ピリピ4:8ー最後に、兄弟たち。すべての真実なこと、すべての誉れあること、すべての正しいこと、すべての清いこと、すべての愛すべきこと、すべての評判の良いこと、そのほか徳と言われること、称賛に値することがあるならば、そのようなことに心を留めなさい。
*最後に〜心を留めなさい…著者パウロは、この手紙を閉じるのに、信者にとって大切なことを列挙しています。 そして、それらのことに『心を留める』ようにと教えています。
*すべての真実なこと…聖書のみことば、また聖書全体の教えと調和していること。
ある一節だけとって『一致』しているというのではなく、聖書全体の教えと矛盾していないかを確認することが大事。
*すべての誉れあること…ガラテヤ5:19~21の『肉の行ない』とは反対に、キリストを信じて『神の子ども』とされた者としてふさわしく判断し、行動すること。内に住まわれるキリストを証しできるようにすること。
*すべての正しいこと…人間関係において、平和を保っていること。
*すべての清いこと…キリストの聖なるご性質に合うこと。
*すべての愛すべきこと…神の属性の一つである『愛』の関係を人間関係の中に築くこと。
*すべての評判の良いこと…周囲の人々からの評価や信用があること。
*そのほか徳と言われるもの…道徳的に優れた品性、他者を感化する精神的能力。
*称賛に値すること…ほめられるようなこと。
ピリピ4:9ーあなたがたが私から学び、受け、聞き、また見たことを実行しなさい。そうすれば、平和の神があなたがたとともにいてくださいます。
*私から学び、受け、聞き、また見たこと…パウロ自身が『手本』を示していたことがわかります。パウロはここでも『私にならう者となるように』と勧めています 。
1コリント4:16ーですから、私はあなたがたに勧めます。どうか、私にならう者となってください。
ピリピ3:17ー兄弟たち。私を見ならう者になってください。また、あなたがたと同じように私たちを手本として歩んでいる人たちに、目を留めてください。
私たちは、パウロのように「私から学び、受け、聞き、またみたことを実行しなさい。」と言えるほど、キリストにあって霊的に成長しているでしょうか?
私たちも大きな教会を手本とするのではなく、信仰の大先輩であるパウロたち一世紀の信者たちー使徒の働きーを手本に、信仰生活を送るべきです。
教会員の数ではなく、どれだけみことばに立っているか、信仰の質を見極めるべきです。
ピリピ4:10ー私のことを心配してくれるあなたがたの心が、このたびついによみがえって来たことを、私は主にあって非常に喜びました。あなたがたは心にかけてはいたのですが、機会がなかったのです。
*このたびついによみがえって来た…ピリピはマケドニアにおける最初の教会となりました。 使徒16:12~34
Ⅱコリント11:9ーあなたがたのところにいて困窮していたときも、私はだれにも負担をかけませんせんでした。マケドニヤから来た兄弟たちが、私の欠乏を十分に補ってくれたのです。私は、万事につけあなたがたの重荷にならないようにしましたし、今後もそうするつもりです。
パウロはピリピの信者たちが再び、パウロのことを思い出し、贈り物を送ってくれたことを『主にあって非常に喜』んでいます。
ピリピ4:11ー乏しいからこう言うのではありません。私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました。
パウロは『乏しい』ことが 理由で、贈り物を「助かる〜!」と喜んでいるのではなく、ピリピの信者たちのパウロを思いやるこの心を喜んでいるのです。
パウロ自身は『どんな境遇にあっても満ち足りることを学んでいました。』
ピリピ4:12ー私は、貧しさの中にいる道も知っており、豊かさの中にいる道も知っています。また、飽くことにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、あらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。
*貧しさの中にいる道… パウロは実際に『貧しさの中にいる』経験もしていました。
Ⅱコリント11:27ー労し苦しみ、たびたび眠られぬ夜を過ごし、飢え渇き、しばしば食べ物もなく、寒さに凍え、裸でいたこともありました。
*あらゆる境遇に対処する秘訣…キリストから焦点をずらさないこと!
