マタイ16:16ーシモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
マタイ16:18ーではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。
主イエスがペテロの信仰告白を土台として「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。」と言われた『教会』はいつ、どのように始まったのでしょう?
多くの人は「ペンテコステによって。」と答えられるでしょう。
確かにその通りです。ユダヤ教の春の祭りの一番最後、小麦の収穫の初穂を祝う『七週の祭り』(五旬節)の時に聖霊が下りました。
使徒2:1ー五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。
これは、昇天前に主が言われた命令に従ってのことでした。
使徒1:4~5ー彼らといっしょにいるとき、イエスは彼らにこう命じられた。「エルサレムを離れないで、わたしから聞いた父の約束を待ちなさい。
ヨハネは水でバプテスマを授けたが、もう間もなく、あなたがたは聖霊のバプテスマを受けるからです。」
『五旬節』というのは『50日』を意味します。キリストは『初穂の祭り』で復活して昇天するまで40日間ありましたから、弟子たちがこのみことばに従って待っていたのは十日間だったことがわかります。
レビ記23:15~16ーあなたがたは、安息日の翌日から、すなわち奉献物の束を持って来た日から、満七週間が終わるまでを数える。
七回目の安息日の翌日まで五十日を数え、あなたがたは新しい穀物のささげ物を主にささげなければならない。
のちに『ペンテコステ』と呼ばれる『七週の祭り』の時に、非常に興味深い祭儀が行われます。
レビ記23:17ーあなたがたの住まいから、奉献物としてパンー主への初穂として、十分の二エパの小麦粉にパン種を入れて焼かれるものー二個を持って来なければならない。
*パン種を入れて焼かれるものー二個…『種なしパンの祭り』は『罪の無い者』として葬られたキリストの埋葬で成就しましたが、教会の誕生となる『七週の祭り』では、『種を入れて焼かれるパンが二個』用意されます。
それらは『罪(原罪)ある状態』のユダヤ人と異邦人を意味します。
レビ記23:19~20ーまた、雄やぎ一頭を罪のためのいけにえとし、一歳の雄の子羊二頭を、和解のいけにえとする。
祭司は、これら二頭の雄の子羊を、初穂のパンといっしょに、奉献物として主に向かって
揺り動かす。これらは主の聖なるものであり、祭司のものとなる。
*和解のいけにえ…イエス様ご自身が『神の小羊』として、なだめのそなえ物として『神と人との和解のいけにえ』となってくださいました。
*揺り動かす…『ともに混ざる』という意味があります。つまり、『教会』では、ユダヤ人信者(メシアニックジュー)と異邦人信者(クリスチャン)が、ともに混ざり、『一人の新しい人』になることの『型』となっているのです。
エペソ2:11~16ーですから思い出してください。あなたがたは、以前は肉において異邦人でした。すなわち、肉において人の手による、いわゆる割礼を持つ人々(ユダヤ人)からは、無割礼の人々と呼ばれる者(異邦人)であって、
そのころのあなたがた(異邦人)は、キリストから離れ、イスラエルの国から除外され、約束の契約(アブラハム契約)については他国人であり、この世にあって望みもなく、神もない人たちでした。
しかし、以前は遠く離れていたあなたがた(異邦人)も今ではキリスト・イエスの中にあることにより、キリストの血によって近い者とされたのです。
キリストこそ私たち(ユダヤ人信者と異邦人信者)の平和であり、二つもの(ユダヤ人信者と異邦人信者)を一つにし、隔ての壁を打ちこわし、
ご自分の肉において、敵意を廃棄された方です。敵意とは、さまざまの規定から成り立っている戒めの律法なのです。このことは、二つのもの(ユダヤ人信者と異邦人信者)をご自身において新しいひとりの人(キリストの花嫁である『教会』)に造り上げて、平和を実現するためであり、
