宗教画とか「受胎告知」をよく見かけるけど、イエスの養父ヨセフの絵はあまりないし、話題にもあまりのぼらないですね。
でもね、結構魅力的な男性だった♡と思うのは私だけかしら?…なので、今回は「理想の男性」としてヨセフさんをちょっとご紹介します!
聖書箇所は、マタイ1:18~25、2:13~15、2:19~23ー「ヨセフ側から見た御子の誕生物語」
マタイ1:18ーその母マリヤはヨセフの妻と決まっていたが、ふたりがまだいっしょにならないうちに…。
ルカ1:27ーこの処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリヤといった。 つまり、ヨセフはマリヤの婚約者でした。
マタイ1:18ー聖霊によって身重になったことがわかった。
ルカ1:35ー「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ生まれる者は聖なる者、神の子と呼ばれます」イエスの母ーマリヤ。実父ーいと高き方(神)。養父ーヨセフ。
マタイ1:19ー夫のヨセフは正しい人であって…。ここで「夫」とあるのは、ユダヤでは婚約成立と同時に、法律上では夫婦と認められていたからです。婚約を解消する場合は、離婚手続きが必要でした。通常は約1年間、長い場合は数年の婚約期間があり、結婚生活に入りました。
もしもこの期間にいいなずけが妊娠した場合は、法的には夫婦と認められているため、一緒に暮らし始めればよかったのです。
しかしヨセフの場合は、自分の身に覚えがありません。まだ旧約の律法の時代での出来事ですから、自分に覚えがない場合、その律法に従わなくてはならないのです。
申命記22:23~24ーある人と婚約中の処女の女がおり、他の男が町で彼女を見かけて、これといっしょに寝た場合は、あなたがたは、そのふたりをその町の門のところに連れ出し、石で彼らを打たなければならない。彼らは死ななければならない。これはその女が町の中におりながら叫ばなかったからであり、その男は隣人の妻をはずかしめたからである。あなたがたのうちから悪を除き去りなさい。
*ここでも、婚約中の処女の女を「隣人の妻」と呼んでいます。
ヨセフのどこが「正しい人」と認められたのでしょう?
それは、マリヤを訴えて石打ちの刑にせず、「内密に去らせようと決めた」からです。彼がマリヤとその胎の子の命を守ろうとしたからです。
とはいえ、続く20節を見ると「彼がこのことを思い巡らしていたとき」とあります。内密に去らせようと決めたものの、マリヤを失うことには抵抗があったのでしょう。ヨセフの悶々とした様子が見えてきませんか?
マリヤはなぜ天使ガブリエルによる受胎告知を、ヨセフに伝えなかったのでしょう?
創世記2:24ーそれゆえ、男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。 婚約期間中も法的には夫婦とみなされ「ふたりは一体」です。ならば、マリヤに御使いが現れたのなら、夫ヨセフにも現れてくださると思ってたのかな…と私は思います。
マタイ1:20ー主の使い(御使い)が、やっと眠りに就いたヨセフの夢に現れて、マリヤの身に起こったことを告げています。 そして21節で、赤ちゃんの性別、名前、将来の預言を告げられました。
マタイ1:24ーヨセフは眠りからさめると“主の使いの命じられたとおりにして”その妻を迎え入れ…
神さまに従順ですが、この決心は現実的にはすごいことです!マリヤだけでなく、自分とは血縁関係にない子どもを育てるという長期間の責任を伴うからです。
世の男性諸君にこの決心ができる人は、どれほどいるでしょうか?
マタイ1:25ーそして、子どもが生まれるまで彼女を知るとがなく…ヨセフはマリヤと結婚したものの、御子の養父として自制したということです。そして、御使いの命じられたとおりに、生まれた子にイエスと名付けました。ヨセフの従順です。
マタイ2:13~15,19~23を見ると、ヨセフの従順さ、決断力、行動力がよくあらわれていて、これらの点が神に認められ、御子の養父に選ばれたのだと思います。彼の優しさ、決断力、行動力は、男性としてとても魅力的だったと思います。
マタイ2:13ー東方の博士たち一行が帰って行った時、再び 主の使い(天使)が夢の中でヨセフに現われました。今度は「妻子を連れてエジプトに逃げなさい。」という命令でした。その理由は、ヘロデ大王が幼子イエスを捜し出して殺そうとしているから、というものでした。今でいう「殺人予告」です。
*ヘロデとは、バビロン捕囚から期間後に建てた神殿(第二神殿)を46年かけて大規模修繕工事をした「ヘロデ大王」のことです。彼は「アブラハムーイサクーヤコブの血を引くユダヤ人」ではなく、「アブラハムーイサクーエサウの血を引くエドム人」の家系でした。それが、ローマ政府から賄賂によって「ユダヤ人の王」と任命されていました。そこに東方の博士たちが来て「ユダヤ人の王として、お生まれになった方は、どこにおいでになりますか」ときかれたものですから、大慌てで、自分の地位を守るためにベツレヘムとその近辺にいる2歳以下の男の子をひとり残らず殺したのです。
なんて残酷な…!と思われるでしょう。でも彼は、自分の王位が危ういと感じると、たとえそれが自分の実の息子であっても殺したほどの残忍さを持っていました。そのこともあり、
マタイ2:14ーヨセフはすぐに行動を起こしました。ヨセフは夢から覚めると、夜のうちに幼子とその母(妻ではなく、“幼子の母”と書かれていることに注意)を連れて、エジプトへと立ちのいています。
取るものもとりあえず…といったところでしょうか?彼らの生活はけっして楽なものではありませんでした。イエスの誕生後のささげものから貧しかったことが分かります。cf ルカ2:21~24。
その彼らがエジプトに避難し、そこで生活するために必要な糧として、神さまは東方の博士たちから高価な贈り物を彼らに与えられたのです。主はすべての必要を満たしてくださる憐れみ深い神です。
マタイ2:15ー彼らはヘロデ大王が死ぬまで、エジプトに滞在しました。エジプトはBC30年にローマの支配下に置かれ、ユダヤの政治的指導者さえ、手を出せない地域でした。
マタイ2:19ー三度、主の使いが夢でエジプトにいるヨセフに現われました。
マタイ2:20ー今度のお告げは「ヘロデ大王が死んだので、イスラエルの地へ戻るように」というものでした。
マタイ2:21ーここでも、「彼(ヨセフ)は立って」幼子とその母を連れてイスラエルの地にはいったと、すぐに行動に起こしたことが分かります。
マタイ2:22ーアケラオ…ヘロデ大王の息子の一人で、ヘロデの死後ユダヤはローマにより三分割されて息子たちにまかされていました。アケラオが担当したのは、ユダヤとサマリヤ地方でした。彼は父に似て、とても残忍な王だったのと、夢で戒めを受けていたため、ヨセフはガリラヤ地方に立ち退きました。
マタイ2:23ーそして、ナザレという小さな田舎町に行って住みました。
ヨセフのように主の御前に「正しい人」と認められ…信仰を持ち、
神の命令にすぐに反応し…神のみことばに従順で、
幼子とその母を連れ…一家のリーダーとしての資質、リーダーシップを持つ男性は、非常に頼り甲斐のある理想的な「夫」です。