エペソ人への手紙6:11~18には、私たちの信仰生活に必要な「神の武具」が七つ列挙されています。
*「七」…聖書では「完全数」です。
パウロがローマの獄中でこの手紙を書いた当時のローマ兵の武具を例に、比喩的に「例の戦いに対する武具」を説明しています。それらは自分力で調達するのはなく、神がくださる賜物としての武具です。
エペソ6:14ー①真理の帯…神のことば。具体的には、私たちを救いへ導く「キリストの福音」です。
②正義の胸当て…恵みにより、信仰により義とされていること。cf エペソ2:8~9。
*神のことばが真理であることを恵みによって示され、それを信じたことにより、私たちは義とされました。
エペソ6:15ー③平和の福音の備え…神の福音が与えてくれる平安によって、こころが支配されている状態のこと。cf ヨハネ14:27。
エペソ6:16ー④信仰の大盾…イエスをキリスト(メシア、救い主)として信じる信仰、また父なる神がすべての必要を満たしてくださる方であるという信仰。cf マタイ6:33。
*悪い者が放つ火矢…比喩的表現。悪魔(サタン)や悪霊からの誘惑のこと。
エペソ6:17ー⑤救いのかぶと…恵みにより信仰によって救われたことを常に思い出すこと。救いの確信。
*救いは、いつの時代でも「神の恵みにより、信仰によって」です。救われるのに「良い行ない」は必要ありません。良い行ないは、救われた人が神に応答した結果です。cf エペソ2:10。
⑥御霊の与える剣…神のことば。聖書のみことば。
*七つある武具の中で、「御霊の与える剣」だけが唯一の攻撃的武器です。敵であるサタンは神のことばに付け足したり、一部差し引いたり(マタイ4:6ー詩91:11~12の引用)、みことばに疑いを起こさせる(創世記3:1)ように攻撃してきます。その攻撃に対抗するために武具が与えられてます。
みことばを正しく暗記し、意味を理解することによって、サタンから来る誘惑に打ち勝つことが出来るのです。神がくださる武具はすべて「みことば」と関係しています。各武具の機能を個別に考えるより、みことばそのものに養われ、霊的に成人した者として、状況に合わせてみことばを適応できますように。
エペソ6:18ー⑦御霊による祈り…a)知的祈りだけではなく、御霊に導かれ、教えられる祈り。cf 1コリント14:15。
b)常にサタンから攻撃を受ける危険性があるので、私たちも常に備えている必要があります。それには常に祈ることです。
cf 1テサロニケ5:17ー絶えず祈りなさい。*言語では、現在進行形の命令形になっているので、正確に訳すと「絶えず祈り続けなさい。」となります。
c)すべての聖徒たちのために祈る…とりなしの祈り。
*エペソ6:19~20で、パウロもエペソの聖徒たちに取りなしの祈りを要請しています。
*とりなしの祈りは先輩信者から後輩信者へ、または牧師から信徒たちへの一方的な祈りではなく、すべての聖徒たちへの相互間の祈りです。
cf 1テモテ2:1ーそこで、まず初めに、このことを勧めます。すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。
ヤコブ5:16ーですから、あなたがたは、互いに罪を言い表わし、互いのために祈りなさい。いやされるためです。義人の祈りは働くと、大きな力があります。
1ヨハネ1:9ーもし、私たちが自分の罪を言い表わすなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、すべての悪から私たちをきよめてくださいます。
エペソ6:20ー肉体的にどのような状態であろうとも、主にあって語るべきことを大胆に語ることがパウロの願いでした。私たちはパウロのように福音のために牢に繋がれてはいませんが、パウロが願うように大胆に福音を語っているでしょうか?
Ⅱ テモテ4:2ーみことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい。寛容を尽くし、絶えず教えながら、責め、戒め、また勧めなさい。