また、両者を一つのからだとして、十字架によって神と和解させるためなのです。敵意は十字架によって葬り去られました。
*( )…サザエ補足。異邦人…第一義的には、エペソの聖徒たち。
聖霊が初めて信者の内に臨んだのは、五旬節の日(使徒2:1~4)でした。
聖霊に満たされた彼らは『他国のことばで話し出し』ました。ー使徒2:4
聖霊のバプテスマを受けたユダヤ人信者たちが話した言葉は、『他国のことば=外国語』であり、それは異邦人に福音を伝えるために必要な『聖霊の賜物』でした。
使徒2:2ーすると突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。
この物音を聞いて集まって来た人々が、聖霊に満たされたユダヤ人信者たちが話す言葉を聞いて証言しています。
使徒2:6~11ーこの物音が起こると、大ぜいの人々が集まって来た。彼らは、それぞれ自分の国のことばで弟子たちが話すのを聞いて、驚きあきれてしまった。
彼らは驚き怪しんで言った。「どうでしょう。いま話しているこの人たちは、みなガリラヤの人ではありませんか。
それなのに、私たちめいめいの国の国語で話すのを聞くとは、いったいどうしたことでしょう。
私たちは、パルテヤ人、メジヤ人、エラム人、またメソポタミヤ、ユダヤ、カパドキヤ、ポントとアジヤ、
フルギヤとパンフリヤ、エジプトとクレネに近いリビヤ地方などに住む者たち、また滞在中のローマ人たちで、
ユダヤ人もいれば改宗者もいる。またクレテ人とアラビヤ人なのに、あの人たちが、私たちのいろいろな国のことばで神の大きなみわざを語るのを聞こうとは。」
エペソ人の手紙でパウロが記している、『ユダヤ人信者と異邦人信者がひとりの新しい人となる教会』が誕生するには、異邦人信者にも聖霊が臨まなくてはなりません。
それが成就したのが、使徒11:15です。
使徒11:1ーさて、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちは、異邦人たちも神のことばを受け入れた、ということを耳にした。
使徒11:15ーそこで私(ペテロ)が話し始めていると、聖霊が、あの最初のとき(使徒2:1~4)私たち(ユダヤ人)にお下りになったと同じように、彼ら(異邦人)の上にもお下りになったのです。
*( )サザエ補足。主イエスから御国の鍵を預けられたペテロが、こうして異邦人にも御国の扉を開けたのです。
【ペテロが御国の扉の鍵を開けた順番】
②使徒8:14~25ーサマリヤ人(ユダヤ人と異邦人とのハーフ)に。
③使徒10:1~11:18ー異邦人に。
十二使徒の中で天命を全うしたヨハネがなくなったAD100年頃の世界の人口は約1億8千150万人で、キリスト教徒は人口の0.6%いたと言われています。
そして、教会時代はもうすぐ『花婿なるキリストの空中再臨=教会の携挙』を持って終わります。私たちはユダヤ人、異邦人への伝道とともに『携挙』に対しても備えなくてはいけない終末時代へと近づいているのです。
最初は、ユダヤ人信者たちから伝えられた福音ですが、いつしか旧約聖書の土台を持たない異邦人信者中心となり、『イエスを十字架につけたのはユダヤ人だ』という理由でユダヤ人を迫害したり、強制的に『異邦人が勝手に作り出したキリスト教』に改宗させたりしてきました。
ユダヤ人たちの民族的回心が起きるとキリストの地上再臨が起きますから、サタンは教会の歴史を使って、ユダヤ人たちが『クリスチャン』『イエス・キリスト』という名を快く思わないように、キリスト(メシア)から彼らを遠ざけています。
キリストの地上再臨は、教会時代の次の『七年間の患難時代の終わり』の出来事です。患難時代を通して、現在の不信仰なユダヤ人は裁かれ、2/3が滅びます。教会時代の内にその分母を減らすには、ユダヤ人の民族的回心を祈らなくてはいけませんし、彼らに『教会が伝えたメシア』ではなく『聖書が伝えるメシア』を語らなくてはいけません。
あなたは『キリストの花嫁』として『花婿のお迎え』に対する準備はできていますか?
霊的覚醒して、日々主にあって霊的成長できますように。