サザエ的大雑把な北イスラエル王国と南ユダ王国の「王朝と神殿の歴史のまとめ」です。かなり長いです。(^^;;
*鵜呑みにはせず、必ずご自分で確認してくださいー使徒17:11。
聖書は「へ〜!」「ふ〜ん!」「なるほどね!」と読めるところと、「ん?」「は?」「・・・」「???」というところがありますよね。特に、列王記や歴代誌には王様の名前が羅列されてて、どっちの国の王様だか分からなくなってきちゃう…(><)
まずは、よく出るイスラエルの12部族から。
ユダヤ人というのは、アブラハムーイサクーヤコブをご先祖様に持つ人たちのこと。ヤコブは双子の弟で兄はエサウ。空腹に耐えきれずに、たった1杯のレンズ豆のスープで大事な長子の権利を弟に譲ってしまいました
アブラハムーイサクーエサウの子孫は、エドム人。有名なのが、イエス誕生の時のイスラエルの王、ヘロデ大王です。ローマ政府からユダヤの王として任命されました。
彼は純粋なユダヤ人ではなかったので、東方の博士たちが「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおいでになりますか?」と訪ねて来た時、自分の地位が危ないと「恐れ惑った」のですーマタイ2:1~3。
ヤコブには4人の妻たちー母方の伯父ラバンの二人の娘たち(いとこ)、レアとラケル、そしてレアの女リベカ隷ジルパとラケルの女奴隷ビルハーから、12 人の息子たちが生まれます。
【兄弟順】・母:レアー1)ルベン、2)シメオン、3)レビ、4)ユダ。
・母:レアの女奴隷ジルパー7)ガド、8)アシェル。
・母:レアー 9) イッサカル、10)ゼブルン。
・母:ラケルー11)ヨセフ、12)ベニヤミン。
*レアとラケルは、姉妹。
詳細は、創世記30章にありますが、注目すべきは30章よりも49章です。そこでは、ヤコブが死ぬ前に、12人の息子たちを一人ずつ祝福しているからです。
創49:3~4ールベン。ヤコブの長子だが、父の寝床を汚し(父のそばめビルハと関係を持ったの意)、エサウ同様に長子の権利を失いました。
創49:5~6ー次男シメオン。最終的に、ユダに吸収される。レビ族と共に領地を持たない民となる。
三男レビ。祭司として、アロンやモーセが出て来る。モーセの姉は、ヘブル語:ミリアム。ギリシャ語:マリア。ユダヤ教のサドカイ派もレビ族からです。
創49:9~12ー四男ユダ。「杖」は権威の象徴。「シロ」はシャロ、シャロームーメシヤの意。王家の血統。ダビデ、ソロモン、御子イエスの先祖。
創49:13ー五男ゼブルン。ナザレの村がある
創49:14~15ー六男イッサカル。
創49:16ー七男ダン。士師サムソンの先祖
黙示録7章の12部族の中にダンの名前がないことから、偽預言者はダン部族から出ると教えられることもあります。しかし、聖書には黙示録の12部族からダンが落ちる理由は特に書かれていません。聖書に書かれていないことは、断定すべきではありません。聖書的には、反キリストはダン部族からではなく、復興したローマ帝国からでるであろうと考えられています。
創49:19ー八男ガド。 勇敢な部族
創49:20ー九男アシェル。地中海岸のもっともゆたかな地に住むようになる。
創49:21ー十男ナフタリ。
創49:22~26ールベンが長子の権利を失った代わりに、十一男ヨセフのふたりの子マナセ族とエフライム族が、約束の地を受け継ぐようになる。繁栄の象徴。
創49:27ー十二男ベニヤミン。士師エフデ、サウル王、パウロ(サウロ)の先祖。
王家の血統は、ユダ族に与えられましたが、ユダヤの初代王は、ベニヤミン族のサウルでした。
イスラエルは、神さまが選び、契約の民として導き、祭司を通して神ご自身が治めてこられました。しかし彼らが、近隣諸国に目を向けるとそこは王が立てられ、王が国を支配していました。民は「自分たちも王が欲しい」と神に訴えたのです。
