サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

携挙のタイミング

最近の世界情勢と聖書預言を結び付けて、様々な憶測が飛び交うようになりました。

ある人々はエゼキエル38:1~39:16の預言の成就を煽り、またある人々は携挙がその前に起こると煽ります。

その一方で、携挙は患難時代中期だと言い、別な人々は患難時代後期に携挙は起こると言います。

 

患難期中期携挙説を支持する人たちは、以下の二つのみことばを結びつけて説明します。

1コリント15:52ー終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちにです。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものによみがえり、私たちは変えられるのです。

 

黙示録11:15ー第七の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、天に大きな声々が起こって言った。「この世の国は私たちの主およびそのキリストのものとなった。主は永遠に支配される。」

 

パウロがコリント人への手紙を手紙を書いたのはAD55年頃、ヨハネが黙示録を記したのがAD95年頃であり、約40年後に与えられる啓示の内容をパウロは知る由もありません。

パウロが意味する『終わりのラッパ』とは新年の始まりであるラッパの祭り(ロシュ・ハ・シャナー = 年頭、の意)で吹かれる雄羊の角笛の最後吹き方(吹き手の息が続く限りの長音:Tekiah Hagadolah)です。

 

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黙示録11:15は千年王国の預言であり、携挙とは直接関係がありません。

続く18節では、神の裁きの日が近づいていることの宣言があり、19節から後半の三年半が始まります。第七のラッパは、キリストの支配を宣言すると同時に、患難時代の後半に入ったことを告げ知らせるものです。

 

患難期後期携挙説は大いに疑問があります。

彼らは「クリスチャンの患難時代を通過させられるが、神は何らかの方法でクリスチャンたちを守られる。」と言います。

黙示録の中で信者に与えれる『神の守りの印』は、患難時代の初穂となる144,000人のメシアニックジューだけです。黙示録7:3~8

『初穂』というのは、誰も信者がいない中で最初に救われる人々のことですから、教会時代の御霊の内住のある信者はすでに携挙で天に挙げられていることを前提とします。

 

世界規模で大リバイバルは起きますが、異邦人信者に対する守りの約束はありません。

そのため命懸けの信仰が求められ、多くの信者が殉教します。

彼らは「黙示録にも『聖徒たち』という言葉が出て来るから、教会時代の信者も患難時代を通過させられるが、守られる。」と言います。

しかし、黙示録ではその『聖徒たち』が殉教することが預言されています。

黙示録6:9~11, 11:7, 12:11, 13:7, 13:15, 14:13, 17:6, 18:24

…ということは、彼らが言う『神の守り』は当てにならないということになります。

 

さらに、患難期後期携挙説ではこの聖句を説明することができません。

ヨハネ14:1~3ー「あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。

わたしの父の家には、住まいがたくさんあります。もしなかったら、あなたがたに言っておいたでしょう。あなたがたのために、わたしは場所を備えに行くのです。

わたしが行って、あなたがたに場所を備えたら、また来て、あなたがたをわたしのもとに迎えます。わたしのいる所に、あなたがたをもおらせるためです。

 

患難時代はキリストとキリストの花嫁が地上に戻って来る時に終わります。

現在キリストは天におられるので、キリストのお迎えは患難期前であり、地上が七年間の患難時代の間、キリストの花嫁は天で住むことになります。

患難期後期携挙説では、携挙されてもすぐに地上に戻って来ることになり、携挙される理由がなくなります。

 

また、携挙も患難時代もないと主張する人々もおり、肝心な地域教会は霊的に信者をみことばによって正しく導かなくてはならないにも拘わらず、何が聖書的真理か見抜く力がなく、終末論に関しては沈黙を守るところが少なくありません。

 

使徒17:11ーここのユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも良い人たちで、非常に熱心にみことばを聞き、はたしてそのとおりかどうかと毎日聖書を調べた。

 

キリスト教とは、キリストの福音の三要素ーキリスト・イエスの十字架の贖いの死、墓に葬られたこと、聖書に従って三日目に復活したことーを信じる『復活信仰』であり、『みことば信仰』です。

ですから、みことばの私的解釈ではなく、みことばをみことばで確認しながら、何が真理かを確認することが必要です。

その結果、自分が今まで信じてきたことと、みことばが伝えることが異なった場合、自分の考えによる思い込みをみことばに合わせて修正していくことが、本当の意味での『悔い改め』なのです。

 

では、『携挙』について聖書は何と教えているのでしょう?

