリスト。

御霊(聖霊) vs 偽預言者(悪霊)。 

 

 

Ⅱテサロニケ2:12ーそれは、真理を信じないで、悪を喜んでいたすべての者が、さばかれるためです。

*悪を喜んでいた…罪を手放したくない、の意。

 

 

Ⅱテサロニケ2:13ーしかし、あなたがたのことについては、私たちはいつでも神に感謝しなければなりません。主に愛されている兄弟たち。神は、御霊による聖めと、真理による信仰によって、あなたがたを、初めから救いにお選びになったからです。

 

*主に愛されている兄弟たち…信者に対する呼びかけ。

 

*初めから救いにお選びになった神はすべての人を救いへと招いておられますー恵みの要素。しかし、すべての人が神を信じるわけではありません。 『自己中心』という心が邪魔をして、神中心に信仰によって生きることを拒む人々がいるからです。『自己中心』に生きることから『神中心』に生きることに『考え方を変える決心をした人』が、信仰によって救われる人々です。神様の招きに『自由意志によって応答した人』を、神は『お選びになった』のであり、全知全能の神様だからこそ、誰がそのような決断する心を持った人なのかを『初めからご存知だ』という意味。

 

Ⅱテサロニケ2:14ーですから神は、私たちの福音によってあなたがたを召し、私たちの主イエス・キリストの栄光を得させてくださったのです。

イエス・キリストの栄光を得させてくださった…キリストの救いの完全性。先付けで約束されています。

 

 

Ⅱテサロニケ2:15ーそこで、兄弟たち。堅く立って、私たちのことば、または手紙によって教えられた言い伝えを守りなさい。

*私たちのことば、または手紙新約聖書。そこに書かれているのは『神のことば』です。

Ⅱテモテ3:16聖書はすべて、神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練とのために有益です。

 

ヨハネ20:31ーしかし、これらのことが書かれたのは、イエスが神の子キリストであることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じてイエスの御名によっていのちを得るためである。

 

 

Ⅱテサロニケ2:16ーどうか、私たちの主イエス・キリストと、私たちの父なる神、すなわち、私たちを愛し、恵みによって永遠の慰めとすばらしい望みとを与えてくださった方ご自身が、

Ⅱテサロニケ2:17ーあらゆる良いわざとことばとに進むよう、あなたがたの心を慰め、強めてくださいますように。

 

テサロニケ人への手紙2章は、テサロニケの兄弟たちの霊的成長を祈るパウロの祈りで終わります。