神は、王は税を取り、夫や息子たちを駆り立てて戦場に送る等々、条件を提示しましたが、民はそれでもいいから王を自分たちの上に立てて欲しいと願いました。その結果、立てられたのがサウル王でした。ー第1サムエル9〜10章。
第1サムエル10:6ー主の霊があなたの上に激しく下ると、あなたも彼らといっしょに預言して、あなたは新しい人に変えられます。
*旧約時代の聖霊の働きです。
サウル王は、全焼のいけにえを和解のいけにえを捧げるという越権行為をしたり、聖絶することを惜しんだりしたために、神さまから王位を退けられました。
第1サムエル16:13~14ー旧約時代、聖霊は、ある期間、ある人に下り、目的を遂げると主のもとに帰って行きました。
ベニヤミン族であるサウル王から退けられた王位は、ユダ族のダビデ王に与えられました。ここからユダ族の王朝が始まるのです。
ある日ダビデは、自分は杉材の家に住んでいるのに、主の箱は天幕の中にとどまっていることに気づきました。そして、主のために主の住む家を建てようとしますが、周りの敵から戦いをいどまれ、多くの血を流したために建ててはならないと主から言われました。
息子のソロモンが建てるようにと言われたダビデは、神殿建設のために金銀、青銅、鉄、木材、石材等を準備しました。そのため、ソロモンはわずか7年で建設し終えました。ちなみにソロモンの宮殿建設は13年もの年月を要しました。
しかし、栄華を極めたソロモンも晩年は、多くの外国人の妻(700人)やそばめ(300人)たちにより惑わされ、偶像礼拝の罪に陥りました。父ダビデに免じて、ソロモンの代には王国は分裂されませんでしたが、その子レハブァムの時に分裂しました。
北王国イスラエルー10部族。 南王国ユダー2部族(ユダ族とベニヤミン族)。
ここから、南北王朝が始まるわけです。
まずは、北王国イスラエルから、*( )数字は王朝。
(1)ヤロブァム、ナダブ。
(2)バシャ、エラ。
(3)ジムリ。
(4)オムリ、アハブ、アハズヤ、ヨラム。
(5)エフー、エホアハズ、ヨアシュ、ヤロブァム二世、ゼカリヤ。
(6)シャルム。
(7)メナヘム、ペカフヤ。
(8)ペカ。
(9)ホセア。
以上、全9王朝。19人の王(平均2.1人の王)
そして、BC722年ー最後のホセア王の時に「アッシリヤ捕囚」となります。 北王国イスラエルには、一人として善王は出ませんでした。
王国ユダは、ユダ族ダビデ王朝が20人続きました。そのうち4人の「善王」が出ました。*善王。
①レハブァム、②アビヤム、③アサ、④ヨシャパテ、
⑤ヨラム、⑥アハズヤ、⑦アタルヤ、
*⑧ヨアシュ、*⑨アマツヤ、*⑩ウジヤ(アザルヤ)、*⑪ヨタム、
⑫アハズ、⑬ヒゼキヤ、⑭マナセ、⑮アモン、⑯ヨシヤ、
⑰エホアハズ、⑱エホヤキム、⑲エホヤキン、⑳ゼデキヤ。
そして、ゼデキヤ王の時、BC586年ー南ユダ王国は、「バビロン捕囚」となりました。
BC734~732年にかけて北パレスチナに侵入したアッシリヤは、征服したガリラヤ地方に大量の異邦人を送り込んだため「異邦人のガリラヤ」と呼ばれています。捕囚先のアッシリヤでも多くの異邦人と関係を結び、約束の民としての純血を守れませんでした
一方の南ユダ王国は、主の守りがあり、捕囚先のバビロンでもユダヤ人のコミュニティの中で、生活することができました。律法を守ることにより、異邦人社会の中でも分離できるわけです。
現代社会の中に生きるクリスチャンも、ある意味「世の光・地の塩」として分離しつつ、神の栄光を現しているのです。
当時の習慣から、バビロンがエルサレムの神殿に攻め入った時、至聖所にあった神の契約の箱は、被せてあった金ははがして持ち去り、当時の習慣から木製の箱は燃やされてしまったと考えるべきです。地上の「契約の箱」は焼失しても、天の聖所にはオリジナルの「契約の箱」があるので、神様が契約を破棄されることはないのですー黙示録11:19。
