サザエのお裾分け

聖書を字義通り&文脈に沿って学び、理解したことの中からのお裾分け。内容は鵜呑みにせず、必ずご自分で聖書を開いて確認してくださいね。聖書理解の助けになれば幸いです。† 栄光在主 †

忠実な奉仕者『テキコ』

新約聖書には、キリストの使徒たちの他、多くのユダヤ人信者たちの働きが記されています。

そんな中で、チラッと登場する異邦人たちも重要な働きをしていました。

普段はさーっと読み飛ばしてしまう『忠実な奉仕者』の一人、テキコにスポットライトを当ててみたいと思います。

 

 

『テキコ』という名前が出てくるのは、新約聖書にたった五箇所だけです。最初に登場するのが…

 

使徒20:4~5ープロの子であるベレヤ人ソパテロ、テサロニケ人アリスタルコとセクンド、デルベ人ガイオ、テモテ、アジヤ人テキコとトロピモは、パウロに同行していたが、

彼らは先発して、トロアスで私たちを待っていた。

 

 

ここからテキコについて分かることは、

①アジア人…つまり、小アジア(現在のトルコ)の教会の代表者のひとりだということ。異邦人信者。

パウロに同行していたパウロにとって、テキコがそこにいることが『慰め』であり、励ましであったということ。

 

 

次に、登場するのは、

エペソ6:21~22ーあなたがたにも私の様子や、私が何をしているかなどを知っていただくために、主にあって愛する兄弟であり、忠実な奉仕者であるテキコが、一部始終を知らせるでしょう。

テキコをあなたがたのもとに遣わしたのは、ほかでもなく、あなたがたが私たちの様子を知り、また彼によって心に励ましを受けるためです。

 

エペソ書は、ピリピ書、コロサイ書、ピレモン書と同じく『獄中書簡』と言われ、ローマの獄中でパウロが書いたものです。

 

ここでパウロは、テキコを遣わす目的次のように記しています。

①ローマの獄中でのパウロの生活を、エペソの教会の人々に詳細を伝えること。

②そのことにより、彼らの心が励ましを受けるため。

 

また、エペソの教会の様子を、テキコが帰ってきた時に知ることができます。

 

パウロがいるローマの獄中と、エペソの教会とは、主にあって繋がっているということであり、互いに支え合っているということです。

 

この時のことを、パウロは愛弟子テモテに書き記しています。

Ⅱ テモテ4:12ー私はテキコをエペソに遣わしました。

 

Ⅱ テモテへの手紙は、パウロが書いた最後の書簡です。

パウロはこの手紙を書いたとき、自分の死期が近いことを予期していました。

Ⅱ テモテ4:6ー私は今や注ぎの供え物となります。私が世を去る時はすでに来ました。 

 

コロサイ4:7~8私の様子については、主にあって愛する兄弟、忠実な奉仕者、同労のしもべであるテキコが、あなたがたに一部始終を知らせるでしょう。

私がテキコをあなたがたのもとに送るのは、あなたがたが私たちの様子を知り、彼によって心に励ましを受けるためにほかなりません。

 

テキコは小アジアの教会の代表者のひとりとして、獄中でパウロが記した手紙を届ける役割を担っていたことがわかります。

 

パウロは、テキコのことを次のように記しています。

*主にあって愛する兄弟

*忠実な奉仕者…信頼できる人、側にいる人

*同労のしもべ同じ使命を与えられている者、同労者。

 

パウロのからだは獄中にあり、自由に動きまわることはできませんが、その思いと心は、テキコと共にエペソやコロサイの教会に行くという意味で、テキコがそこに『いる』ということが、慰めであり、励ましであるわけです。

 

キリスト者は、自分ではできないことのために召されている。自分の力では無理でも、主のご計画に沿って、主の命令に従うとき、主が事を成し遂げてくださる。」と言われます。

パウロにとって、テキコは異邦人であっても同じイスラエルの神の御子キリスト・イエスを見上げて生きている『主にある家族』なのです。

 

イスラエルは、『神の初子』であり、

私たち異邦人信者は、キリストを信じる信仰により『神の子ども』とされました。

 

出エジプト記4:22そのとき、あなたはパロに言わなければならない。

はこう仰せられる。『イスラエルはわたしの子、わたしの初子である。

 
ヨハネ1:12しかし、この方を受け入れた人々、すなわち、その名を信じた人々には、神の子どもとされる特権をお与えになった。
 
 

最後にテキコのことが記されているのは、テトスへの手紙です。

テトス3:12ー私がアルテマスかテキコをあなたのもとに送ったら、あなたは、何としてでも、ニコポリにいる私のところに来てください。私はそこで冬を過ごすことに決めています。 

 

テキコは小アジアの教会に愚痴をこぼすために遣わされたのではなく、彼らと共に祈り、主を見上げ、互いに励まし合うために遣わされました。

現代を生きる私たちも『誰かのテキコ』になることができます!

 

 

今回は『忠実な奉仕者テキコ』を取り上げましたが、注意して聖書を読んでみると、当時の異邦人信者の働きに気づけます。

異邦人のための使徒となったパウロの側で、その働きを支えた人の中にローマ人への手紙を筆記した人物も、私たちと同じく『異邦人信者』だったことはあまり知られていません。

ローマ16:22この手紙を筆記した私、テルテオも、主にあってあなたががたにごあいさつ申し上げます。

 

でも、主はこう言われます。

ルカ16:10小さい事に忠実な人は、大きい事にも忠実であり、小さい事に不忠実な人は、大きい事にも不忠実です。 

  

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携挙後、キリストの御座の前に立つとき、「よくやった。良い忠実なしもべだ。あなたは、わずかな物に忠実だったから、私はあなたにたくさんの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ。」マタイ25:21

このように言われるしもべでありたいですね。

 

 

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