私たちは今『教会時代』という恵みの時代に生きています。
それはキリストの十字架の死によって旧いモーセ契約という律法による『旧約時代』が終わり、ペンテコステ(七週の祭り)によってキリストの福音を信じるすべての者に聖霊が下り、教会時代は幕を開けました。
この教会時代は、花婿なるキリストのお迎え『携挙』まで続きますが、それはまた、キリストの福音の三要素を信じ、御霊の内住のある『良い麦』だけでなく、『ほかの福音』を信じる『毒麦』も同時に育つ時でもあるのです。
『良い麦』も『毒麦』も成長するまでは非常によく似ていて、その区別をつけることは難しいですが、成長するとそれは誰の目にも明らかに見分けがつくようになります。
マタイ13:24ーイエスは、また別のたとえを彼らに示して言われた。
「天の御国は、こういう人にたとえることができます。ある人が自分の畑に良い種を蒔いた。
*別のたとえ…マタイ13:1~9で主は『種まきの譬え』を話され、10~33節で弟子たちにその解き明かしをされていました。その譬えとは『別に』、続けてこの『良い麦と毒麦』の譬えを話されました。
*ある人…神(イエス)
*自分の畑…この世
マタイ16:16, 18ーシモン・ペテロが答えて言った。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」
ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。
マタイ13:25ーところが、人々の眠っている間に、彼の敵が来て麦の中に毒麦を蒔いて行った。
*眠っている間に…霊的に寝ている間に、の意。
救われたことに安住して、みことばの真理から目をそらせてしまうと、霊的に寝た状態になってしまいます。
*彼の敵…神の敵である悪魔。
*毒麦…キリストの福音の一部を変えてハードルを下げ、耳に心地よい人々に受け入れられやすい内容に変更した『ほかの福音』を宣べ伝える人々を起こすこと。
『ほかの福音』とは、パウロが最も大切なこととして宣べ伝えた福音ーキリストの十字架の死、葬り、復活ーに反することであり、『ほかの福音』を宣べ伝える者は『のろわれる』とまで言われているものです。
パウロが宣べ伝えた福音とは違うことを信仰の土台にする人は、いくら口で「クリスチャンです」と言っても、神はこのように言われています。
1コリント15:2ーどんな言葉でわたしが福音を告げ知らせたか、しっかり覚えていれば、あなたがたはこの福音によって救われます。さもないと、あなたがたが信じたこと自体が、無駄になってしまうでしょう。(新共同訳)
マタイ13:26ー麦が芽ばえ、やがて実ったとき、毒麦も現れた。
良い麦が成長すると、後から蒔かれた毒麦も少し遅れて現れてきます。
マタイ13:27ーそれで、その家の主人のしもべたちが来て言った。
『ご主人。畑には良い麦を蒔かれたのではありませんか。どうして毒麦が出たのでしょう。』
*その家の主人…神の家の主人であるキリスト・イエス
*しもべ…信徒たち
*良い麦…キリストの福音ー1コリント15:3~4ーの種
マタイ13:28ー主人は言った。『敵のやったことです。』すると、しもべたちは言った。『では、私たちが行ってそれを抜き集めましょうか。』
*敵のやったこと…キリストの福音とは『異なる福音』を吹聴するのは、サタンのしわさです。キリストを信じて救われたと思い込ませますが、実は滅びに至る『異なる福音』を信じたり、また吹聴して歩く人々を増やします。
そのような教えに惑わされている人々は、いくら「聖書はこう言っている」と伝えても聞く耳を持ちません。みことばよりも『自分の思い』が優先しているからです。
*私たちが行ってそれを抜き集めましょうか…しかし、そのような人々であっても生きているうちは何かのきっかけで、真の福音を受け入れる可能性があります。
マタイ13:29ーだが、主人は言った。『いやいや。毒麦を抜き集めるうちに、麦もいっしょに抜き取るかもしれない。
すぐに『しもべたち』の判断で抜き集めてしまっては、その機会も奪ってしまうことになり、また良い麦と毒麦の区別もよくつかないので、主人はその提案を却下しています。
マタイ13:30ーだから、収穫まで、両方とも育つままにしておきなさい。収穫の時期になったら、私は刈る人たちに、まず、毒麦を集め、焼くために束にしなさい。麦のほうは、集めて私の倉に納めなさい、と言いましょう。』」
マタイ13:38~40ー畑とはこの世界のことで、良い種とは御国の子どもたち、毒麦とは悪い者の子どもたちのことです。
毒麦を蒔いた敵は悪魔であり、収穫とはこの世の終わりのことです。そして、刈り手とは御使いたちのことです。
ですから、毒麦が集められて火で焼かれるように、この世の終わりにもそのようになります。
*収穫の時期…この世の終わり/患難時代〜千年王国への移行期
*刈る人たち…御使いたち
*焼くために束にしなさい…地上再臨されたキリストにより、患難時代を生き延びた異邦人はヨシャパテの谷に集められて『羊と山羊』に分けられます。そして、山羊組になった人々はみな滅ぼされます。
(イスラエルのレムナントは、民族的回心をするため『羊と山羊の裁き』には該当しません。キリストの地上再臨の条件は、レムナントの民族的回心です。)
【まとめ】
①マタイ13:3~9ー種蒔きの譬え…教会時代を通して福音の種蒔きが行われる。
②マルコ4:26~29ー福音の種…種にはエネルギーがあるので、ひとりでに芽を出す。
③マタイ13:24~30ー毒麦の譬え…真の種を蒔く人々の真似をする偽物。
④マタイ13:31~32ーからし種の譬え…巨大な外観だが、内部にサタンが巣を作っている。
⑤マタイ13:33ーパン種の譬え…教会内部に教義的腐敗は隠されている。
⑥マタイ13:44ーそれでもイスラエルのレムナントがいる。
*宝…レムナントのこと。
⑦マタイ13:43~48ー教会は、ユダヤ人信者と異邦人信者とで形成される。
*良い真珠…異邦人信者
*海…異邦人諸国
⑧マタイ13:49ー悪い者はメシア的王国(千年王国)から除外される。
⑨マタイ13:52ー奥義としての王国と神の王国のほかの側面には、似ている面と似ていない面とがある。