ですから、今「◯◯で契約の箱発見か!?」というニュースがあっても「?」です。惑わされないようにしましょう。
ペルシャのクロス王の勅令により、バビロン捕囚から帰還した民は、まずエルサレムに神殿の建設から着工しました。
第二神殿=ゾロバベルの神殿(マタイ1:13-イエスの系図)には、至聖所に「契約の箱」(シャカイナ・グローリー)はありませんでした。
ソロモンの神殿とは違い、BC538~516年にかけて、何もないところからの建設だったため、規模も小さく貧弱でした。それもBC37年には、ローマ軍によって崩壊しました。その神殿の大規模補修工事をしたのが、イエス誕生時代のヘロデ大王です。
しかし、彼は信仰から補修工事をしたのではなく、エドム人だったためユダヤ人の恩を買おうとしてしたのです。大規模補修工事に費やした年月が、BC20年頃〜AD26年頃にかけての「46年」間だったわけです。つながってきたかな…?cf ヨハネ2:19~20
至聖所にシャカイナ・グローリーがない状態は、エドム人であるヘロデ大王が大規模補修工事を行なった後でも同じでした。
神の宮である神殿に神の栄光がなく、イスラエル人でもユダ族でもない者が王となっている時代に、まことのイスラエルの王として神の御子イエスが誕生したのです。
イエスの公生涯の始まりは「およそ30歳」でしたールカ3:23。サウルもダビデも王として即位した時、30歳でした。30歳という年齢はまた、祭司が宮で仕え始める歳でもありました。
ユダヤでは、息子(長男!?)は父の仕事を継ぐのが普通だったので、イエスも30歳までは養父ヨセフの職業:大工として働いていました。だから郷里ナザレの人々は「大工」としか見ていなかったのですーマルコ6:3。
30歳で公生涯をスタートさせたのは、天の父である神の仕事:安息(救い)に入る人々を集める仕事 を継がれたのです。←御父の働き に参加し始めたの意。イエスは、人の子として養父ヨセフの仕事を、神の子として天の御父の仕事を継がれたのです。
*詳しくは「一週間の始まり」をご覧ください。
イエスの公生涯は、過越の祭りで始まり、過越の祭りで終わりました。まさに過越の祭りでほふられる「神の小羊」です。ヨハネ2:12~25の出来事は公生涯の始まりです。過越の祭りが近づき、イエスはエルサレムに上り、まず「宮清め」をなさいました。
ヨハネ2:19ーイエスは彼ら(両替人や商売人だけでなく、宮の中なので律法学者やパリサイ人たちもいた)に言われた。「この神殿をこわしてみなさい。わたしは、三日でそれを建てよう」宮の中での発言なので当然人々は「この神殿=第二神殿」と理解した。
だから、彼らは「この神殿は建てるのに46年かかりました。あなたはそれを、三日で建てるのですか。」と訊いているわけです。しかし、21節を見ると“イエスはご自分のからだの神殿のことを言われた”とあります。
つまり、神の御子=神であるイエスご自身が「神殿」であるということです。まことの神殿であれば、シャカイナ・グローリーが存在するはずです。普段は、至聖所という奥まった部屋にありますが、それが表面に現れたのが「山上の変貌」ですーマタイ17:2。
この出来事は、公生涯最後の年です。ペテロとヤコブ、ヤコブの兄弟ヨハネの三人だけが目撃しました。マタイ17:2ーそして彼らの目の前で、御姿が変わり、御顔は太陽のように輝き、御衣は光のように白くなった。
ヨハネ2:19のみことばは、イエスご自身が「十字架の死と三日後の復活」を預言されたのです。ヨハネ2:22を見れば、それは明らかです。
22節ーそれで、イエスが死人の中からよみがえられたとき、弟子たちは、イエスがこのように言われたことを思い起こして、聖書とイエスが言われたことばとを信じた。
そうです!信じる対象は「聖書とイエスが言われたことば」の内容です!