 

1テサロニケ4:16~17ー主は、号令と、御使いのかしらの声と、神のラッパの響きのうちに、ご自身天から下って来られます。それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、

次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いつまでも主とともにいることになります。

 

*主ご自身天から下って来られます私たちはよく『人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。ーローマ13:1』 と教えられます。

ですから、まず使徒としての権威を持つパウロのことばに聞き従うべきですね。

 

そのパウロが『主ご自身天から下って来られます』と携挙について述べています。

天から下って来るには、『人の子』として受肉された御子イエスが天に戻らなくてはなりません。

 

マルコ16:19ー主イエスは、彼らにこう話されて後、天に上げられて神の右の座に着かれた。 

 

使徒1:3ーイエスは苦しみを受けた後、四十日の間、彼らに現れて、神の国のことを語り、数多くの確かな証拠をもって、ご自分が生きていることを使徒たちに示された。

 

使徒1:9ーこう言ってから、イエスは彼らが見ている間に上げられ、雲に包まれて、見えなくなられた。

 

マルコとルカが、復活された主イエスが天に上げられたことを記しています。

キリストの昇天以降、いつでも『主ご自身天から下って来られます』が成就可能となりました。

 

ですから、初代教会時代の使徒たちはみな、携挙はいつでも起こり得ると認識して、信仰の歩みをしていたのです。

 

1コリント7:26現在の危急のときには、男はそのままの状態にとどまるのがよいと思います。

 

1コリント7:29ー兄弟たちよ。私は次のことを言いたいのです。時は縮まっています。今からは、妻のある者は妻のない者のようにしてください。

 

1テサロニケ1:10ーまた、神が死者の中からよみがえらせなさった御子、すなわち、やがて来る御怒りから私たちを救い出してくださるイエスが天から来られるのを待ち望むようになったか、それらのことは他の人々が言い広めているのです。

 

*やがて来る御怒り…七年間の患難時代

 

1コリント15:52~53ー終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちにです。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものによみがえり、私たちは変えられるのです。

朽ちるものは、必ず朽ちないものを着なければならず、死ぬものは、必ず不死を着なければならないからです。

 

黙示録3:10ーあなたが、わたしの忍耐について言ったことばを守ったから、わたしも、地上に住む者たちを試みるために、全世界に来ようとしている試練の時には、あなたを守ろう。

 

*全世界に来ようとしている試練の時…七年間の患難時代 

患難時代は『全世界』に及びますから、この地上には神の御怒りの裁きからの『逃れの地』はありません。しかし、主は『あなたを守ろう』と約束されています。つまり、キリストの福音を信じ、キリストの花嫁となる御霊の内住のある信者は、『携挙』によりキリストがおられる第三の天に挙げられ、この地上に起こる御怒りから守られるのです。

 

 

ダニエル9:27ー彼は一週の間、多くの者と堅い契約を結び、半週の間、いけにえとささげ物とをやめさせる。荒らす忌むべき者が翼に現れる。ついに、定められた絶滅が、荒らす者の上にふりかかる。

 

*一週の間…患難時代が七年間あるということ

 

*堅い契約を結び…反キリストとイスラエルが七年間の契約を締結することの預言。その契約締結に多くのユダヤ人たちが賛成します。

 

*半週の間…七年間の半分、つまり三年半。

 

*いけにえとささげ物とをやめさせる…いけにえとささげ物は神殿で行われるので、患難時代前半には『第三神殿』があり、機能していることがわかります。それを『やめさせる』わけですから、患難時代の後半の三年半、反キリストはイスラエルと『硬く結んだ契約』を反故にすることがわかります。

 

キリストはご自分の約束に忠実なお方ですが、反キリストは悪魔から出た者なので初めから嘘つきです。

 

ヨハネ8:44bー悪魔は初めから人殺しであり、真理に立ってはいません。彼のうちには真理がないからです。彼が偽りを言うときは、自分にふさわしい話し方をしているのです。なぜなら彼は偽り者であり、また偽りの父であるからです。

 

Ⅱテサロニケ2:9ー不法の人の到来は、サタンの働きによるのであって、あらゆる偽りの力、しるし、不思議がそれに伴い、

 

*不法の人…反キリスト

 

患難時代の幕開けは、『イスラエルと反キリスト』との七年間の契約締結時ですから、神の御怒りから真の信者を守るための携挙が起こる一番遅いタイミングはこの瞬間です。

 

つまり、エスの昇天からイスラエルと反キリストの七年契約締結までの間に『いつでも』起こり得るのが携挙です。

その条件が『異邦人の完成』です。

 

ローマ11:25ー兄弟たち。私はあなたがたに、ぜひこの奥義を知っていただきたい。それは、あなたがたが自分で自分を賢いと思うことがないようにするためです。その奥義とは、イスラエル人の一部がかたくなになったのは、異邦人の完成のなる時までであり、

*異邦人の完成のなる時まで…異邦人の救いの数が満ちる時まで、の意。神が予定されている数が満ちた瞬間、携挙が起こります。ですから、携挙を待ち望むのであれば、一人でも多くの異邦人に伝道し、異邦人の完成のなる時を早める必要があります。