現実を見たら、貧しければみじめになるし、豊かさの中にいれば傲慢になるのが、罪の性質を持った人間の常です。しかし、心がしっかりとキリストと結び付き、キリストに焦点があっていれば、自己卑下する必要も、傲慢になる必要もなくなります。
マタイ6:31~34ー そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配するのはやめなさい。
こういうものは皆、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがたの天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。
だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。
だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はその日その日に、十分あります。
ピリピ4:13ー私は、私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできるのです。
*私を強くしてくださる方…キリスト・イエス。
*どんなことでもできる…キリストによって。
ルカ1:37ー神にとって不可能なことは一つもありません。
ピリピ4:14ーそれにしても、あなたがたは、よく私と困難を分け合ってくれました。
パウロは、ピリピの信者たちがどのようにパウロの宣教活動を支えてきてくれたかを思い返して感謝しています。
ピリピ4:15ーピリピの人たち。あなたがたも知っているとおり、私が福音を宣べ伝え始めたころ、マケドニヤを離れて行ったときには、私の働きのために、物をやり取りしてくれた教会は、あなたがたのほかには一つもありませんでした。
ピリピの信者たちは、パウロからキリストの福音を聞き、喜んで宣教の働きのために献金や物質的な助けをして支えたのです。
ローマ15:26ーそれは、マケドニヤとアカヤでは、喜んでエルサレムの聖徒たちの貧しい人たちのために醵金することにしたからです。
ユダヤ人から福音を聞いて霊的もらい物をした異邦人は、物質的な物を持ってユダヤ人奉仕することは『義務でもある』と聖書は言っています。
ローマ15:27ー彼らは確かに喜んでそれをしたのですが、同時にまた、その人々に対してはその義務があるのです。異邦人は霊的なことでは、その人々からもらいものをしたのですから、物質的な物をもって彼らに奉仕すべきです。
ピリピ4:16ーテサロニケにいたときでさえ、あなたがたは一度ならず二度までも物を送って、私の乏しさを補ってくれました。
ピリピの信者たちは、今回のみならず、パウロがテサロニケにいた時でさえ、二度も支援してくれていました。真の救いを経験していなければ、できることではありません。
ピリピ4:17ー私は贈り物を求めているのではありません。私のほしいのは、あなたがたの収支を償わせて余りある霊的祝福なのです。
パウロはその彼らの信仰に応えてくださる、神様の霊的祝福がピリピの信者に豊かにあることを願っています。 それも彼らの収支を償わせて余りある霊的祝福をです。
ピリピ4:18ー私は、すべての物を受けて、満ちあふれています。エパフロデトからあなたがたの贈り物を受けたので、満ち足りています。それは香ばしいかおりであって、神が喜んで受けてくださる供え物です。
*エパフロデト…ピリピ2:25参照。
*香ばしいかおり…ピリピの信者たちの信仰から出る祈りと具体的な奉仕。
ピリピ4:19ーまた、私の神は、キリスト・イエスにあるご自身の栄光の富をもって、あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます。
*あなたがたの必要をすべて満たしてくださいます…マタイ6:31~34参照。
ピリピ4:20ーどうか、私たちの父なる神に御栄えがとこしえにありますように。アーメン。
*父なる神に御栄えがとこしえにありますように…パウロはすべての栄光を神に帰しています。
黙示録5:12ー彼らは大声で言った。
「ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」
黙示録7:12ー言った。
「アーメン。賛美と栄光と知恵と感謝と誉れと力と勢いが、永遠に私たちの神にあるように。アーメン。」
ピリピ4:21ーキリスト・イエスにある聖徒のひとりひとりに、よろしく伝えてください。私といっしょにいる兄弟たちが、あなたがたによろしくと言っています。
*私といっしょにいる兄弟たち…パウロの同労者たち。
ピリピ4:22ー聖徒たち全員が、そして特に、カイザルの家に属する人々が、よろしくと言っています。
*聖徒たち全員…パウロはこの手紙をローマの獄中で書いているので、ローマにいる信者たちのことだと思われます。
*カイザルの家に属する人々… カイザル(ローマ皇帝)の家族や親族のことではなく、そこで仕える官僚や奴隷たちのこと。その人々の中に信者となった者がいたのでしょう。彼らがピリピの信者たちに『よろしく』と挨拶を送っているということ。
ピリピ4:23ーどうか、主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊とともにありますように。
信仰は、神(キリスト)の恵みによって始まり、神(キリスト)の恵みによって完成します。その恵みの中で、信仰の歩みをしましょう。
ヨハネ14:6ーイエスは彼に言われた。
「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。
わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません。