わかっているようで、よくわかっていない『パリサイ派とサドカイ派の違い』とは…?
『ヘロデ党』とは…?
当時のユダヤ教の教派の違いを知ることで、より深くイエス様の教えを理解することができるのです。
マタイ22:15ーそのころ、パリサイ人たちは出て来て、どのようにイエスをことばのわなにかけようかと相談した。
*パリサイ派(人)…ユダヤ教の一派。613ある『モーセの律法』も『預言書』も権威あるものと認め、死者の復活も天使の存在も信じていた。それだけでなく、律法を守るために人間が後から付け足した『口伝律法(言い伝え)』をも権威あるものとして、人々に口伝律法を守るように指導していた。
異邦人の使徒として召される前のサウロ(後のパウロ)も、ユダヤ教のパリサイ派に属していました。
使徒23:6ーしかし、パウロは、彼らの一部がサドカイ人で、一部がパリサイ人であるのを見て取って、議会の中でこう叫んだ。「兄弟たち。私はパリサイ人であり、、パリサイ人の子です。私は死者の復活という望みのことで、さばきを受けているのです。
*サドカイ派(人)…その多くが上流階層の人々で、レビ族の祭司たちやサンヘドリンの議員たちで構成されており、Torah(モーセの律法/モーセ五書)にのみ権威を置いていた。死者の復活も天使の存在も信じていなかった。
使徒23:8ーサドカイ人は、復活はなく、御使いも霊もないと言い、パリサイ人はどちらもあると言っていたからである。cf 使徒4:1~3参照
*ことばのわなにかけようかと…悪意
マタイ22:16ー彼らはその弟子たちを、ヘロデ党の者たちといっしょにイエスのもとにやって、こう言わせた。「先生。私たちは、あなたが真実な方で、真理に基づいて神の道を教え、だれをもはばからない方だと存じています。あなたは、人の顔色を見られないからです。
*ヘロデ党…当時のイスラエルを政治的に支配していたローマに追従していた一派。当時のイスラエルの王だったエドム人ヘロデとその子孫に、イスラエルの自治の望みをかける政治に熱心な人々。パリサイ人と協力してイエスを陥れようとした。
*あなたは、人の顔色を見られないからです…人に取り入ろうとしない、の意。
パリサイ人の弟子たちとヘロデ党の者たちによるヨイショ。本心からではない。
『人の顔色を見られないイエス』とは対照的に、祭司長たちとパリサイ人たちは『人の顔色を伺って』いた。
マタイ21:45~46ー祭司長たちとパリサイ人たちは、イエスのこれらのたとえを聞いたとき、自分たちをさしてはなしておられることに気づいた。
それでイエスを捕えようとしたが、群衆を恐れた。
群衆はイエスを預言者と認めていたからである。
マタイ22:17ーそれで、どう思われるのか言ってください。税金をカイザルに納めることは、律法にかなっていることでしょうか。かなっていないことでしょうか。」
*税金…人頭税
*カイザル…ローマ皇帝
神の民であるユダヤ人が、異邦人に税金を納めるべきか、否か…?
マタイ22:18ーイエスは彼らの悪意を知って言われた。「偽善者たち。なぜ、わたしをためすのか。
*悪意…「納めるべきだ」と言えば、パリサイ人やサドカイ人など熱心なユダヤ教徒たちから非難され、「納めなくてよい」と言えば、ローマ政府に対する反逆者として非難される。どちらの答えを選択するにしても、彼らはイエスを陥れることができると考えた。
*知って…全知全能なる神であられるイエスは、私たちの心の中のことまでもすべてをご存知です。
マタイ22:19ー納め金にするお金をわたしに見せなさい。」そこで彼らは、デナリを一枚イエスのもとに持って来た。
*デナリ…ローマの硬貨、1デナリは 労働者の1日分の賃金。
マタイ22:20ーそこで彼らに言われた。「これは、だれの肖像ですか。だれの銘ですか。」
*肖像…『神のかたち』と同じことば。デナリ硬貨には、『カイザルは神の子』と刻まれていた。
マタイ22:21ー彼らは、「カイザルのです」と言った。そこで、イエスは言われた。「それなら、カイザルのものはカイザルに返しなさい。そして神のものは神に返しなさい。」
*返しなさい…返済義務があるもの
*神のもの…『神のかたちに似せて造られた』このいのちはどこから与えられたものなのか?神から出たのなら、神に返るべきです。
創世記1:27ー神はこのように、人をご自身のかたちに創造された。
神のかたちに彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。
マタイ22:22ー彼らは、これを聞いて驚嘆し、イエスを残して立ち去った。
イエスの完璧な答えの前に、彼らは驚嘆し、それ以上反論することができなかったため、その場を立ち去ることしかできなかった。
そして、サドカイ派にバトンタッチされたかのように、死者の復活に関する質問を携えてイエスのもとに来た…という話が23節から続きます。