ヘロデが大規模修繕工事をした第二神殿も、AD70年に再びローマ軍によって崩壊しました。迫害が起こり、イスラエル人は国を追われてしまいました。もぬけの殻状態になった神の約束の地に移り住んできたのが、パレスチナ人です。
イスラエル人は、国を追われ、全世界に散っていきました。まさに離散の民です。一方、約束の地に移り住んだパレスチナ人たちは、1948年に国連が「イスラエル建国」を認めるまでの、実に1878年もの間住み続けました。
彼らは、アブラハムとエジプト人のそばめハガルとの間に生まれたイシュマエルの子孫です。イシュマエルの子孫に、マホメッドがいます。彼は父方のアブラハムの家系から受け継いだ旧約聖書を土台に7世紀当時のアラブ人の教えを組み入れて、教えを説きました
それをまとめたものがコーランです。ユダヤ教に類似点が多いのもそのためです。私は直接コーランを手に取って学んだことはありませんが、イスラム教徒は、六つのことを信じているそうです。
1)アラーの神。2)天使。3)コーラン。4)預言者。5)来世。6)天命(神が全てのことを導いておられる)。
今、ユダヤ教の神殿があった所には、イスラム教のモスクが建てられています。ユダヤ教の神殿の一部として残っているのが、有名な「西壁」です。そして、そのすぐそばにキリスト教(カトリック)の聖墳墓教会があります。
エルサレムは、このような理由で世界の三つの宗教(いずれも「一神教」)の「聖地」となっているのです。
そのため、どの神が本物かという「宗教戦争」、あの土地はだれの物かという「土地争い」、本妻サラの子孫とそばめハガルの子孫の「血肉の争い」の三つの要因が複雑に絡まっているのです。
イスラエル紛争は、聖書を知らない日本人には、理解するのは非常に難しいことです。
大きく分けて、アブラハムの子イシュマエルの流れを持つのが、イスラム教徒。アブラハムーイサクーヤコブの流れを持つのが、ユダヤ教徒。イエスをメシヤ=救い主と信じるのが、キリスト教徒です。
今現在は、エルサレムに神殿がないので、動物の捧げものは行なわれていません。神殿がないため、ユダヤ教のエッセネ派、サドカイ派は、自然消滅してしまいました。残っているのは、パリサイ派だけです。
イエスは新しい契約における神殿として、ご自身のうちにシャカイナ・グローリーを持たれて、人として来られました。そして、神の小羊として、罪のあがないの捧げものとして十字架上でほふられました。イエスご自身が「神殿」そのものだったのです。
ですから、ユダヤ人(律法学者、パリサイ人)がまず、新しい契約の神殿であるイエスをメシヤとして受け入れるべきでした。しかし、彼らはイエスのメシヤ性を否定し、サタンのわざであると人々に教えましたーマタイ12:24。
救いの優先順序としては、まず契約の民、神の選びの民であるユダヤ人に、それからユダヤ人を通して異邦人にというものでした。しかし、異邦人でもイエスを信じ求める者は救われましたールカ7:1~10、マタイ15:21~28。
異邦人であっても、ユダヤ人であっても、イエスをメシヤ=救い主と信じる者には、御霊が内住されますーヨハネ14:17。
御霊だけでなく御父も御子も内住されますーヨハネ14:23。
三位一体なる神が内住される信者の身体そのものが「神の宮=神殿」です。
第一コリント6:19ーあなたがたのからだは、あなたがたのうちに住まれる、神から受けた聖霊の宮であり、あなたがたは、もはや自分自身のものではないことを、しらないのですか。
第一コリント6:20ーあなたがたは、代価を払って買い取られたのです。ですから自分のからだをもって、神の栄光(シャカイナ・グローリー)を現しなさい。
イザヤ43:21ーわたしのために造ったこの民は、私の栄誉を宣べ伝えよう。
第一コリント10:31ーこいうわけで、あなたがたは、食べるにも、飲むにも、何をするにも、ただ神の栄光を現わすためにしなさい。
*近い将来、この黄金のモスクのある場所に「第三神殿」が建てられる日が必ず来ます。しかし、その神殿は神が喜ばれるものではありません。神が喜ばれる神殿は、私たち自身が心に御霊(御父、御子)が住まわれる「神の宮」となることです。